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【噴水台】クマ
昨年４月に就任したローマ法王ベネディクト１６世の紋章には、赤い荷物を背負った褐色のクマが
入っている。 このクマはドイツ・バイエルン州フライシングを象徴する動物。 ローマ法王は、ミュンヘン・
フライシング教区の大司教を務めた縁がある。
クマがフライシングの象徴になったことには事情がある。 ８世紀、同地域にキリスト教を伝ぱした聖人
コルビニアンが、荷物を背負った馬をひきながら道を歩く途上で、突然クマが現れ、馬を殺してしまった。
そうすると、聖人が奇跡を起こし、目的地までクマに荷物を運ばせた。 学者は、この伝説の中の赤い荷
物を「キリスト教文明」に、クマを「野蛮な異教徒」に、それぞれたとえたもの、と分析する。
このように西洋でクマは、すなわち野蛮を意味した。 そのせいか、１９世紀の西欧の風刺画家は、当時、
近代化が遅れていたロシアをクマにたとえた。 ナポレオン軍が攻めてくると、静かに後退だけした後、詰め
のところでひどい目にあわせたロシアの作戦も、クマを思い浮かばせただろう。 クマは死んだふりをし、
じっとしていた後、近寄ってくればいきなり攻撃する、という俗説のためだ。 旧ソ連は、１９８０・モスクワ五輪
のマスコットに、褐色のクマ「ミーシャ」をお目見えした。 クマを事実上、国家のキャラクターとして受け入れ
たわけだ。
褐色のクマがロシアを代表するならば、パンダは中国を象徴する。 中国人が力と中庸の象徴に思う動物だ。
毛沢東が、７２年に訪中した当時のニクソン米大統領に贈り物として渡し、「パンダ＝中国」という等式が固
まった。 そうした事情からなのか、魚、オリンピック聖火の火、チルー（ｃｈｉｒｕ）、ツバメと共に、パンダを２００８年
の北京五輪マスコット５の一つに選んだ。
中国ではパンダを熊猫と呼ぶ。 クマとネコを合せた概念だろうか。生物学者も混乱するのは同様で、一時は
アメリカ原産のタヌキ科と言われ、また、クマ科だとしたが、最近はパンダ科に区分するすう勢だ。だが、普通の
人の目には、どうしても可愛いクマのように見える。
このところ、褐色のクマとパンダが日々仲良い姿を見せている。 中国は今年を「ロシアの年」に、ロシアは来年
を「中国の年」に、それぞれ宣布し、相互友ぎを確かめあっている。 記念バッジには、褐色のクマとパンダが握手
する姿が描かれ、「手を取りあって共に進もう」というスローガンも記されている。 歴史的に対立も多かったが、
最近の改革・開放から分かるように、似たような部分も多いユーラシア大陸の巨大な２のクマが、一緒に未来を
模索している形勢だ。 それも、檀君（タングン、韓民族の伝説上の始祖）説話が語ってくれるように、クマの話ならば
抜けられない韓半島の鼻先で。 それなら、北東アジア「クマ３頭」の残りの一つの軸である韓国は、どんな未来を
図るべきだろうか。
蔡仁沢（チェ・インテク）国際部門次長
ソース：中央日報 2006.03.23 19:06:58
URLﾘﾝｸ(japanese.joins.com)
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