人に言えないような恥ずかしい妄想を書き込むスレ6at WMOTENAI
人に言えないような恥ずかしい妄想を書き込むスレ6 - 暇つぶし2ch48:彼氏いない歴774年
09/05/08 04:04:10 D7Nbi94T
45です

深夜のわっふるありがとうございますwでは>>45の続き


そうしてようやく、魔王の居る大広間へと勇者たちが踏み込んだ。
何本もの松明が遠い壁沿いにいくつも並んでいるというのに、広間は気味が悪いほどに薄暗かった。
勇者たちが背にしている外の光さえ、その最奥には届かない。だが―黒い影の中に、それよりも更に色濃い黒々とした大きなシルエットが、勇者たちを待ち構えている。
勇者たちの息は上がっていた。消耗も激しく、回復アイテムも残り僅かだった。連戦に次ぐ連戦は、いかに今までの旅で鍛え上げた彼らでも楽に進めるものではなかった。

なんで、と勇者は声に出さずに呟く。なんで、お前が居ないんだよ。なんで今此処に居ない。お前の剣が、お前の力が、何よりもお前が―必要なのに。
床に突き立てられた剣の柄を握り締める。疲労感がどっと押し寄せた。後少しなのだからと気合を入れなおし、仲間たちに声をかける。皆、疲れている。でも、もう少しだ。後少しで終わる。勝てるだろう。勝たねばならない。
ほんの僅かでも不安を抱いている自分が情けなかった。どう考えても、不安になる理由は、彼女が居ないからだった。
あの強い剣士が居ない。どんな時だって、隣に居てくれた彼女が居ない。しゃきっとしろ、ちゃんと立てと、背中を叩いたあの、固い掌が。

ああちくしょう、今どこに居るんだよ。この城のどこかか。それとも外か。勿論、生きてんだろうな―

奥歯に力を入れた。握った剣を床から引き抜いて、その重さを確かめる。さあ、と魔道士が言った。それにひとつ頷いて、勇者は仲間たちを振り返る。
「―行くぞ」
最後の、戦いへ。



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