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作家の三島由紀夫(1925ー70年)が学習院在学中の10代後半、
同人誌の先輩にあてた書簡12通が29日までに見つかった。
未発表の詩や文学論をつづった文面に、創作への自信と不安が表れており、
作家三島の原点を示す貴重な資料として注目されそうだ。
見つかったのは、三島が15ー18歳のときに、同人誌「赤絵」の先輩だった故東文彦にあてた手紙。
これまでに約80通が「三島由紀夫 十代書簡集」などで公になっているが、
三島研究家の犬塚潔さんが新たに12通を知人から預かり、確認した。
12月7日発売の文芸誌「新潮」1月号に掲載される。
43年の書簡にある「哀慟歌」は、太平洋戦争の敗色が濃くなり始めたことを受け、
三島が古代の詩を模して万葉調で作った詩。今回、初めて内容が明らかになった。
さらに、高校の雑誌で詩人伊東静雄を紹介することについて
「伊東静雄なぞといふ名をしらぬのが半ば以上の先生連はさぞびつくりするでせう」と
誇らしげに書くなど、文学的才能への自信がうかがえる。
一方、リルケの訳詩や自作の詩を披露して東の評価を仰いでいるが
「どうもあんまり自信がありません、何卒御酷評をおねがひ申し上げます」と、
悩める心境を率直につづっている。
また、知り合いの詩人に「早熟といふのでも天才といふのでも何でもない」などと
言われたことへの憤りを吐露し、「この分では(中略)とても詩壇づきあひなんて出来ますまい」と、
すねたように記し、人間くさい一面ものぞかせている。
そーす
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