06/04/14 13:42:15 Rp2DsdOy
すしブームの陰に
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保存食から始まった寿司が、日本を代表する食文化として世界に広まっている。
多くの日本人がいるアメリカはもちろん、回転寿司はロンドンからファッショナブルな
若者の店として日本に逆上陸したし、すしブームはロシア、ドイツ、イタリアでも火が
ついているという。
17年前、メキシコシティでは日本食レストランが30店、その5年後には150店に
増えたと聞いた。今ではどのくらいになったのだろうか? アメリカのすしブームは
日系人の多いロスアンゼルスで映画やインターネット業界の好奇心に富む知識層
からアメリカ人の間に広がっていった。
箸をうまく扱うことが知的なステータスとなった最近の状況は、「生の魚を刻んで
食べる?」と顔をしかめた以前のアメリカ人からは想像もできない。すしブームは
いまやアメリカ全土に広がり、テキサスやテネシーなどの南部でも盛んだそうだ。
もっともすし職人は中国人、韓国人、ベトナム人、メキシコ人などが増え日本人の
職人は30%にも満たず、オーナーもその傾向に拍車がかかっている。
これに伴い、わさびやしょう油、海苔などの日本食の食材も、値段で勝負の世界に
入ってきた。最近は日本食材の業界で自嘲気味に次のように嘆かれている。
「コピーペーパーより安い海苔」「真水より安いしょう油」「海の砂より安い粉ワサビ」
「粘土より安い味噌」・・・。「おいしくて安全、健康によい」というのが売り物の日本食が、
大衆化と共に「安くて量のある」ものを求める人が多くなってきた。
当然、親方の厳しい訓練を受け、魚の扱い方から衛生観念まで修行と常識をわきま
えている日本人職人とは感覚が違ってくるのはしょうがない。仕事が終わると調理場
の隅々まで水をふんだんに使って洗いたて、調理服も清潔に保つのが職人の心意気。
それがもしかすると・・残った食材が翌日に廻され、ひょっとすると翌々日までも・・・。
もしも食中毒が頻繁に起こり、「すしは危ない」とのイメージが出来上がると日本食全
般に影響を及ぼすと心配をする人もいる。
異文化交流は食文化からといわれる。それが異国で定着するにはこのような過程を
経てその地にマッチした料理へと変身するのだろう。