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■韓国現代自動車会長、横領・背任容疑で逮捕
不正資金１４００億ウォン造成、政官界に提供
【ソウル28日上田勇実】
韓国検察当局は28日夜、韓国大手財閥・現代自動車グループの鄭夢九会長を
特定経済犯罪処罰法上の横領および背任の容疑で逮捕した。１０００億ウォン以上
の不正資金を政界などに提供したとみられている。自動車メーカー最大手の経営
トップ逮捕に韓国財界は動揺を隠せずにいる。
検察によると、現代自動車は関連会社などを通じ約１４００億ウォンの不正資金を
造成、会社の事業便宜などに向け政官界にロビー資金として提供し、鄭会長自身も
不正蓄財。また債務超過で経営が悪化している企業の有償増資に系列会社を参加
させ４０００億ウォンの損失を与えたとみられている。このほか２００２年の大統領選挙
の際に数１００億ウォンを捻出し、政界に不正献金したもよう。経営権継承をめぐって
不正な手段を使ったとみられている長男の鄭義宣・起亜自動車社長は、在宅起訴
される見通しだ。
現代自動車に対する検察の捜査は、３月下旬の一斉家宅捜査から１カ月続いてきた。
鄭会長は、旧現代グループ創始者の鄭周永名誉会長の長男。鄭夢周名誉会長が
死去した２００１年を前後して後継問題が表面化し、グループは現代自動車を含め
分社化され、会社同士の対立も発生したが、この過程で現代自動車グループは、
政府から事業上の便宜を図ってもらうため政官界に不正資金を手渡したとみられている。
会社の陣頭指揮をとるトップの逮捕で、今後、同グループの経営に大きな支障が
出るのは必至だ。
ただ財界からは、「ウォン高や原油高で経済が失速している中、活発な経営で韓国
経済の発展に貢献しているグループの会長を逮捕までして裁くのが妥当なのか」
（韓国経営者総協会）などと、経済界全体への悪影響を憂慮する声もでている。今回の
逮捕は、社会の既得権交代を掲げ、財閥の不正に対し強硬な姿勢を打ち出していた
盧武鉉政権の意向が少なからず反映されたもの、との見方もでている。
ソース：世界日報 2006/4/28 22:00
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