10/03/17 14:52:13 m+V8rUO4
ラストノート
ヒマワリの花びらを
古ぼけた辞書に挟んで
それで あの夏を
のこしておいたつもりでいた
カラカラのくちなし色の
いずこに夏が在るのやら、
押しつぶす
乾いた花は崩れ
そっとモノトーンに馴染んでゆく
はらはら 粉っぽさを感じた指先は
時雨の街より だいぶ つめたい
あおぞら
とうめいな鍵盤に
ちいさな指 滑らせた
まじり気のない風に乗り
どこまでも飛んでゆく旋律
まるで あの夏の日差し、
みたいに
うすめたインク、
キングズブルーのかき氷
しゃんしゃんしゃらりと唄いつつ
町じゅうに降り積もる
思い出という、ものたち
まるで あの夏の水平線、
みたいに
変えてみました。
このように連の順番を変えるだけでとても良い詩になります。
中二病詩と読まれる詩の違いは読者の視点に立てるかどうか、独り善がりではないかどうかです。
21:彼氏いない歴774年
10/03/17 18:16:25 /QEhhi59
>>19>>20
ありがとうございます。
何年も前の詩なのですが、書いたのは冬から春に移り変わる、ちょうど今くらいの時期です。
夏の鮮やかな色彩は、秋(彩度の低い、鈍い色み)を経て冬(無彩色あるいは透明)となるまでに奪われてゆく。
春にまた芽吹く色彩はあの夏から奪われたもの、という、四季の移り変わりを描いた詩、というのが書いた側の考えるところでしたが確かに夏の思い出の詩のように読めますね。
(夏の思い出も要素のひとつではあるのだけど、作者側としてはそれだけのつもりではなかった。読者にうまく読ませることができてないですね…)
最後、鬱っぽく読めてしまうかなぁ
冬という無の季節に「それでもまた春が来る」という救いを見る、むしろ明るいラストのつもりだった
難しいな。
22:彼氏いない歴774年
10/03/17 21:44:53 cL57k77q
DROP
歪む顔が醒めてガラスに無情
演じて泣くのも飽きる頃
黒と赤を交えて吐かれて
反対側に来てしまった二十五時
色混じりの塊の
溶けた甘味が憎たらしい
貴方の好きな名前の通り
倒して落してあげる
噛み砕けば
散らばる破片が愛おしい
23:彼氏いない歴774年
10/03/20 22:52:29 cW8njKb8
age
24:彼氏いない歴774年
10/03/20 23:18:15 DJsKKlBr
帰途
言葉なんかおぼえるんじゃなかった
言葉のない世界
意味が意味にならない世界に生きてたら
どんなによかったか
あなたが美しい言葉に復讐されても
そいつは ぼくとは無関係だ
きみが静かな意味に血を流したところで
そいつも無関係だ
あなたのやさしい眼のなかにある涙
きみの沈黙の舌からおちてくる痛苦
ぼくたちの世界にもし言葉がなかったら
ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう
あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるか
きみの一滴の血に この世界の夕暮れの
ふるえるような夕焼けのひびきがあるか
言葉なんかおぼえるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる
ぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる
(田村隆一)
25:彼氏いない歴774年
10/03/20 23:21:28 5uvJiADN
このスレのルール
1 名前:彼氏いない歴774年[] 投稿日:2010/03/13(土) 06:30:33 ID:wnTq5pMj
どうせもてないし、詩でも書こうぜ
・詩を書くのが好きな喪女さんは是非投稿して下さい。
詩を書いてみたいけどでもまだ書いたことない、って喪女さんも練習がてらにどうぞ。
・読み専の喪女さんは「好き!」とか「イイ!」の一言で良いので気に入った詩に感想を言ってあげて下さい。
きっと詩書きさんの活力になります。
・ついでに好きな詩や詩人についての雑談なんかもどうぞ。
26:彼氏いない歴774年
10/03/21 12:43:50 ED5n4hqK
たむらぁあああああーーーーーーー!
さいはてたひw
皆、私、未来のスズキシロウコになるよ
27:彼氏いない歴774年
10/03/21 15:38:58 oHRWQHa/
茨木のりこが好き。
ああいう若くみずみずしい感性をもったままおばあさんになるのは難しそう。
28:彼氏いない歴774年
10/03/23 20:47:19 RdeV0Tis
h
29:彼氏いない歴774年
10/03/25 20:37:43 +8px+Ipw
age
30:生ゴミ
10/03/27 07:56:13 GiX/ou2l
日常は断片的で ラインからはみ出た私を
今日も誰かが 「必要ない」と捨てていく
輪郭線がぼやけて よく見えない
私の胸の奥の 正体を隠す様に
荒れていく部屋
ゴミに塗れて 腐っていた
誰も認めてくれない私を、私自身が認められなくて
邪魔者扱い
悔しくて 泣いてみるけれど
無機質な感情が 無表情にそれを眺めてる
何処までも可愛気が無くて
少しだけ、笑ってみた
生きたまま 酷い臭いを振り撒いて
街を歩けば
通りすがりの人達が
眉をしかめて 私を見るわ
ボロボロになって 崩れかけた身体で
地面を這い着くばってみても
私は土には還れない
閉鎖的な日常の 隙間で躓き、転んだ私を
今日も誰もが 気付かず踏み付けていく
そんな鈍臭い私の 「トモダチ」と云えば
この右手の鳴らない電話だけで
親指だけの 無言の会話
見えない「トモダチ」は
優しかった
足元の紙クズで 人の姿を真似て
街に出てみれば
顔も知らない人達が
みんな私を 避けて通るわ
寄って来るのは 臭いに引かれた ハエばかり
誰も私を愛せない
お母さん、ごめんなさい
貴女がお腹を痛めて産んだ ソレはゴミでした
俯いたままだった頭が ガラクタの中に落ちる
「愛されたかったな…」
呟いた言葉は 聞かれることもなく
割れた鉢植えの 残骸と一緒に
埋められた
31:彼氏いない歴774年
10/03/27 20:24:50 Fs2qkKpk
悲しい空
それは灰色の天井
どこまでも続く無限の連なり
鎖の束
晴れることのない絶望の淵
永遠に続く落下点
その悲しみに私は溺れ
その深さに心を閉ざす
終わることのない苦痛に囚われながら
それでも光の海に憧れる
地獄に酔いながら
それでも望み
そしてまた落ちていく
32:1/2
10/03/28 01:09:26 arkp7fEW
あの綺麗な夕べ、
あたしは確かに一度死んだのです
ひだの揺れるスカートをどこまでも欲した
こどものあたしは死んだのです
光、光を求めてやまない
その瞳は
蛍光スタンドのスイッチひとつで
しあわせだ、と呟いた
夢みたい、と微笑んだ
それだけで生きていけると
すべての意味がそこにあると
思い込んで泣いていた
ちいさなあたしは死んだのです
あたしが殺めたのです、
この手で。
占いのカードを引き裂きました
もう戻りません
こどものあたしは死んだのです
かばんの底のメモ帳も捨てて
灰色のごみ箱をうっとりと眺めた
そこからはじまるのです
そうやってやり直そうと思ったのです
そのときから、
もう戻らないと。
答えは案外、なんてことないものでした
その行為に意味なんて無いのです
ただ、爪あとを
深く残しておきたかった
傷つけられた記憶をあざやかに
歪みとして
弱みとして
あたしだって、完璧ではありませんので
たまにはこどものあたしで泣きたいのです
誰もいない片隅で、
誰にも知られずに。
33:2/2
10/03/28 01:10:33 arkp7fEW
あなたはなんと言って笑うでしょう?
あたしをなんと言って傷つけるでしょう?
もう、どうでもいい
夜は明けたから
とっくに、
カーテンを閉め切っていただけで。
世界は面白いほど輝きだした
あたしは一歩踏み出した
待ち望んでいた「一歩」です
あたしがこうやってばかなことをやっているうちに
あと何歩進めるか、わからないけれど
進んだ先に何かあるなんて、
望んでもいないけれど。
しいて言えば、
やわらかな陽の光がご褒美で
あたしはそれでいいと思ったのです
それだけで、
生きていけると。
高2の春に書いたものだけど結構気にいってる。ガキくさくて。
いまはもうほとんど書かなくなっちゃったな……
34:彼氏いない歴774年
10/03/30 04:50:39 QrcCZNeP
>>32-33
確かになんだかフレッシュな感じがするよ
眩しいというかなんというかw
35:彼氏いない歴774年
10/04/02 19:02:48 P56Mh2an
age
36:彼氏いない歴774年
10/04/02 23:15:16 K81tMd9I
片耳にあいた穴
ふざけてあいた穴
足りないまま
生まれてきたもの
答えは存在しない
消えてしまったから
誰かの両手止まらない
体中探して間違いだらけ
あなたが二度と来ないからあたしは違う人と寝る
太陽が青色に見えるのは
あなたのせいじゃない
思うとき
本当は何一つもいらない
だけどあたしは
足りないまま
生まれてしまった
某SNSのどっかの詩コミュニティの投稿から。読み人知らず。
その時のスレのお題が「エロス」。
37:彼氏いない歴774年
10/04/03 23:44:24 H00B5Wtt
自分が書いた詩じゃなくてもいいってことにします?
38:彼氏いない歴774年
10/04/04 23:21:59 FCmt1os7
>>34
感想ありがとう。
このころのぴかぴかした感じ、もう二度と帰ってこないんだろうけど
こうして言葉に残ったものを大切にしたいなあと思うよ。
これだけじゃなんなので……短いけど投下させてもらいます
>>37のいうように自分の好きな詩を貼っていくのでもいいと思うけどやっぱり自作が読みたい。
もっといろんな喪女の詩を読みたいなぁ。きっと皆おもしろい詩を書くんだろうに。
まだここにいたい
もうここには戻れない
誰もわたしの手など
引いてくれやしないから
ただこの両足に負担を掛けるまでの
ほんの僅かな間だけ
意志が神経を駆け巡る
短い猶予で
短い反抗期を試しているだけ
39:彼氏いない歴774年
10/04/05 22:37:11 +xFdKvCg
私も喪女が書いた詩を読みたい
プロや上手だなあと思った詩ばかりのせるスレになると自分も投稿しずらいし
好きな詩を紹介したい人も多そうだから別でスレ立てるのもいいかもしれない
40:彼氏いない歴774年
10/04/07 11:53:05 HooVr/eW
十月
八日
の蝉
君、きみ、
いったいどうするつもりなのか
門柱の陰に張り付いて
秋風をやりすごし
どこへ行くつもりなのか
鳴く元気はないのだね
何かあてはないのかい
土中なにを夢みた?
寝坊するような夢をか
鳴く元気もないのだね
君は
命の一度を間違えたと見える
私は
十月八日の蝉を覚えておくから
どこへなりとも行きなさい
どこへなりとも
行きなさい
書いてみたけど難しいね
みんなすごいな…
41:彼氏いない歴774年
10/04/08 21:45:56 8wOLe1Iq
16の頃に書いた詩を見つけたので載せてみる
良かったら感想ください
My six teen days
実は何も思ってない
誰かと同じになりたいと
一瞬思って捨てるまいにち
孤独を愛してる
ただ独りでしか居れないだけかもしれないけど
目に見えないものと戦うし
見えてるのも好きじゃない
それなのに、好きには会う事すらできない
自分を疑って不安になるけど
本当は愛してる事もしっている
今日も選択する潔さを褒めて
羨ましいとも思うから
許してはくれませんか、すべて、すべて
終わりを知りたいときもある
居心地の悪さを許したくは無いし
できることなら都合よく生きたい
今日も私は
陽光を浴びながら
影と交わりながら
希望を歌い、憂いを帯びて
過ごしていく
いつかを夢見たりしないから、
せめてもの一瞬を
確かなものにさせて
42:彼氏いない歴774年
10/04/09 07:55:30 XCM98QtL
age
43:彼氏いない歴774年
10/04/09 23:06:21 C+UrQ/3v
ドレチカダン
コバーン
コハコパーン
ああうるっさいなー
汚れるから早く出て行ってください
分かっていますから
足が臭いからすみませんね
でも一日働いたら足は臭くなるでしょう
つまり足の臭いは働いた足への勲章ですよ
ただし私の足は朝からすでに臭いんですけど
体質です
体質だから仕方ない
スプレーシューシューさせても
防げない
臭いが足から漏れでるのを
44:彼氏いない歴774年
10/04/11 13:38:48 Dm8eYLdP
age
45:彼氏いない歴774年
10/04/11 22:45:58 qWoc18DA
若気の至りで
片付けられる
信じた嘘も
間違った反発も
無意味な感傷も
キラキラ輝いて見えるのは
もう手に入らない過去だからなのか
死にたがりな僕
死にたがりな君
ふたつ合わさっても
一つになれない
欠陥品
どうか希望だなんて
言葉を投げかけないで
いつだって僕の手には何も残ってない
お粗末
46:彼氏いない歴774年
10/04/14 18:26:18 +8bEQyrA
若い
47:彼氏いない歴774年
10/04/14 21:29:08 b2U5bSCg
「しんか」と「たいか」
何億何万何千何百何十
「しんか」を続けてきた、いきもの。
果たしてそれは「しんか」なのか「たいか」なのか
見方によれば「たいか」見方によれば「しんか」
遠くて近い
近くて遠い
似ているようで似ていない。
似ていないようで似ている。
笑っているようで笑ってない。
泣いているようで泣いていない。
余計なものがたくさんついた、いきもの
果たしてそれは
「しんか」?「たいか」?
そんなこと、分かっていたのに。
48:彼氏いない歴774年
10/04/15 19:04:22 fAYV1urs
age
49:彼氏いない歴774年
10/04/18 04:49:29 pFAMvLVH
捕手
50:彼氏いない歴774年
10/04/19 12:54:43 9TmlotVy
age
51:彼氏いない歴774年
10/04/20 18:24:24 ehk03O0f
人増えないねえ…
前にあった詩スレはそれなり人が居た気もするんだけど
52:彼氏いない歴774年
10/04/23 22:25:53 whMNllPW
h
53:彼氏いない歴774年
10/04/24 05:57:33 A9ZnINNq
愛するあなたとの恋をこの国は許してくれない
どこか違う国へ行けたら二人幸せになれるのかな
夢の中でしかあなたと触れ合えないならば
こんな現実いらないよね
その黒い髪を撫でる指を
その黒い瞳に映る瞬間を
私は今日も望んでる
そっと紙を撫で上げ
そっと画面に口づけ
あなたは次元の違う人
無機質な世界に咲く海の花
うる星の竜之介を思って書いたが我ながら痛いorz
54:彼氏いない歴774年
10/04/24 12:01:45 9GAR8BkG
GJ……
泪が出るほど共感した
辛いよね、次元を越えた恋
55:彼氏いない歴774年
10/04/24 22:59:58 A9ZnINNq
>>53です
>>54さんありがとう!共感して頂けて嬉しいです
寝る前に まぶたの裏に 焼き付けて
夢で会えたら 愛しい君よ
中二の頃授業で書いた短歌
KOFの草薙京様にあてた物
56:彼氏いない歴774年
10/04/25 04:12:23 F5eHBmmm
>>55
気持ちが痛い程よく分かるwww
寝る前いつも次元を超えた世界に想いを馳せながら眠りにつくわw
57:彼氏いない歴774年
10/04/27 16:55:51 WplD1qJ9
h
58:彼氏いない歴774年
10/04/29 20:57:20 vOUdaS1e
世界中の悲しみを
喜びのグラスに注ぎ、飲み干そう
最後の一滴は君に捧ぐ
59:彼氏いない歴774年
10/04/30 01:48:57 C5tSX4HR
落とし物はそれです
貴方の左頬に光る、それです
僕があの日手を伸ばしたのは、
そう
貴方の
そして
あの子の
切ない気持ち知っていたから
だから僕は貴方にこの手を
今日の貴方の左頬を濡らさぬよう
だけど貴方はすり抜けて
それでも夏に溶けていった
僕の右手だけ、
未だフラッペを握り締める
夏、ですね
ふと窓の外を眺めれば
溶けていったのは貴方だけじゃなくて
僕の学生服もとうに溶けたけど
そうですね
新しい夏がこの部屋に来れるように
僕の右手も
嗚呼
落とし物は、
僕のあの夏の日でしたね
60:彼氏いない歴774年
10/04/30 19:57:05 r81aNi28
どんより雲が町を満たす
不気味な夜には 月も寝床に身を隠す
ふっ、と覗いた井戸の中
もしも菊の花を見掛けたなら
暗い夜道に御用心
指を失くした人形が
きっと貴方に声を掛ける
「私の薬指をご存知かしら?」
目覚めた貴方の目の前で
白い衣の女が微笑む
女はきっと こう言うでしょう
「あの橋の向こうまで行きましょう」
赤い衣に着替えた女が
真っ赤な口で高らかと笑う
暗い洞穴のような瞳で
月も怯える 不気味な夜には御用心
小指を失くした三毛猫が
貴方を探して町をさ迷う
貴方を見付けた三毛猫が
「いただきます」
と、一鳴きすれば
ぽっかり空いた洞穴に
貴方を加えて引きずり込む
何処かに突然現れる
真っ黒な穴に食べられた
夜は静かに終わりを告げ
貴方を忘れた町が動き出す
61:彼氏いない歴774年
10/05/03 22:10:05 t3ZqrR7t
柔らかさに飛び込むと
指先から溶けていった
どうでもいいと決めたそれさえ
ゆっくりと溶けた
ただ、あたたかさだけが残って
彼女も溶けた
気がつきゃ僕は
コンクリートの上で焼かれてた
干からびた
ミミズといっしょ
土にも還れなさそう
だれか蹴って
蹴って、排水溝に落して
熱くて、今日も奪われる
ぐにぐにと、他人に踏まれて
僕は今日も、道路のうえ
そらのした
62:彼氏いない歴774年
10/05/03 22:27:28 jbDIS+wZ
蛍光灯
ぱりんと割れでもしたならば、
そこから虫さんこんにちは。
飛んで火にいる夏の虫、
夏を越えても生きたのか。
活き活き羽ばたき小さき虫よ、
今度はつがいをつくる旅。
急がば廻れや急がば廻れ、
わたしゃ人の子されどもね。
虫けらに劣る活力に、
虫けらに劣る魅力なり。
嫉妬のあまりにほふろうと、
あな憎らしや肉無しめ。
しかしまあなんと蛍光灯めが、
行く手に刃で邪魔立てを。
血みどろ見るのはごめんだね、
虫さん今度は左様ならばと。
わたしゃ虚しく見送ろう、
あな憎らしや蛍光灯。
63:彼氏いない歴774年
10/05/09 01:52:23 QBg8JIDv
Age
64:彼氏いない歴774年
10/05/09 02:53:26 ZR8ZUplv
今日もヒトリのあたしの部屋
君からの声受け取りました
電車にてひそめた声は
震えるような
慈しむような
君の想い詰まった、
確かな音でした
僕のメイルは
それを聴くための唄
君を待つ
君を包む唄
夏のような春の日
僕を笑わせる為にした、君の意地悪と
君を笑わせる為にした、僕の我慢
また消えて仕舞わぬよう
背を向けて、後退り
『わかっているよ』
『言葉は要らない』
この手を、離したことは一度もない
君は酷く綺麗で
僕は酷く愚かで
嗚呼、
今日もまた酷く蒸す日曜日
会いたい
会えない
縛りたい
縛れない
要らない
何もかも
欲しい
全部あげる
一つ在るのは、ただの慕情
嗚呼、夏は
忘れたふりした砂浜を
今年も僕の瞼に、
映すのですね
嗚呼、海は
気付かぬふりした指環を、
今年も君の鼓膜に
置いてゆくのですね
65:彼氏いない歴774年
10/05/14 00:53:26 60x3xG9L
海
背広を着た男たちの
しょぼくれた影を踏みながら
海へ行く
重く
引きずるように
横断歩道を渡り
バス停の列を抜け
老婦人の居眠りを横目に
海へ行く
日差しのコンクリートを
焦がす匂い
窓からみていたあの海は
夏の夜のように澄んでいて
祖母の注いだ麦茶ように冷たい
きっとそうなんだろう
遠くで響く
子供たちの歓声
あの海は
なにもかも全てを
青で包んで
水平線のずっとずっと向こうへ
持って行ってしまうのだろう
海へ行くのだ
66:彼氏いない歴774年
10/05/14 14:52:00 V4lzCgRd
>>65
>麦茶のように冷たい、きっとそうなんだろう
ってところが好き、そういう気持ちわかる気がする
67:彼氏いない歴774年
10/05/18 00:45:25 s47UqxBj
モージョレールって何?
68:彼氏いない歴774年
10/05/18 14:00:56 fO5zlnEI
ボードレールの喪女版てことじゃない?
69:彼氏いない歴774年
10/05/19 19:11:15 q27HALjm
>>65
いいね。読んでる間、どっか別の世界へワープできました。
70:彼氏いない歴774年
10/05/21 15:00:15 nzHnqWrx
恋人
私の恋人は影法師
輝く蜃気楼の中で
つねに私に寄り添う
私の恋人は宇宙の孤独
何億光年にも隔たれた
遠い星の距離
私の恋人は最後の恩赦
ただ一度だけの抱擁を夢見て
降り注ぐ矢の雨を耐える
私の恋人は万物の恋人
ありとあらゆるものが彼の所有物
私の恋人
またの名を―死
71:彼氏いない歴774年
10/05/22 20:02:07 eqTHWAvj
70さんの詩好き
72:彼氏いない歴774年
10/05/30 01:55:09 t9Pvo9rG
小さな窓からみた
紅のちぎれぐも
去り行く人たち
やがて静寂が私をむかえる
73:彼氏いない歴774年
10/06/03 17:17:42 1wdw5CF0
規制解除きたあああああああああ
74:彼氏いない歴774年
10/06/03 19:55:54 +8lt05fr
ジャム
焦げたパンに
いくら美味しいジャムを塗っても塗っても
美味しくはならない。
人もそれに同じ
「イイ人」を塗るか
「ワルイ人」を塗るか
幾ら着飾って甘い香りを漂わせても
「元」は変わらない
私にはわからない
「ジャム」の良さが
それでも、今日も、いや昨日も明日も明くる年も永久々
私は「ジャム」を塗る、だれにもわからないように塗る、塗る。
涙のジャムは削ぎ落として、笑顔のジャムを今日も
75:彼氏いない歴774年
10/06/04 16:32:46 37tHbyxt
祝規制解除
此処来ると何故か詩を書こうって気力が湧いててくるよ
76:彼氏いない歴774年
10/06/04 17:28:22 HvIsPkCM
枷の町
全てをすてた
枷が有るから
統べをすてた
いつの間にかたどり着いた、まるで心と心をあわせたかの様な偶然
それは偶然か必然か
沢山に広がる緑と歌声…ああ、居場所は此処だ
意気揚々として私は看板を見た
「かせのまち」
私は全てをすてた
かせだから
私は亡くしたすてた
冬のアスファルトの様な冷たい心をだれか
優しく撫でて助けて
だれか…
「どうしましたか」
一人の少年が、泣くことも出来ない私の元へとつりとやってきた。
ああ、彼はかせの住民だ、かせのまちだから
彼の心配そうな笑顔が、私には悪魔に―あの憎たらしい枷に見えた
「ああ、この看板ですか、古くなって、濁点がはげてしまったんですよ。」
彼は
「せ」を指差した
途端、私は、私の心は、私の体は。
昔幼子の頃屋台で買った、あのほかりとした焼き芋の様に、懐かしい、枷のない頃の様に
あたたかくなっていった
全てをすてた
枷が有ったから
全てをくれた
77:彼氏いない歴774年
10/06/04 23:31:44 gmdIGXC8
>「ああ、この看板ですか、古くなって、濁点がはげてしまったんですよ。」
ここ笑った。パチンコの看板のパが消えてるんですね。わかります。
78:彼氏いない歴774年
10/06/08 02:18:04 n6viPqzt
保守
79:彼氏いない歴774年
10/06/08 17:30:59 89g2u8lt
age
80:彼氏いない歴774年
10/06/10 07:47:10 77WN1pr2
ブスの閉ざされた心の扉を開いて
ピューと中出ししてピューと逃げたい
そう、つむじ風のように
そうして忘れられた頃にまた
顔を変えて同じことをしたい
いたずら好きの妖精のように
無邪気に
81:彼氏いない歴774年
10/06/13 02:36:50 RqmW2MYT
☆
82:彼氏いない歴774年
10/06/13 20:31:11 vc99w+qz
中身の無い言葉を
つらつらと、
吐き出して、
憮然とした気持ちを
閉じ込めたまま
頷いて、
笑って、
媚びて、
落としたのは、
本当の友達
拾ったのは、
当時は人間関係に悩まされてた。高一の時のノートから
83:「独りぼっちの唄」
10/06/14 11:01:11 9KbTSCiP
大丈夫 大丈夫 私なら大丈夫
独りきりで生きていけるわ
憎たらしい位に青い空
見上げて影を飛ばす
たまの休み 世間様は
家族、友達、恋人達、何処へ行っても溢れてる
私も何処かへ行こうか? 独りきりで
話し相手は部屋のサボテンだけよ
買い物帰りに猫を見た
微笑み掛けただけで逃げられる
あぁ、どうかお気になさらずに
私なら大丈夫 独りきりには慣れてます
壁にへばり付くゴキブリみたいに
太く静かに生きていくから
嫌がらせの様に青い空
瞼を閉じて見ないふり
今日は私の誕生日
勿論誰もお祝いなんてしてくれません
料理でもしてみようか 私の為に
食べてくれる人も居ない手料理
ちょっとお醤油入れすぎたって
全く気にしなくたっていい、素敵
あぁ、どうかお気になさらずに
私なら大丈夫 独りきりはいつものことよ
毛の中に潜むノミの様に
目立たず地味に暮らしてゆくから
大丈夫 大丈夫 私なら大丈夫
独りきりで全然平気なんです
真っ赤に燃えるお日様が
私の背中を焦がすから
しょっぱい味がするのです
大丈夫 大丈夫 私なら大丈夫
独りぼっちが誰より似合う
ドシャ降りの天気雨、
打たれたって、降られたって
ずっと ずっと ずっと
生きていけるわ
84:彼氏いない歴774年
10/06/18 17:22:03 mIkx6aep
>>83 お誕生日おめでとう
こちらは雨です
厚い雲が空を覆い
止め処なく雨が地面を濡らしています
窓一枚
隔たれた外界は
雨に濡れない場所に居る私の孤独を浮き立たせます
エンターキーと共に吐き出された言葉は
宙を舞い 歪み 飛散し
誰とも繋がる前に消えるのかもしれません
空と大地を繋ぐ雨のように
少しでも貴方を潤す事ができるなら
雨があがった後に
雲の切れ間から零れる光が
貴方を照らしますように
85:彼氏いない歴774年
10/06/19 09:42:30 UpAxkfMa
愛しい人に触れられる幸福を知ることなく
ただここで朽ちていくのでしょう
行き場のない傷心とポエジーが
誰もいないサーカス小屋のピエロみたいに
笑ってる
いつからだっけ
映画でも漫画でもアニメでも泣けるのに
自分の失恋では泣けないの
涙一つこぼれたら
少しでもラクになれるのに
私のカラダはそれすら許してくれない裏切者
ああ、ただ君に会いたい
86:彼氏いない歴774年
10/06/22 20:19:19 h+yQpsBf
>>84
ありがとう
誕生日4月なんだけどねw
まさに私達の事ですね
貴方の言葉は確かに届きました
87:彼氏いない歴774年
10/06/26 22:20:08 hPgwiTkU
h
88:彼氏いない歴774年
10/06/28 22:05:38 bRp8fkNT
曇り空にきみの声を乗せている
ネコの爪で引っ掻かれない高い高いところに
89:彼氏いない歴774年
10/07/04 10:47:33 /alvQaGC
詩ではないけど…五七五。
黒い服 素材によっては ゴミ目立つ
ブラジャーの ホックは二連が フィットする
90:彼氏いない歴774年
10/07/06 14:38:47 y/94zS2u
陽炎の向こう側 楽しげな笑い声
あの中に入れなくて
私はいつも独り 遠くから眺めてるだけで
真夏の砂利道は 素足には熱くて
夜が来るのが恋しかった
差し出された手を
握り返せなかった私を
寡黙な月が照らし出す
ナイフを隠し持っていたのは
私の方なのに
きっと世界は私が思う程
怖いものではないのかも知れないけれど
少し疲れた色をしたレンズ越しに見える世界は
歪んだままで
夜が明けてしまう前に
朝に焼かれてしまう前に
逃げて逝く月を追い掛ける様に
裸足で駆け出した
通り過がる無表情で冷たい夜風は
傷付いたこの足には心地良くて
安らげる日々を 暗闇の中に求めてた
手の平から溢れ出した紺色に
溶けてしまいたいと願った心が
哀しいビロードを靡かせる
淋しい空から降りてきた
控えめな星達が 静かに奏で始める
明るくなっていく空に消されても
鳴り止まない 優しい歌を
今、こうして呼吸する世界のカケラを
悲しいものにしてしまった 私にでさえ
平等に朝は訪れる
例えあなたの望んだ明日じゃなくても
91:彼氏いない歴774年
10/07/09 12:42:34 b/Ks2jUT
優しい人になりたいと
あなたは泣いた
あなたは優しいと
私は泣いた
私を泣かせていると
あなたが泣いて
私は泣いて
優しさばかり
そればかりなのに
涙ばかりが落ちていく
誰も傷つけたくないと
その掌に刺を包み
傷つく掌を握りしめる
固く柔らかく
握りしめた掌
優しい人になりたいと
優しい人が泣いている
92:彼氏いない歴774年
10/07/09 23:37:08 +5cbieYF
支援
93:彼氏いない歴774年
10/07/09 23:43:32 s/4c0QMg
>>91
心にグッときてなんだか泣いてしまった
友達にそういう人がいるからかな
94:彼氏いない歴774年
10/07/10 00:17:25 b6fhNweO
いつの間にか此処まで来てた。
深い泥沼は気付かぬうちに私の脚を捕らえ、絡み付いて離さない。
薄暗い思い出の中を、暗闇が駆け足で走ってく。足跡で黒く染まってく。
いつの間にか此処まで来てた。
いつの間にこんなにふかみに嵌まっていたの?
いつから私の暗闇にランタンを持ち込んだの。
いつの間にか此処まで来てた。
こんな深淵に来る気はなかった。
気付いた時にはぽつんと光っていたランタンは、頭上に広がる空になっていた。
いつの間にか此処まで来てた。
戻れないのに先にも進めない。君の隣には永遠を感じさせる存在。
いつの間にか此処まで来てた。もうもどれない。
95:彼氏いない歴774年
10/07/10 02:07:51 QwubnSM8
>>91
せつない
96:彼氏いない歴774年
10/07/14 21:36:40 6U/HPChj
h
97:彼氏いない歴774年
10/07/14 22:36:53 Dm1sinfH
ただいま
メッセージは ありません
久しぶり。元気?
センターに 届きませんでした
咳をした
こほん、と部屋に響いた
あの子の目がぐぅるりと回った
「私、嫌われてるし」
そうじゃないよと
そんなことないよと言えと
目玉が語る
私はただ
おかえりと言ってくれる人に出会いたい
あの子に微笑む余裕をくれる
おかえりをください
98:彼氏いない歴774年
10/07/16 00:05:27 2guAXEbG
なにか足りないと思ったら
蝉の鳴き声が聞こえない
バケツで冷やした丸ごとすいか
お風呂上がりの扇風機
冷えたすいかを八分の一
庭に向って種飛ばし
少し冷たい夜の風サンダルの指先
遠くの町
疲れて歩く夏の夕暮れ
八分の一のスイカを買った
ベランダに出て一つ種を飛ばす
明日からまた頑張ろう
99:彼氏いない歴774年
10/07/16 00:15:16 rlxNnzsX
>>98
うわあああああ
なんだか胸の奥にしまっておいた夏の思い出がぶわっとよみがえった
明日カットスイカ買ってこよう
100:彼氏いない歴774年
10/07/16 21:28:50 Yjaryzqe
「マイクロニスト」
僕の身体の半分程の一日を
夜色を纏った 時計の針が刻んでいく
宇宙を旅する 大きな黒い鯨が
低く、鳴き声を響かせれば
僕は枕の下に隠した 銀のナイフを取り出して
両手いっぱいの月の雫を垂らす
それを見て、「綺麗だ」とはしゃぐ君は
いつも何故か窓の外で
この空で弱々しく輝く 星の様だと思った
やがては消えて逝く 儚い光だとしても
僕の瞼の裏に拡がる 小さな宇宙が
指先だけで感じた温もりを
忘れたくないんだ、と
寂し気に黒いカーテンを揺らす
金米糖の様な言葉をくれる
君に出会ったことだけが
ちっぽけな僕の
小さな幸せ
箱の中に押し込めた
僕の宇宙が溢れ出す
空を泳ぐ 眠ったままの魚達が
小さな小さな星達を吐き出して
波の上、ランプを燈していく
僕の秘密のナイフも
キラキラと 光の砂を身に纏って
それを見て 嬉しそうに微笑む 君は
今日も何故か窓の外で
僕はそんな君が 綺麗だと思った
独りきりの夜は 静寂の中
穏やかに侵攻する 僕の宇宙を
「おやすみ」と宥めて
そっ、と 背中を抱いてくれた
何も持たない 僕に生まれた
たった一つの 誇り
消え入りそうな 鈴の音で唄う
君のことを 守りたいと思った
ちっぽけな僕の
小さなプライド
101:彼氏いない歴774年
10/07/19 17:52:06 UTDYFlqn
喪女板は
羽化せぬ蝶の
憩いの場
102:彼氏いない歴774年
10/07/20 23:33:43 UBLq1AS1
インドである若い男女が
駆け落ちしようしていた
けれど女は男よりもカースト(身分)が下だったから
男の両親、親族により棒で殴られ蹴られして
死んだ
この国ではカーストの違う者同士の結婚は
絶対に認められない
親が決めた相手としか結婚できない
それがヒンドゥー教の掟
殺人は悪いこと
だが、この社会では「名誉殺人」として
正当化されているという
自殺に追い込む、殺害する、それが許される社会
掟破り、家柄を汚した、一族の恥
命より大事にされる宗教の掟と虚栄心
社会の大多数が感じる正義が正当だといえるのか
数の原理か
私が正しいと思うことは、間違っているのか
本気で愛し合った彼らに、何の罪があるのだ
宗教、社会、規範
誰かが定めたルールは本当に正しいものなのか
そこから逃れるものは異端者か反逆者か
従順に犬のごとく
首輪をつけて歩くことが幸せか
社会から逸脱した者は
その者自身が悪いのか罪なのか甘えなのか
私には分からない
※詩というよりコラムみたいになった
今日、新聞でこのことを読んで思ったことを書きました
103:彼氏いない歴774年
10/07/22 21:29:49 hIgdiGFe
age
104:彼氏いない歴774年
10/07/22 22:12:09 D8S3F/eF
買い物に行く
磨かれた床を歩く
黒い壁に反射する私
白手袋の女たち
鞄を買う
ワンピースを着たマネキン
5桁の数字
誰もいない店内
服を買う
雑踏を抜ける
低俗な笑い声は嫌い
ガラス張りの箱
恭しくひざまずく店員
赤いパンプスは眩しい
靴を買う
溢れる色の濁流
ポスターの外人に睨まれる
私を輝かせる一番の近道
口紅を買う
手に持った戦利品
私は綺麗になる、必死に
幾らでも出すわ
あなたが振り向いてくれるなら
気付かないふりをしよう
あなたが見向きもしないことも
うるさい電話のベルも
全部
105:彼氏いない歴774年
10/07/23 17:19:16 lSx60/bK
「浴室」
固体と液体の
消える境界線
その上を漂う心
溶けもしない
固まりもしない
手で掴めるはずもなく
わあわあと
涙を流す
106:彼氏いない歴774年
10/07/24 03:22:48 2P1YMlu4
はじめまして
こんにちは
久しぶり
さようなら
何度も交わしたあいさつに
返る声はもう無いのですね
今でも本屋であなたに似た後ろ姿が
立ち読みしているのを見ると
思わず声をかけそうになります
そっちはどう?
こっちは今年もひまわりがたくさん咲いたよ
頑張って草取って種撒いた甲斐があった
写メ送るから見てね
携帯の画面には送信に失敗したと出たけど
あなたに届く奇跡を信じています
私のアドレスは今でも変わりません
本当はありがとうと伝えたいのに
あの頃と同じ様に今でも気恥ずかしい
わかってて面白そうに笑うんでしょうね
何十年経っても
多分そっちに行っても伝えられない
だからまた会えたら久しぶりと
無事にまた会えて良かったよと
そう言おうと決めています
寂しかったと会いたかったは
こっちに置いていきます
それまでは
あなたに会える日がくるまでは
踏ん張って生きていきます
久しぶり
また会えてよかった
あなたに会えてよかった
107:彼氏いない歴774年
10/07/28 10:28:31 tzIi1u+j
子供のころ近付きたいと手を伸ばした空
大人になって近付いたけど
あの頃よりも空は狭くなってしまった
子供の時見ていた空は高く広く
地平線の向こうまで続いていた
きっと大人になると世界は広がると
そう思っていた
行ける所は増えたけど
どこにも行けなかったあの頃よりも
世界は小さくなってしまった
世界の果てを探して走り続けた
追いつけない虹の向こうは世界の果て
いつまでも追いかけてくる月は
世界の果てに浮かぶ太陽
世界に果ては無いと知った代わりに
自分の果てを知ってしまった
近付いた空に手を伸ばしてみる
空は高く広く地平線の向こうまで
知っている
知っているのに
どうして悲しいのだろう