05/12/09 09:11:28
もう一つの女性を拒んでいた門が開いた。
毎週土日に果川(クァチョン)のKRAソウル競馬公園で、レースが繰り広げられるたびにマイクを取って生々しい実況を伝える中継アナウンサーとして、
初めて女性が抜擢され活躍している。週末の午前、短距離レースの中継を行なうキム・スジンさん(31)がその人だ。
女性の競馬中継は、80年間の歴史を持つ国内の競馬史ではもちろん、米国、英国、オーストラリアなど、外国の競馬界でも例を見ない。「迫力が命である競馬中継に、
甲高い女性の声は似合わない」と考えられてきたからだ。しかし、キムさんの中継を聞いてみれば、そんな偏見は吹き飛ぶ。
「あの…みごとなスタートの3番『一族の光栄』のパク・テジョン騎手がトップ、その後をウ・チァングク騎手の『正統性』が追っています。
3位を走るカン・テヨン騎手の4番スピードウェーを挟んで内側に5番のノンゴル大将、外側に7番のベストコンディション…」
およそ140の音節を発音するのにちょうど7秒。機関銃のようにマイクの前で言葉を「発射」する。「1000メートルレースが進められる1分5秒間、馬はほとんど無酸素運動で走ります。
中継する自分も、息をすることなく言葉を並べるような感じです」
キムさんの現在は、力強く走る馬が大好きだった結果だ。キムさんは、「馬とは結婚しようがないから、男と結婚したくらい、馬が大好き」と笑う。
キムさんは1996年、韓国馬事会(KRAの旧称)のアナウンサーとして入社し、10年間騎手のインタビューなどを担当して、
「愛馬婦人」兼「競馬博士」になった。昨年末、これを注目したある役員にレースの中継を進められ、
そのときから半年間、一日5時間の練習を重ねた。同じ会社に勤める夫のオム・ヨンソクさん(37)の励ましも大きな力になった。
KRAは「競馬の花」ともいえる場内中継をキムさんに簡単には任せなかった。事前収録したキムさんの練習放送をインターネットで配信した後、
ファンの反応をアンケート調査で調べた。その結果、回答者のおよそ500人のうち、70%以上が、「女性の声なので、よりはっきりした感じが良い」と支持したのが確認され、
ようやく8月27日からマイクを取ることができた。
わずか1~2分しか続かない中継ではあるが、中継の前日キムさんは、約束など一切を遠ざけ、資料収集などの準備をする。中継の1時間前からは、
配当率表を確認してファンが注目する馬について勉強する。
キムさんが期待以上の活躍を示したことを受け、KRA側は来年から済州(チェジュ)競馬公園でも女性の中継アナウンサーを登場させる予定だ。
「入社の前に運勢を占ったが、『マル』(韓国語で「言葉」と「馬」の発音は両方とも“マル”)で食べていく運命と言われました。
マル(馬)を見ながらマル(言葉)を発する仕事についたんです。本当に不思議ですよね?」
ソース:朝鮮日報
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