06/12/26 23:15:50
長時間労働もそうだ。厚生労働省の調査でも30代、40代前半の男性労働者の4人に1人は
週60時間以上働いている。これは月にすれば80時間以上残業していることになり、過労死の
危険性を指摘されるラインに達する。夫を過労死で亡くした遺族はこう言った。「残された
子供は『一生懸命まじめに働いたってお父さんは死んじゃったじゃないか』と言いました」。
別の遺族は「人間として生きていけるような労働の在り方を実現してほしい」と訴えた。
不安定な雇用の下、低賃金で働くか、正社員として死ぬまでこき使われるか。極端な言い方
かもしれないが、労働の尊厳を奪うこうした働かせ方が格差の下敷きになっているように
思えてならない。「再チャレンジ」した先にたどりつくのが同じように命を削るような働き方を
する正社員であるのだとすれば、そこに希望は感じられるだろうか。
繰り返すが、「再チャレンジ」のシステムを作ること自体は否定はしない。だが、そこには
「人間らしく働く」という基本的な要求が満たされていなければならないと思う。それに向き
合わない、格差解消、再チャレンジの言葉はあまりにも軽く、空々しい。(社会部)東海林智