06/03/15 01:40:32
【WBCコラム】日本の「魂野球」に仰天した米国
1回表の日本の攻撃。先頭打者イチローがボールカウント1-1から、米国先発ピービの3球
目を引っ張った。打球は目の覚めるような弾丸ライナーとなり、エンジェルスタジアムの右翼
席に突き刺さった。
1941年の真珠湾。日本の戦闘機が日曜の昼下がり、初めて爆弾を投下した場面を連想す
るのは度が過ぎるだろうか。
イチローの同日の先頭打者本塁打は野球の祖国米国の自尊心を打ち砕くのに十分だった。
勝って当たり前とタカをくくっていた米国の観衆たちが、突然緊張し始めたのだ。
試合前、両チームの紹介に続き、エンジェルスタジアムの電光掲示板には君が代と米国の
国家がともに鳴り響いた。決意みなぎるイチロー、松中、福留らの表情が電光掲示板に映し
出された。
あえて「魂野球」を掲げる日本だけの独特な精神世界に触れなくとも、70年のプロ野球歴史
の底力をみせつけようとする強い意志がうかがえた。
日本野球が米国に新鮮な衝撃を与えたのはイチローの活躍のおかげだった。2001年、シ
アトル・マリナーズに入団し、直ちにリーグ最高打者にまでのし上がった。
「日本でも通用する選手は米国でも通用する」という考えが米国の球団内に定着し始めた。
大リーグ史上初めてイチローは、デビュー後の5シーズンを通じ連続200安打以上を達成した。
その後も松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース)がここ3年でシーズン平均100打点をたたき
出す活躍をみせ、ヤンキースの主軸打者としての地位を確立するなど、日本野球の位相を
高めるのに成功した。
しかし、イチローと松井は個人の成功に過ぎなかった。日本代表チームの王貞治監督は今
回のWBCを前に、「世界最強になる」と宣言していた。米国を破るとの決意だ。
トヨタがゼネラルモーターズ(GM)を脅かしているように、日本野球の底力を米国に知らし
める覚悟だったのだ。
米国代表チームはまだ事態の深刻さに気付いていないようだ。相変らず同日の試合でも、
ほとんどの打者がチームバッティングよりは力任せにスイングする傾向をみせた。
予選でカナダに仕留められたが、米国のバック・マルティネス監督は試合前、相変らずの
余裕っぷりだった。
アレックス・ロドリゲスのサヨナラ安打が飛び出し、米国が4-3で逆転勝ち。しかし、米国は
日本野球にその領域を奪われつつあるのを少しは悟ったに違いない。
『スポーツ朝鮮』
URLリンク(japanese.chosun.com)
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