06/12/25 21:26:26 /7RIfLY+0
あれは俺が31、2の頃やったかな。
俺なぁ、調子に乗ってメジャーに挑戦行ったんや。
ほんで1年ほど罰ゲームして帰って来たんや。
契約更改やったんや。ブランドあらへんかったんや。
あれ?無い、と思ってパッと見た、まわり。あらへんねん。
そん時に、ピーンときたんや。ブランドなくなった!って。
俺、すぐまわりの人に聞いたよ。
「すいませんブランド知りませんか?」
「すいませんぼくのブランド無いんです」
「すいませんここのブランド知りませんか」
でもな、世間は冷たいもんや。誰一人俺の声に耳を貸さへんかった。
心無い人が、俺を殴ってきたりもした。
俺、あっちこっち探したよ。
あっちこっち探したよ。
向かいのホーム、路地裏の窓、そんなとこにいるはずもないのに。
でも、どこにも無いんや。
それからというもの俺の生活は荒れたよ。
毎晩毎晩、酒飲んだよ。毎晩毎晩、酒飲んでベロンベロンや。
朝起きてブランド探した。
夜ベロンベロン、朝ブランド、俺の体ブヨンブヨンや。
行きずりの女と寝たよ。
ブランド忘れるために女を抱いたよ。
でも誰一人ブランドの代わりはでけへんかった。
何かを求めてゴルフへ行ったよ。
二日で帰って来たよ。
手首が治ったからな。
でも、どこにも無いんや。どこ探しても無いんや。
はははははははははははは。
無いんや。おい、笑ろてくれよ。どこにも無いんや。
なあ、だから俺、お前の気持ちわかるから無理すんな。
なあ、もう大丈夫や、今日から俺がお前のブランドになるから。
来い!来いよ!
ブランド!ブランド!ブランド!・・・
よし。交代や。