09/06/06 23:32:29 bLIyg86U
>>222-223の異界話妄想を書いた者です
>>231さんと>>232さんの感想が余りにも嬉しかったので
もう少しだけ妄想を失礼します、喪乃が異界になれてきた頃の妄想
敬語青年と兄タイプの共通苦悩
通りがけに見た人影は、十数年来の友と、今だ外界の気を纏う娘
「なんだ……寝てるのか」
「はい、そうですね、此方の物語が気になると言うので説明していたのですが」
「……難しかったか、まあ、恐らくは喪乃の生まれる前の話だしな」
「昨日は二人に連れまわされたようですし」
「西の泉まで行ったそうだな……あいつらにも困ったものだ」
村で一番風通しの良い大樹の根元、青々と草が茂る地面は柔らかだ
本を読んでいる青年の傍ら、すやすやと絵物語を下敷きにし喪乃が寝息を立てる
まるで日なたの子猫のようだ、そんな感想を持ちながらも
暖かいまなざしで見てしまうのは、やはり彼女が特別だからだ
「妻やら、花嫁やら……もう、望めぬモノと思っていたんだがな」
「正直私もです、恋人と離され、捧げられる……我々は、彼女らにとって『鬼』でしたから」
他者を心に置き、恐れながら泣く娘達、異様な力の自分達は正に『鬼』だった
神域である社の前、あちらの世界では己たちの力はよく効く
触れた瞬間に、香りをかいだ瞬間に分るのだ、怖い、化け物、あの人に会いたい、そう言う思いが
「その点……ははは、喪乃は随分と自虐的な思考だったな」
「綺麗な人だとか、私みたいなのじゃ天罰?とか、初めは震えていたのにコロコロと」
「抱え上げたときは体重ばれる!!だったな……境界越えの時はずっと、姉の幸せを願っていた」
「優しい子ですから……今じゃ神霊にまで人気ですね、長老なんか孫娘って言い張ってますし」
あの爺さんの孫娘じゃ嫁に貰うのも一苦労だな、そういって笑いあう
少しだけ響いた笑い声に、喪乃が半覚醒のように胡乱な目で辺りを見回した
二人の青年はそんな喪乃を見て、そろって優しく手をのばし、頬や頭を撫でる
「眠いようなら、まだ寝ていなさい、昨日は疲れたのだろう?」
「夕餉の時間が近くなったら起こしてあげますよ……ん?…なんですか?」
「……おいて…か…ないで…ください…いっしょに…ね…」
喪乃は撫でてくる優しい手に、猫の子のように擦り寄るとふにゃりと笑った
二人の返事を聞くでもなく、睡魔に負けてコテンと書物の上に頭を落とす
沈黙が通り、静かになった空間、傍に居た二人は各々頬を染める
甘える様な仕草も、恋人のような懇願も、悠久の時の中で初めてなのだ
普段は甘やかす余裕があろうと、ふとした仕草で、己らの心を翻弄する「花嫁」殿
「共に昼寝は良いが……そろそろお相手として認識してほしいものだ」
「安心感を持たれると言うのも、良いか悪いか、大人の余裕も辛いものです」
喪乃を間に挟み両端に寝転がる、今はただ隣りの小さな寝息が愛おしかった
四人組は、兄タイプと敬語青年が年上組み、軟派純情と俺様青年が年下組みな設定で
基本四人組ですが、行動パターンは年上年下に分かれる感じです
年下組み二人の場合は、喪乃が連れまわされ振り回される感じの妄想です