04/07/08 06:32
ダニをもってダニを制す 果実の大敵 天敵で駆除 県農業技術センター
【大分】 県農業技術センター(宇佐市)が、イチゴなど果実に被害を与える「ハダニ」を
天敵の別種のダニで駆除する「ダニ・減農薬」栽培の技術開発に取り組んでいる。近く
栽培技術の原案をまとめ、九月にイチゴ農家で実証試験に着手、来年度中に栽培
マニュアルを完成させる。農薬に代わるユニークな害虫対策で“食”の安全性を
アピールし、消費拡大を目指す。
ダニを使った害虫駆除は、一九九五年にオランダから導入された。同センターは、
ハダニをえさにするチリカブリダニに着目。木のチップに付着したチリカブリダニ(体長
約〇・四ミリ)を畑に散布し、果実の葉を食べるハダニ(同約〇・二―〇・三ミリ)を捕食
させる。果実にダニが残ることはないという。ただ、散布の時期や量、回数のほか、
湿度や温度管理にノウハウが必要で県内では普及していない。
このため、同センターが「環境に優しい農業技術の開発」を掲げ、二〇〇三年度に
栽培技術の開発に着手。昨年九月にセンターの試験場のイチゴハウス(一アール)
で、農薬だけによる通常栽培と比較した。
その結果、駆除費は約三分の一、作業時間は約十二分の一に減少した。ただ、一部が
ハダニの被害に遭い、一株当たりの平均収穫量は約17%減の約五百グラムになる
など課題を残した。
センターの岡崎真一郎研究員は「消費者に安心して買ってもらえる農作物を育て、
農家の所得向上につなげたい」と話している。
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