05/11/07 08:25:49
2008年の北京五輪前までに新規供与を打ち切ることで日中両国政府が合意している中国への
政府開発援助(ODA)の円借款に関する日中協議がストップしていることが六日、複数の関係筋
の話で明らかになった。
小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発する中国側が事務レベル協議に応じていないためだが、
円借款の終結方法や無償協力の継続などをめぐって日中間の見解が対立していることが背景にある。
日中両政府は、町村信孝外相(当時)と李肇星外相が今年三月に電話で会談し、北京五輪前までに
円借款供与を打ち切る方向で協議を進めることで合意した。
四月に北京で開かれた日中外相会談でも、対中円借款を円満に終了するため事務レベルで協議を行う方針を確認していた。
日本側は、昭和五十四年度から始まった対中ODAの主要部分である円借款供与の打ち切りにあたって、
「双方が経済協力の成果を祝え、『有終の美』を飾れるものにしたい」(外務省幹部)としており、日中双方で
「最終プロジェクト」を検討することにしていた。
しかし、今春に中国国内で反日デモが頻発、小泉首相の靖国参拝問題の影響もあって「事務レベルでの
協議はほとんど進んでいない」(同)状況にある。
日本側は円借款の新規供与打ち切り後も、温暖化対策など環境問題に関する技術協力や文化無償資金協力に
限って継続する方針だが、中国側は無償資金協力に経済発展に寄与するインフラ整備も含めるよう水面下で求めているという。
来年度予算案編成を控えて、日本側は対中円借款に関する協議をすみやかに再開したい考えだが、
「中国側が前向きに応じてくる保証はない」(日中関係筋)との見方も出ている。
日本政府内では、対中円借款の新規供与を終えるにあたって、すでに交換公文を締結した案件で2008年度以降
にまたがる事業を除き、北京五輪前までにすべて打ち切るべきだとの意見と、対中関係を考慮して一部例外を
認めるべきだとの両論があり、結論は出ていないが、中国側がこのままの対応を続ければ、「即時打ち切り論」が勢いを増しそうだ。
■ソース
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)