09/09/28 00:05:46 7Pxu8iLj
本当は異世界人という妄想。
モジョーリアは貴族や王族に仕え主人と心を通じ合わせる事で、主人を守り栄華を与えると
される精霊の一族に生まれる。
しかし彼女は人間とのハーフで、一族では珍しいものの禁じられてはいなかったが純血より
能力が劣る事で馬鹿にされる事もある。
その一族では誕生時に長である双子に運命を預言される事になっていた。
長1「その子は世界の王となる者に仕える事になる。滅びの運命を塞き止めるただ一つの希望。
易くはない宿命をその魂に抱え生まれいでたる者」
長2「時がくれば自らの運命を共に歩む主を選ぶ事になる。その瞬間から大いなる運命の輪が回りはじめる。
世界の運命とその者の運命が繋がりはじめる」
その宣託に預言者本人達も驚き、その事はモジョーリアがある程度の年齢になるまでは
伏せられる事になる。
それから一年後、将来が楽しみだと周囲の大人に言われる美幼児に成長したモジョーリア。
全体数の少ない一族の中で、他の子供達と何ら変わりなく可愛がられ愛されて日々を過ごしていた。
しかし、一年で一番大きな祭りの迫ったある日突如黒魔法を操る大勢の集団に精霊の里が襲われる。
人里離れ古く強固な術に守られた土地に住んでいた精霊達は、突然現れた襲撃者に動揺し体制を
立て直す事も出来ず怒濤の勢いで攻め込まれる。
わずかに生き残った者達は預言者の元に集まるが、長達は里を守るため黒魔法の浸食を受け
滅ぶ寸前であった。
最後の力を使い襲撃者もろとも土地を浄化するので、生き残った者たちはその隙に抜け道を通って
逃げる様に告げられる。
そこには母に抱きかかえられ不安そうな表情で長達を見つめるモジョーリアの姿。
長老が声を発しようと唇を振るわせた瞬間、黒い炎を上げる爆炎がその場を包んだ。
衝撃で思わず母の腕から離れてしまったモジョーリア。黒い炎は明らかな意思を持って彼女を狙っていた。
轟音の中、母の叫び声が響き渡る。
娘を庇おうと手を伸ばすが、一歩間に合わず炎に飲み込まれるモジョーリア。
幼い視界が揺れる黒と合間に見える毒々しい赤に覆い尽くされる。次の瞬間目映い光が体中を覆いはじめた。
泣き叫ぶ母親と呆然と眺めるしかない精霊達。その中で長達だけが幼い彼女に起きた事を理解していた。
「古代魔法の…発現」
古くから土地を守る術の他に、深く眠り続けていた古代の魔法が彼女を守っている。
偶然黒魔法に感応して発動したのか、それとも大いなる流れが運命の子を守ったのか。
消えゆく黒魔法の気配と共にモジョーリアの姿も光の中に取り込まれ段々と小さくなっていく。
もう長達でさえ簡単に操る事の出来ない古代の力が、彼女を生まれた世界から連れ出そうとしているのを
感じる。
そして完全にモジョーリアの気配が消えた事を確認し、いずれこの世界に戻る彼女の為に今生き残っている
同胞を一人でも多く助ける為、双子の長は最初で最後の大仕事に取りかかった。
それから約20年後。
異世界に移動する時の衝撃でモジョーリアの肉体は滅んでしまい、たまたま飛ばされた世界の人間の胎児に
魂が入り異世界の人間・喪女子としてごくごく普通に成長していた。
その後はお約束展開で、ある日突然異世界に飛ばされて混乱してたら小国の王子に拾われて城で働いてたら
精霊の里を襲った首謀者に刺客を差し向けられて、精霊の仲間の生き残りにあったりなんやかんやで自分の
正体が判明。
徐々に精霊の能力が現れてきたり、頼もしい仲間が増えたり。色々とべたな展開が待っている。