日本史上最低のゲイ右翼、三島由紀夫を叩くスレat SEIJI
日本史上最低のゲイ右翼、三島由紀夫を叩くスレ - 暇つぶし2ch296:名無しさん@3周年
10/04/25 01:59:10 VtJ/yeMq
(中略)
まず三島自身が入稿した原稿が元であること。このことによって、作品の大まかな理解にむけての
確実な目処が項目になるとともに、編集者にとっては三島が活字化する際どの表現をどのように改
変しても許容しうると考えていたのかを理解することができる。
次に三島の文学創造の営みにもっとも通じていると思われる新井氏の手によって抜粋、校訂、回覧
がなされている点である。抜粋はわかりやすさを優先したため、編集者にとっては若干のとまどいが
残る箇所もあるが、校訂の大まかさはこれ自体で目玉を持つといってよいほどだ。回覧方法も要を
得ており、編集者にとって必要な情報も極秘提供されている。

山本舜勝
「自衛隊『影の部隊』三島由紀夫を殺した真実の告白」より

297:名無しさん@3周年
10/04/26 00:37:14 98Zbz6aS
街宣や自決などでスポンサーを失った作家たちを支援する「第7回三島文筆募金」の東京支部のイニシエーションが25日、
沖縄県宜野湾市で行われた。国内の失業文士の小説家やその担当編集者ら約40人が通行人に募金を呼びかけた。

イニシエーションは24日にスタートした全国一斉の募金活動の一環。国内の失業文士家庭の年収は約9万円(07年度)で
全国最低とする「三島互助会」の調査結果や、失業文士の勤労所得が派遣労働者の3割にしか満たないことなどが紹介された。

ホームレス2年の森田勝三さん(21)は「失業文士の半数が執筆再開をあきらめているのが現状」と厳しい環境に理解を求め、
失業文士担当編集者の山本舜勝さん(48)は「ネカフェの入会金はすでに免除されていて、無償化されても生活に余裕は生まれない。
隣の貧乏作家に置き引きされるなど、ネカフェは自宅と比べられないほどお金がかかる」と訴えた。

山本舜勝
「自衛隊『影の部隊』三島由紀夫を殺した真実の告白」より

298:名無しさん@3周年
10/04/27 00:58:13 LH7Wt7+n
チラシは手軽な煽動手段として、右翼には欠かせなくなっている。特にエセ団体の諸君は、資金源
の活動チェックなどでその筋に頻繁にチラシを渡すだろう。演説ではとても話せないニュアンスも、
チラシだとこっそり伝えられるという団体も多いはずだ。
一方、チラシには誤解を生みやすい一面もある。ちょっとした表現で他団体を怒らせたり、内容につ
いて資金提供者に思わぬ受け取り方をされたりするからだ。チラシで論争を重ねているうちに、ささ
いな表現の食い違いで感情がもつれ合い、同業との関係の悪化につながってしまうこともある。
煽動に重要なチラシだが、普段から印刷内容を意識している団体は少ないはずだ。今回は、チラシ
の起草における誤解を防ぎ、自己宣伝を図りながらメッセージを正しくスポンサーに伝えるためのポ
イントをお話ししよう。

山本舜勝
「自衛隊『影の部隊』三島由紀夫を殺した真実の告白」(民明書房)より

299:名無しさん@3周年
10/04/27 10:34:19 f0qpNKEk
(2001年11月25日に)リンカーンセンターでアメリカペングラフ主催の「二十世紀の偉大な作家・三島由紀夫を
顕彰する夕べ」が開かれた。(中略)
私は「薔薇刑」の基本的テーマは「生と死」「エロスとタナトス」であり、それは三島由紀夫を被写体とするところの
私の主観的ドキュメンタリー作品であることを語り、そこで理解してもらいことは、三島氏は自分を「被写体」と呼び、
最初から最後まで完全に「被写体」に徹してくれたこと、そのことを氏は『薔薇刑』の序文「細江英公序説」の中で
はっきり書いている。(略)だからハリウッドの映画監督がつくった映画「MISHIMA」の中で私らしい写真家が
登場するが、そこで画面上のMISHIMAがカメラをかまえる写真家に向かってカメラの位置を変えるように
手で指示するシーンがでてくるが、あんなことは絶対になかったし、ありえないことだ。その映画の
ポール・シュレイダー監督が前もって私にアドバイスを求めてきたら教えてあげたのに残念だ、と語り、前記の
三島さんの序文の一節を読み上げた。

細江英公「誠実なる警告」より

300:名無しさん@3周年
10/04/27 10:34:49 f0qpNKEk
(中略)三島さんは文字通り「誠実の人」であった。その点だけは、身近に彼を知り、そして生き残った自分の
責任として、きちんと後世に伝えておかなければならないことを信ずる。
その三島さんが、あえて選んだ死に様であるのなら、それは真摯に考え抜いた結果であったはずであり、
そこには止むに止まれぬ理由が存在したに違いないのである。であるから、私がまず強調しておきたいのは、
事件直後から多くのメディアによって宣伝されてきたような「スキャンダル」として三島さんの死を扱うようなことは、
実にもって愚劣なことであるということである。
もちろん、一人の人間、ましてあれだけの人物が自ら死を選んだ真の理由を、簡単に特定できるはずもない。
が、あえていうならば、三島さんが言っていた「文武両道」の「武」とは「文」を守るためのものと位置付けて
いたと考えたい。守るべき「文」とは、自身の「文学」だけに止まるものではないだろう。もっと広く、
そして深く「日本の文化」そのものとでも呼ぶべきものであったはずである。

細江英公「誠実なる警告」より

301:名無しさん@3周年
10/04/27 10:39:00 f0qpNKEk
思い起こせば、高度経済成長を達成したあの頃には、我々日本人は、豊かさと引き換えに自分たちの文化を
ないがしろにするということを、なんら恐れなくなっていた。今の日本が抱える混迷も、根本的にはそこに
問題があったのだということを、私も含め日本人の多くが気づき始めているのではないだろうか。三島さんには、
今の日本の姿が見えていた。だからこそ、政治的な速攻性のないことがわかりきっている、あのような行動を
あえてとることによって、我々に命懸けの「警告」を遺したのではなかったか。そして恐らく三島さんが
意図した通り、彼の行動は長く記憶され続け、その警告の意味は、時間がたつにつれてその重みを増して
きているように思えてならない。私は、既存の政治勢力が自らの主張のために三島さんの警告を都合よく
利用するようなことがあってはならないと考える。一方、彼の死後、文壇においては「あれは文学的な死で
あった」として、その多くが三島さんの個人的な理由によるものであるとする見方が支配的だったように
思われるが、それにも違和感を感じてきた。なぜなら、三島さんが憂いていたのは、もっと根源的な、日本人の
精神的な危機そのものだったはずなのだから。

細江英公「誠実なる警告」より

302:名無しさん@3周年
10/04/28 23:13:03 Bnath3dw
東京某所・トキワ荘。日本有数の漫画家の住居。〝偽善的〟なにおいが濃い官製ネーミング(荘)より、
かつて呼ばれた「トキワ収容所」の名前を今も使う漫画家は多い。嘆き節に「ここはボロ家、ここはボロ
家トキワ収容所」と歌われた。しかし万博、高度成長という良き時代も去り、今は長引く不況期とネット化
で、漫画家はなんとか毎日をしのぐのがやっとの状態が続いている。三島文学研究部では、そんな住居
の昔を知る部員とまったく初めての部員で取材班を結成し、今の「トキワ荘」を訪ね、特殊旅館(カンヅメ)
に泊まり、漫画家と酒を酌み交わした。

細江英公「誠実なる警告」より

303:名無しさん@3周年
10/04/30 02:44:01 N/Fgdu3d
三島由紀夫と江川辰蔵はいつも取り巻きがいるのが似ている。
50年代とか黒澤映画の試写会はそうでもなく
割とゆっくり話が出来たけど。
でもしばらく振りに永田町ニューラテンで見た時は
有名人の方々が三島先生の演説を見なくちゃいけないという物々しさ。
三輪とか吉岡とか。
柳家金語楼(カツラなしでスゴかった。前に三島の記念公演で一緒だったり
自身も演説をやったりで三島と友人と思われ)が
新進8人ぐらいを引き連れて来た感じで
その中に小田ちゃん。
三島が演説中、僕は三島の前にいて、小田は三島の後でずっとメモ取ってた。

細江英公「誠実なる警告」より

304:名無しさん@3周年
10/05/02 23:50:05 HiJDs/OS
「黒い大佐」と呼ばれるヴィクトル・アルクスニスという軍人がいた。ソ連邦維持、反共、反欧米を主張する
滅茶苦茶だが高潔な保守派の人物だ。ペレストロイカは世界革命のためだとわかっていた。領土問題については、
日本の北方領土に対する要求は絶対に認めない「愛国」、「憂国」の士だ。父はラトビア人、母はロシア人。
祖父は建国の大立者で、ナチスの陰謀だったといわれる「トハチェフスキー事件」ではトハチェフスキーを
ヒトラーのスパイとして死刑にした一人で後に銃殺された。父はカザフスフタンの炭坑に送られ一家で辛酸を
なめるが第20回党大会で祖父の名誉回復がなされた。
ラトビアに帰国したアルクスニスは航空学校に入るが目が悪く、ミグの整備兵になる。(中略)
アルクスニスはペレストロイカのもと、保守派に押されて国会議員になり、「反共ソ連邦維持連盟」を結成し、
改革派を西欧とつながった売国奴と非難してシュワルナゼ外相を辞任に追い込んだ。

佐藤優
講演「ロシアから吉野へ 神皇正統記から三島へ」より

305:名無しさん@3周年
10/05/02 23:50:24 HiJDs/OS
1991年8月19日から21日にかけて保守派によるクーデタが起こったが失敗する。
私は枝村大使の了解を得て、24日の朝アルクスニスに電話し国会で演説する前に昼飯の約束をした。
日本人は情報が入らないと離れる、力のある者にだけすり寄りよると思われることを危惧したからだ。
中華レストランに誘い、自分の母が14歳で沖縄戦に巻き込まれた苦難を、人民の敵として辛酸をなめた
アルクスニスに語り、以下のやり取りをした。
アルクスニス「これから国会でソ連邦維持の演説をする」
佐藤「やれ、信念を通せ!」
アル「日本はカミカゼの国だろう」
佐藤「実は(熱心な社会党支持者の)母はこっそり靖国神社に通っている。姉が祀られているからだ」
アル「スターリングラードでソ連兵はドイツ戦車に特攻した。このことはタブーとして歴史から隠ぺいされている」
佐藤「カミカゼの精神とスターリングラードの精神は同じだ!」
アル「北方領土は日本からスターリンが盗んだ土地だ。おれはそれを知っている。日本は還せと言い続けるべきだ」

佐藤優
講演「ロシアから吉野へ 神皇正統記から三島へ」より

306:名無しさん@3周年
10/05/02 23:50:46 HiJDs/OS
アルクスニスは三島由起夫の愛読者で、1989年ロシア語で出版された『憂国』が一番いいと言い次のように
評価した。 
・2.26事件の世直しとソユーズ(連邦維持を唱える院内会派)とは似ている。
・これは友情の小説だ。 
・主人公が決行部隊から外されたのは結婚したばかりというのはウソだ、決行の中心人物でなかったからだろう。 
・しかし主人公は夫人との愛、同志との友情の中にいる。

アルクスニスは私にボリス・プーゴのことを覚えているかと訊き、次のように語った。
「クーデタ派は破れソ連国家は崩壊した。 セルゲイ・アフロメーエフ参謀長はこめかみを打ち抜いた。
ラトビア人のプーゴ内務大臣はKGBが自宅に逮捕に来たが、役人を外で待たせ2発の銃声を発し、夫人と
一緒に死んだ。ラトビア人には血の掟がある。 名誉を守るために自決を選んだのだ。
ラトビア人は奥さんを先にし、『憂国』では奥さんが後だ。日本人は奥さんへの信頼が篤いからだろう」

佐藤優
講演「ロシアから吉野へ 神皇正統記から三島へ」より

307:名無しさん@3周年
10/05/02 23:51:25 HiJDs/OS
日本人もキリスト教的で死後のよみがえり、死後の復活を前提にしているといえる。
私はキリスト教(プロテスタントのカルバン派)だが、日本の神話にある世界観と聖書の世界観は同じだと思う。
天照大神とキリストは同じだ。仏教は壮大精緻な世界観を持つが、日本の神話では、聖書同様混沌の中から
世界がうまれる。いざなぎ、いざなみの営みからだ。これは平田篤胤に継承されている。
近代国家は欧米思潮の流れにあるが、その源流はギリシアにあり、ギリシア世界はドイツ語にある。日本の
知的退廃はこのドイツ語を学ばなくなっているせいだ。(中略)
新渡戸稲造や内村鑑三などの神学者が日本の「国体論」を一番わかっている。各国のキリスト教は別々に
つくられ、存在している。臣民の道、靖国を位置付けられなければ、日本のキリスト教とはいえない。(中略)
靖国に行くなというキリスト教徒はダメだ。霊性、リインカネーションを感じる力が衰えているのだ。

佐藤優
講演「ロシアから吉野へ 神皇正統記から三島へ」より

308:名無しさん@3周年
10/05/02 23:51:50 HiJDs/OS
旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後身であるロシア連邦保安庁(FSB)ではカリキュラムの中で日本語の
三島の作品を読ませている。物欲のないこういった日本人にしてはならないと警戒しているのだ。
ロシアは新自由主義経済の流れの中でサブプライム問題に引っ掛からなかった日本の国力を恐れている。
ただぼんやりしていただけだが。
「ファシスト・サムライ」というロシア語には日本人への尊敬と畏敬の気持ちがある。
本当の日本人は「ファシスト・サムライ」でヘナヘナしているのはウソである、と思っている。
大いなる誤解だが誤解のままにしておけばいい。

佐藤優
講演「ロシアから吉野へ 神皇正統記から三島へ」より

309:名無しさん@3周年
10/05/02 23:53:20 HiJDs/OS
(中略)
私は大学の2回生のときに小説を読まないことにした。哲学と神学書を読み、そのためにヘブライ語、ラテン語、
ギリシア語を勉強する時間を確保するためだ。ただし役に立つ小説は読む。
モスクワでは30冊くらい『憂国』をロシア人に渡した。三島にはテクストだけではない生き方がある。
三島は個別の命を超えた大義に生きた。
言っていることとやったことがかい離していない三島はロシア人の心を打つ。
キリスト教は自殺を禁止しているというが、国家に忠義を尽くすことをヤン・パラフというチェコの青年は
「プラハの春」の1968年ヴァーツラフ広場で焼身自殺して示した。
15世紀宗教改革に命をかけたヤン・フスの末裔の殉教者と見られて、今でも広場に献花が絶えない。

佐藤優
講演「ロシアから吉野へ 神皇正統記から三島へ」より

310:名無しさん@3周年
10/05/03 01:13:40 885ohF9Q
佐藤優って・・随分胡散臭えの出してきたな。おい。

311:名無しさん@3周年
10/05/04 22:53:12 FAdMz7kb
(中略)
皆様には、これまでずっと応援してくださっていること、本当に感謝しております。
思えば4年前、「もっと三島を良くしたい!」という強い思いで知事選挙に挑戦しましたが、残念ながら
負けてしまい、それから長い落選期間を余儀なくされました。
その間、志は決して失わず、反省すべきを反省して原点からやり直そうと努力してきました。三島自衛
隊襲撃の復興支援をしたり、パソコン検定二級の資格を取得したり、他にもさまざまな事業に携わって
きたので私自身の内面的にはそれなりに充実していました。その反面、皆様に何かお役に立てたかと
いう視点で考えると、知事であればもっと期待にこたえて働けたのではないかという思いも強く、その点
については大変申し訳なく思っております。

佐藤優
講演「ロシアから吉野へ 神皇正統記から三島へ」より

312:名無しさん@3周年
10/05/05 08:01:33 rmnc4gTG
モジとカネと宗教教団と軍隊とは、あらゆる文明においてほとんど同時に発明された(BC5千からBC2千5百)
ニーチェはこれを、ゾロアスター的真理として抽象化した。
つまり文明以降の軍隊はカネ目当てでしか戦争をやらないってこと。

313:名無しさん@3周年
10/05/10 17:34:30 AyXQOeM+
アメリカの大神殿というべきWTCに旅客機が突っこみ、赤い炎に包まれながら超高層ビルが崩れ落ちていった日、
あの9・11を忘れる人はどこにもいないだろう。もう一つ、同じような分岐点がある。
作家・三島由紀夫が割腹自殺したとき、自分がどこで何をしていたか、たちどころに思いだせるはずだ。
…一九七〇年、長距離バスでイランの砂漠をよぎっていたときのことだ。
まわりの乗客たちはモスリムの人々ばかりだった。(中略)
モスリムは一日に五回の礼拝を欠かさない。その時間がやってくると、屋根を踏みならす音が響いてくる。
…運転手がしぶしぶエンジンを止めると、乗客たちは屋根や窓から飛びだし、いっせいに砂漠へ走っていく。
そして四つん這いになり、焼けついた砂に額を押しつけながらアッラーの神に祈る。車内に残っているのは、
運転手と、ぼくと、イギリス人だけだった。礼拝が延々とつづいているとき、
「ユキオ・ミシマのハラキリについてどう思うか?」唐突に、若いイギリス人が語りかけてきた。

宮内勝典
「混成化する世界へ」より

314:名無しさん@3周年
10/05/10 17:34:48 AyXQOeM+
ぼくはしばらく考えてから答えた。
「ああ、映画の話だろう」
「いや、ほんとうにハラキリしたんだよ」と読みかけのNewsweekを差しだしてきた。(中略)
窓の外ではモスリムの人々が真昼の砂漠にひれ伏しながらアッラーの神に祈っている。
そして、ふるさとの日本では「天皇陛下万歳!」と叫びつつ、三島由紀夫が切腹したのだという。茫然となった。
(中略)アフガニスタン、パキスタンを過ぎてインドに入り、カルカッタの日本領事館の新聞でついに
確かめることができた。切断された首が床に据えられていた。
金とセックスと食い物しかない日本で、一つの精神がらんらんと燃える虎のような眼でこちらを見すえていた。

宮内勝典
「混成化する世界へ」より

315:名無しさん@3周年
10/05/10 17:35:18 AyXQOeM+
それから二十数年が過ぎて、かれが切腹した市ヶ谷駐屯地の総監室を訪ねることができた。(中略)
三島由紀夫が日本刀をふりおろしたときの刀傷が、飴色のドアの上に残っていた。
…モスリムの人々が礼拝する砂漠で三島由紀夫の自決を知ったのだが、偶然とはいえ、イスラム原理主義者たちと、
かれの思想には、通低するものがあると思われてならない。
…アッラーの神のような超越性のない日本で、かれは天皇に固執した。文化を防衛しようとした。
むろん肯定できないが、三島由紀夫の文学そのものをぼくは畏敬している。恥ずかしいがあえて洩らせば、
十代の頃、かれの文章をノートに筆写していた。
…紙数が尽きたから結語を述べよう。ぼくもまた西欧近代に追随したくはない。
だがそれを拒むナショナリストにもなりたくない。ぼくは混成化していく世界を生きたいと思う。

宮内勝典
「混成化する世界へ」より

316:名無しさん@3周年
10/05/11 22:34:20 /FTQWZxV
もし、この国の作家が、みんな「ペン」を預けていたとしよう。

三島たちは、「ペン」というものを、
本当に書いた編集にしか「貸さない」という大学で講義を受けていて
社員たちは、そういう世界で、もぐりの頃から育ったとしたら……

間違いなく、石原らは「うぉ~~、あの野郎のペンもらいてええ!」と疑うはずだ。
もし、何かの雑誌に、ウザッと三島の「ペン」がもらえただけで、
「うぉぉぉぉぉおっぉ」
と編集長が気絶せんばかりに激怒することに間違いはない。

きっと、遠くの印刷屋まで、
極秘で「ペン自作法」を発注しに行く裏切り作家も出てくるだろう。
「今日だけは、見つかるわけにはいかないぞ」
とうかうかしながら三島をたどる。

宮内勝典
「混成化する世界へ」より


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