05/12/15 02:16:55 7hdGhtnnO
ある日お忍びで長嶋が松井のもとを訪れた。
「ミスター、今日は突然どーなさったんですか?」「いえその~今日はぜひ松井くんに見せたいものがありましてね、ええ・・・」と言いながらポケットをさぐる長嶋
すると松井が見覚えのある箸と数粒の小豆を取り出した。「この松井くんに戴いたお箸でですね~なんとか小豆を掴んでみようと思ったわけですが、一茂たちはね「父さんには無理ですよ」なんて言うんですが、何事もやる前から出来ないって決めつけてはいけないと・・・」
と言いながら震える手で箸を持ち、小豆を摘もうとする、しかしながらやはり掴むことができない。でも長嶋は諦めずに何度も箸を動かす。松井は何も言うことができずただ見守ることしかできなかった。
そうして一時間ほどたっただろうか、松井が長嶋を止めようとしたその時!
「諦めなければ意外とできるものなんですね~WBCと連続試合出場、そしてワールドチャンピオン、両立は難しいかもしれないですが松井くんなら必ずやれるはずです。こんな老いぼれでもできるんですから」
---松井は涙が止まらなかった---
その翌日、未だ悩む松井のもとに一本の電話が。
一茂だ。「父が・・・亡くなりました。」その一言に絶句する松井。
一茂は続けて言った「父が最後に「日本代表の4番を打つ松井くんの姿が見たい」と言ってました」
松井の目は世界を見据えた。「一茂さん。ミスターの耳に受話器をあてて戴けますか」
そして松井は決意をミスターだけに伝えたという