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日本小児科学会雑誌 最新号目次
第108巻 第8号/平成16年8月1日
Vol.108, No.8, August 2004
心タンポナーデにより発見されたイヌ回虫症の1例
イヌ回虫は主にイヌを固有宿主とする寄生虫である.従ってヒトに
感染した場合,幼虫のまま長期間生存して体内各臓器に移動する幼虫
移行症を呈する.その臨床症状は多岐にわたり,侵入部位により肝機
能障害,呼吸器,眼症状を呈する報告が多い.今回,われわれは心タ
ンポナーデにより発見されたイヌ回虫症の13歳女児例を経験したので
報告する.主訴は嘔気,心窩部痛.血液検査上,肝機能障害を認め,
また心エコーおよびCTにて多量の心嚢液貯留,脈圧の減少を認め心タ
ンポナーデと診断し,心嚢ドレナージを施行した.その後速やかに症
状は消失したが,肝機能障害持続,次第に好酸球増加が顕著となった.
各種ウイルス抗体価や骨髄像は正常であったが,ELISA検査にて血清お
よび心嚢液の特異的イヌ回虫抗体の著しい高値を認めた.
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