10/03/15 17:18:04 HkzKqfG0
許されざる人権擁護法案
この法律は、さらに<特別な人権侵害>を三つの類型に分け、1)差別、
2)虐待に続いて、わざわざ、3)報道による人権侵害を救済対象として法律に
明記している。そして、犯罪被害者、犯罪少年、犯罪者の家族等に対しての
「過剰な取材」を、委員会の監視対象に置くと、はっきりと宣言しているのだ。
この法律が出来たら、政治家のスキャンダル取材で自宅に張り込みをしたり、
少年による凶悪犯罪の背景の調査報道を行ったり、血液製剤を巡る疑惑で医師の
自宅に電話を何度もかけたりといった行為すべてが、役人に人権侵害だと指摘される
可能性が出てくる。
いいのか、それで!
もちろん、まともな民主主義国家で、メディアを対象にしたこのような法律を持つ国は
一つもない。アメリカで、国会議員がもしこのような法律を提案したら、
おそらくその議員は、その瞬間に政治生命を失うだろう。
日本はかつて、「経済一流、政治三流」と言われていた。現在はその経済にもかげりが
出て、「経済三流、政治三流」という状況だ。もし、その上こんなむちゃくちゃな法律が
成立したら、民主主義国としての国際的認知すら失う可能性がある。
七月二日、国連の人権高等弁務官が、日本の人権擁護法案に対する懸念を表明する書簡を、
小泉総理に送っていたことも明らかになっている。
あえて言おう。人権擁護法案という名のこの法律は、民主主義の基本原則である、
言論の自由という基本的人権を侵害する法律である。
集英社新書WEBコラムより