06/12/21 18:29:22
今年、ケータイ業界で議論が巻きおこりつつあるのが、「SIMロック」と
「インセンティブ(販売奨励金)」の不要論だ。通常、携帯電話端末のなかには
契約情報や電話番号が記録されているSIMカードというものが差さっている。
だた、日本の携帯キャリアは、端末に「SIMロック」と呼ばれる利用制限をかけており
自社のサービスしか使えないようにしている。
■インセンティブ支えるSIMロック
ノキアの端末のように日本でも「SIMロック」がかかっていない場合もある。
SIMロックのない海外の場合、ノキアなどの端末メーカーが販売する端末に、
どのキャリアのSIMカードを差しても利用することが可能だ。
しかし、日本の場合、NTTドコモの端末にソフトバンクモバイルのSIMカードを差しても
利用できない。 これが「SIMロック」と言われる仕組みだ。
通常、日本で携帯電話を買おうとすると、高機能モデルで3万円台、
安価なもので数千円、場合よっては1円や0円で購入できてしまう。
これは、キャリアが販売店にインセンティブ(販売奨励金)を数万円(平均して4万円程度)
支払うことで成立している商慣習だ。販売店は、顧客から端末代金をもらわなくても、
機種変更や新規契約が成立するたびにキャリアからインセンティブを手に入れられる。
手頃な代金で新機種を所有したユーザーはその後、長期間、同じ機種を使い続けることになる。
キャリアとしては毎月、基本料と通話料として平均7000円前後を安定して回収することができる。
キャリアは毎月、回収できる基本料金を原資として、さらに他のユーザーにインセンティブを
払い続けるというわけだ。
当然ながら、端末にはSIMロックがかかっているため、そのキャリアのサービスしか使えない。
SIMロックがかかっており、他社に流出しないという担保があるからこそ、キャリアは
インセンティブという仕組みを維持できるのだ。 このインセンティブ制度が最近になって、
やり玉に挙げられている。総務省の「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」などでも
見直しを進めようとしている。不要論の中身と言えば、「日本の通話料金が世界の各国に比べて高いのは
インセンティブがあるからだ。インセンティブをなくせば、月額の通話料は値下げできるはずではないのか」
という理屈だ。 確かに正論である。
特に、数カ月ごとに最新機種を安価で新規契約し、すぐに解約するといったユーザーに対する
インセンティブは、回りまわって長期間契約しているユーザーの負担になるという構造に、メスを入れる必要はある。
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