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■フィリピン圧死惨事は「後進国型人災」
死亡者88人を含む500人近い死傷者を出した４日のフィリピンでの圧死事故は、番組の人気を
上げるためのテレビ局側の「軽薄な商法」と「幸運」を狙った人々によってもたらされた人災だと
いう指摘が優勢だ。
この日の悲劇をもたらした張本人は、ABS-CBNテレビが過去１年間放映して人気を博してきた
テレビ番組「Wowoweeゲームショー」。生放送のこの番組が人気を独占したのは、何より視聴者
に提供されるふんだんな景品のためだ。
普段からテレビ局側は、視聴率を高めるために高級乗用車・携帯電話・現金などを抽選で視聴
者に提供してきたという。これは、高い視聴率を維持することでスポンサーをより多く集めること
ができ、スポンサー料を高くできるためだというのが、現地専門家らの説明だ。全人口の40％近
い人々が一日平均２ドル未満で生活しているフィリピンの現実を考慮すると、視聴者にとっては
「ロト宝くじ」と同じような幸運を期待するに値する。事故発生の２日も前から、惨事の現場となっ
た競技場の座席数より倍ほども多い３万人余りが群がり集まったという事実一つを取っても、こ
うした期待が読みとれる、という分析だ。
しかし「Wowowee」１周年記念行事を主催したテレビ局側は、事故の可能性が高いにもかかわら
ず参加者の安全問題を度外視したという指摘を免れにくい。「自分たちは行事の'熱気にさえ気を
使えば良かったんだろう。安全問題などは警察など行政当局の仕事だ」という安易な態度に終
始していたと、目撃者や警察は一様に指摘する。
この番組の司会者は事故が発生後も行事続行に固執し、世論の非難に押されたテレビ局経営
陣の決定直後に中止をやむを得ず発表したという点だけ見ても、商売優先の姿勢をうかがえる
という指摘も多い。
事故が発生したパシグ市など行政当局も責任を免れることはできない。多くの人が事前に事故
発生の可能性を警告していたにもかかわらず、座視して惨事を招いたと指摘されている。負傷者
を含む大多数の目撃者が、会場に通じる鉄製ゲートの近辺に当局から派遣された警備要員を
ほとんど見かけなかったと一貫して主張していることが、これをよく証明する。
結局、今度の惨劇は、自局の利益優先で行事を主催したテレビ局、「景品大儲け」を狙った参加
者たち、無責任な行政当局などによってもたらされた典型的な「後進国型人災」だというのが、
専門家らの一般的な指摘だ。
▽ソース：聯合ニュース（韓国語）（2006/02/04 23:23）
URLﾘﾝｸ(www.yonhapnews.co.kr)
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