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外交世論調査・深めたい東アジアのきずな
日本人の意識から「東アジアの一員」という根幹が失われつつあるのだろうか。
内閣府が先ごろ実施した「外交に関する世論調査」によれば、中国に「親しみを感じる」と答えた人は
過去最低の32・4%にとどまり、韓国に対する親近感も51・1%と半数がやっと。
残念に思うと同時に、深刻な事態と言わざるを得ない。
隣国と仲良くできなければ、世界の国々ときずなを深めることなどかなうまい。
親近感を持てなくなった理由は何か。自らの言動を省みず、
相手国のせいにしてはいないか。一人一人がいま一度、考えてみる必要がある。
対中、対韓関係とも、小泉純一郎首相の靖国神社参拝で冷却している。
そのことが影響していることは確かだろう。
中国に対しては今春の過激な反日デモも「嫌気が差す」一因とされている。
それは親近感が、この1年で5・2ポイントも減ったことからもうかがえる。
韓国に対しては、韓国ドラマの日本での放映に端を発した「韓流ブーム」で好感情とされていただけに、
4年ぶりの低下は残念だ。竹島(韓国名・独島)の領有権問題などで溝ができたことが痛かった。
文化交流で縮まった日韓の距離を、政治がぶち壊し「近くて遠い国」に戻した印象だ。
中国に対してもしかり。日本のミュージシャンが上海公演で歓声を浴びたり、
ハリウッドで製作された日中スター共演映画がヒットしたりと文化交流は盛んだ。
日本企業との提携など経済交流も活発で、必ずしも反日一色ではない。
ところが首脳や高官レベルになると、ぎくしゃくした関係が続いている。
民間交流に、政治が水を差す構図である。
へたな外交が両国民の意識にも暗い影を落としているとしたら見過ごせない。
古来、日本は中国や朝鮮半島と仲良くしてきたはずだ。20世紀になって大きな過ちを犯したが、
心から謝罪し、正しい歴史認識に立てば、以前のように親交を深めることは可能だと信じたい。
米国に対しては、4人に3人が親しみを感じている。
衆院選圧勝の小泉政権がブッシュ政権を頼みとしていることも背景にあろう。
しかし、アジアの国々との関係が悪化したままでは、国際社会の一員として胸を張れまい。
中韓両国にも問題はある。日本への不満を、日系人店舗への無差別襲撃などで爆発させる行為は許されない。
あくまでも対話で、溝を埋めていく粘り強い努力が求められている。
いずれにしても、非難の応酬では関係改善につながらない。まずは日本側から、
東アジアの一員としての自覚と誇り、親近感を示したい。そこから信頼が生まれ、
共同体としてのきずなも深まる。
ソース:琉球新報
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