05/03/27 21:22:13 Idrwqs59
6/12夕刊 朝日東京本社版
窓 論説委員室から
ああ共催
新聞の社説は床の間の天井みたいなものだ、と言った人がいる。
「立派にできてはいるが、のぞいて見る人はいない」というから、
ひどい。
そこまでとは思わないが、なかなか社説のいうようにならない
のが世の常。書いてもむなしいことも少なくない。
しかし、そういうことばかりでもない。いま盛り上がるサッカ
ーのワールドカップ日韓共催はその典型だ。
あれは、両国が開催をめぐって激しく競っていた95年6月の
こと。私たちは思い切って「いっそ共催しては」と提案した。
もちろん事前に議論した。「絵空事にならないか」「スポーツ
と政治は違う」。だが、「どちらが誘致争いに勝っても後遺症が
大きすぎる」「日韓の歴史に大きな一ページを」となって踏み切
った。
うかつだったのは、朝日新聞の社長がW杯誘致委員会のメンバー
だったのを知らなかったことだ。それやこれやで、サッカー関係
者からは恨みの声が聞こえてきた。
だが、社長とて社説に号令などかけないのが、この会社のあり
がたいところ。私たちの社説が韓国の国会質疑で取り上げられた
りしたのにも意を強くして、7月に重ねて共催論を書いた。
翌年5月、土壇場でFIFAが下した共催決定に、サッカー関係者
のショックは大きかったが、いまでは日韓とも口をそろえて「よ
かった」と言ってくれる。
「やったぜ」の思いを抱きつつ、ゲームの行方に熱くなる毎日
だ。 <若宮啓文>
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(@∀@-)←若宮啓文
._φ 朝⊂)
/旦/三/ /|
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