05/08/10 12:47:31
★死亡した人間の胎児と鳥の死骸を合体、大問題に スイス
【swissinfo】スイスの首都ベルンにて開催中の中国現代美術展にて、死亡した人間の胎児の
頭部をカモメの身体に接合した作品が展示され、物議を醸している。
作品を制作したシャオ・ユ氏は、作品に用いられた頭部が実際に死亡した胎児から取られたもの
であることを認めている。頭部は1960年代に生まれた胎児のもので、1999年、北京で開かれた
科学博覧会で展示されたものから入手したと話している。
しかしその後、同作品を見たスイスの右派ジャーナリスト、アドリエン・ドゥ・リエドマッテン氏は
作品の合法性を巡って検察官とともに作品を告発、「我々は死者に対して最低限の敬意を払うべき
である」として現在、作品の展示中止を求める騒ぎに発展しているという。
「この作品の倫理性を問うことは全く妥当な行為だと考えます。」アドリエン氏は取材にそう語っている。
また告発を受けた美術館側は今後、22日に専門家らを集めたシンポジウムを開催し、同作品の
倫理性を巡って討議を行う予定であるという。アドリエン氏は取材に対し、現在アーティスト自身、
そして美術館、作品のオーナーである前在中国スイス領事館大使のユリ・ジグ氏等に対して法的
処置を求めたと話している。
しかし展示会キュレーターのベルナルド・フィビシャー氏は、作品を展示中止とすることは、今後の
展示を台無しにするものであると話している。またシャオ氏も抗議に対し、今回の作品は全ての生命
を尊重するからこそ生まれたものであるとして、強く反論している。
「鳥も胎児も、おそらく何か良くないことがあって、どちらも死んだわけです。私はそれを組み合わせて、
新しい生命を吹き込んだわけです。」シャオ氏はそう語っている。また現在、美術館では入り口に注意書き
を設置し、一部の作品が少なからず衝撃を与えることを予め警告しているという。
同作品は1999年、イタリアのベニス・ビエンナーレで初めて公開され、同年、ジグ氏によって買い取られた
ものである。美術館員によれば、ジグ氏は近年、中国で興隆する現代美術に強い関心を抱き、1990年代に
入ってからシステマティックな方法でそうした作品の収集を続けていたという。
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