10/07/11 21:46:18 pcMafJY2
これやったら幽霊が出る的なオカルトな話題があるので注意。
風呂に入って髪を洗ってる時にだるまさんが転んだと頭の中で考えると後ろに女の幽霊が
現れると言う話を思い出してしまい、「だるまさんがころ……ばない!!」みたいなコピペを
思い出し自分もそれに倣おうと必死に考えてたら走れメロスと合体して妄想に飛躍した。
だるまは必死に走った。何度転んでも、体中が傷だらけになって足の裏の皮膚が擦り剥けても
大事な親友と愛を信じない喪女王との約束を果たす為にひたすらに前へと足を動かした。
しかし太陽は無情にも傾き始め、だるまの視界を紅く染めていた。
そしてとうとうだるまは跪き、地面へ両手をついてしまう。
日が沈むまでに戻らないと身代わりになってくれた世界一勇敢な親友が殺されてしまう。
頭では何度もそう繰り返し行かなくてはと思い直すが、その度に体の痛みと共にこのまま
逃げてしまえばいいと悪魔の様な考えが浮かんでくる。
だるまは泣きながら地面に倒れ伏した。
もう自分は限界だ。必死に辿り着こうとしたが無理だった。
きっと親友も、許してはくれないだろうが分かってくれるだろう。
甘い考えに自らを軽蔑しながらもだるまは欲望のままに瞳を閉じようとした。
刹那、哀れな女王の姿を思い出す。
だるまは逃げ出す、親友を犠牲にして。そうあざ笑った喪女王。
その顔が何故だか酷い悲しみを抱き、それなのに微かな期待を抱いてるように思えた。
だるまは閉じようとするまぶたをこじ開け、軋む体を叱咤して起き上がった。
広場には張り付けにされ疲れきっただるまの親友の姿と、それを眺める喪女王の姿があった。
夕日はすでに一部が隠れ、それを愉快そうに見た女王が親友へと近づく。
「見てごらん。もう日が沈む。だるまはやはり逃げ出したのだ。大馬鹿な『親友』を身代わりにして」
親友は女王を睨みつける。
「その目をちゃんと開いて見てみろ。まだ太陽は隠れていない。だるまは必ず来る」
女王はおかしそうに笑い大きな声で言った。
「お前こそ目を覚ませ!だるまは来ない!!もう太陽は半分隠れてしまったよ!」
そしてだるまの走り去っていった方角をじっと見つめ小さな声で呟いた。
「友情など…愛などこの世に存在するわけがない……」
その時遠く、集まった群衆の端からざわめきが起こった。それは次第に広がり、女王の元へとやって来た。
「喪女王!だるまは戻ったぞ!!世界一勇敢な俺の親友は戻って来たのだ!!」
だるまの親友の誇らしげな叫びが響き渡る。