09/12/20 10:50:51 FIgtkYDD
ちゃんとこれも貼らんとね
28 :吾輩は名無しである[]:2005/10/03(月) 18:32:47
家庭内暴力猿人・井上ひさしの破廉恥な告白と自己正当化の論理(文春文庫1984年刊『巷談辞典』pp.309-310「動物愛護」より)
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動物を可愛がっておいでの皆さんからは叱られるかもしれないが、子どもの時分からずいぶん犬や猫を苛めてきた。
(略)たとえば小学五年のとき、近所の猫を煮干し用雑魚(じゃこ)でおびきよせ、とっ捕えてやつの鼻の穴にわさびの塊を
押し込んだことがある。例(くだん)の猫はぎゃっ! と名状すべからざる悲鳴をあげて三十糎もとびあがり、次の瞬間、
時速百キロは優にあろうかと思われる速度で走り出し、そのまま行方不明になってしまった。
また小学六年のとき、柔道を習い始めたが、あるとき、この柔道の教師が、「猫はどんな高いところから跳びおりても、
ぴたりと四つ足をついて着地するが、姿三四郎はこの猫の着地法を見て独得の受身術を編み出した」
と、話すのを聞き、友だちと猫の着地術を研究したことがある。やはり近所の猫を雑魚でおびきよせて捕え、火の見櫓の
天辺から落したのだ。猫はにゃんともいわずに即死した。(略)火の見櫓の高さは三十米はたっぷりあった。妖怪変化と
仙人と鳥類以外は、これはだれでも即死する高さである。
高校時代、日向ぼっこをしていた猫にガソリンをかけ、マッチで火をつけたことがある。猫はあっという間に火の玉と
燃えあがり、ひかり号なみの速度で西に向って走り出し、これまた行方不明となった。まだ達者ならとっくに地球を一周して
戻ってきていいころであるが、それ以後、彼の姿にはとんとお目にかからぬ。おそらくどこかで野垂れ死にしたのであろう。
それにしても、わたしはなぜこのように猫に辛く当ったのだろうか。(略)動物愛護家には人間を愛することのできない人が