09/11/26 17:05:50 LPulnDCb
数年前にベクトル型スパコンの地球シミュレータで世界を驚かせた日本ですが、
理研の京速プロジェクトではてSPARC64 Ⅷfxを使ったスカラ型のスパコンを開発することになってます。
数年前まではスパコンに流用できるくらい浮動小数点演算能力が高い民生用チップが
ほとんど存在しなかったので、地球シミュレータのような専用CPUでスパコン作るのが正解でした。
しかし今は時代が変ってしまって、民生用チップの浮動小数点演算能力が凄まじいペースで
上がっており、結果として現在TOP500上位のスパコンはほとんどがPCからの流用の
x86CPUを使っていて、残りも安いPowerPCベースになってる現状です。
2011年にも量産予定のSPARC64 Ⅷfxは1チップ128GFlops(倍精度)です。
一方で、来年のHPC市場を席巻しそうなnVIDIAのFermiは1チップで倍精度演算666GFlops
それでもチップ価格は1個たったの数万円程度。ボード販売のTesla C2050なら2499$(日本円22万円)。
SPARC64 Ⅷfxはまだ試作レベルで市販ボードがないので、現行チップのSPARC64 Ⅶ(約40GFlops)の
場合だと、4チップ乗ったシステムボードは675万円。
来年のHPC市場の新製品はFermi + x86のハイブリッド型が一大勢力になるとも言われています。
このコスパの差は今後どんどん広がっていくと予想されます。パソコンで御馴染みの
x86CPUも、SPARC64 Ⅷfxと同世代になにるSandy BridgeではAVXが搭載されて
浮動小数点演算能力が更に強化されて、1コアあたりの性能では上回ると予想されます。
これからはいかに最新の民生用チップを使って素早くシステムを作るかと言う
ノウハウの蓄積を考える方が科学技術行政面でも国益に叶うと思われます。