09/06/17 22:34:30 6OkgAbM7
>>311続き(やっと完結です)
5年ぶりの駅はところどころ改装され、新しくなっていた。
夕方は帰宅ラッシュで、人が溢れている。
喪子は空いていたベンチに座り、一息ついた。
少年が今いる場所など見当もつかなかった。
自宅も知らない。
5年前に消去したアドレスと番号が悔やまれる。
少年が着ていた学生服から学校を割り出して、何とか居場所を教えてもらえないだろうか。
いやそれはさすがに怪しすぎるか…
どうすることもできず、時間だけが過ぎていった。
気付けばすっかり人の群れは消えていた。
疲れが溜まっているのが分かる。しかし喪子は折れる気がしなかった。
喪子は目を閉じうつむいた。
今日はビジネスホテルにでも泊まって、明日やっぱり彼の高校をダメ元で当たってみよう。
その前にバイトに欠勤の連絡を入れて、
眼を開けると、目の前に人がいた。
突然すぎて可愛い叫び声も出なかった。
驚くより先にその人物に両肩を強く掴まれ、喪子は思わず身を縮めた。
『あ…嘘…』
あの日と全く変わらない、射抜くようなまっすぐな視線。
泣き顔にも見えるような笑顔で、大人になった少年は喪子を力一杯抱き締めた。
ありきたりですみません。ここからは①呪い(?)が解けてハッピーエンド、②解けないけど幸せな人生を共有する、の2パターンを考えてました。
でも個人的にバッドエンド好きなので、少年も喪子もずっと会わないまま思い続けるのもありだと思う。
長々と失礼しました。IDが60kg…orz