06/12/05 03:01:37 0
真っ赤に染まったスタンドで、一斉に拳が突き上がった。
2日午後、埼玉スタジアムで優勝を果たしたレッズのサポーター。
「Pride of Urawa(浦和の誇り)」「浦和をみせてやれ」といった横断幕が誇らしげに揺れる。
川口市の男性(30)は「年間王者ですか…。やっぱり響きが違いますね」とうっとり。
ダサイタマの過去に話題を振られても「そんなの昔の話。レッズは世界に誇れるチームに
なりますよ」と笑い飛ばす。でも、さいたま市の男性(39)はやや違った。
「極端に言えば、サッカー以外は何もないところ。そこにレッズが来たから、
みんな夢中になったんですよ」
確かに、若者から老人まで、これだけの人が集まる所は埼玉県にはない。
「ディズニーランドも海もない。楽しめるものが何もない」(さいたま市の33歳女性)
という声をよく耳にする。
「レッズに出会うまでは、パチンコやテレビばかりでした」(日高市の39歳男性)といった人もいる。
「出身県でわかる人の性格」の著者で朝霞、川口市に住んだこともある出版
プロデューサー岩中祥史氏は「アイデンティティーがない県。
レッズが人気を集めたのはその裏返し」と断言する。NHK放送文化研究所の
全国県民意識調査では、「住んでいる都道府県は好きか」「住み良いところか」
という質問で、埼玉県はともに最下位だ。
岩中氏によると、現在の埼玉県があった武蔵国は二千余もの小領主に支配され、
団結心や連帯意識に乏しかった。
戦後は、東京に近く、地価も神奈川や千葉より安いため、県外の住民が流入。
東京に通勤・通学し、地元に関心が薄い「埼玉都民」が増えていった。
県全体がベッドタウンのような状態では、街の個性は育たず、知名度も上がらない。
県庁所在地だった旧浦和市(現さいたま市)でさえ、「タクシーで『浦和』と言ったら、
浦賀(神奈川県横須賀市)に着いた」「『ディズニーランド(千葉県浦安市)がある所でしょ』
と言われた」といった、悲しい笑い話がある。
県はイメージチェンジを図ろうと
「彩の国」という愛称までつくったが、ダサイタマのダはなかなか取れない。
(>>2以降に続く)