10/05/03 22:57:33 Ukw4+t3P
★ネズミ講的雇用制度を守るための新聞記事─かつては雇用の流動化を煽り、今は終身雇用を懐かしむ 2
記者が言うように、「雇用の流動化そのものは正しい流れだが、簡単には完結しない」状況
だったのである。
記者は「得をしたのは、正社員から派遣社員への切り替えが進んだ結果、総人件費の抑制が
できた企業側ということになる」などと、他人事のようなことも書いているけれども、
正規・非正規の垣根を残したまま雇用の流動化を進めた(黙認した)のは、雇用と賃金を
守りたかった正社員(労組)の側である。記者自身も既存正社員として、雇用の流動化による
恩恵に浴しているのだ。反省すべきなのは、ブームを煽ったことではなく、ブームを
煽るだけで終わり、その後の(自らの痛みを伴う)既得権打破などに切り込めなかったことだろう。
現在の記者は反省しているつもりだろうが、実際にやっていることは、懲りずに新しい
ブームに乗っかって「日本企業は終身雇用、年功序列のままでいい」という風潮を今度は
煽っているだけだ。そのことが規制強化ムードを増長させ、非正規雇用の人々を長期失業状態に
追いやるわけだが、その反省はいつするつもりなのだろうか。
20代、30代の頃は雇用の流動化を中途半端な形で煽り、50歳くらいになると今度は
終身雇用・年功序列を懐かしむ。そういう姿勢は、結局のところ、自分自身のことしか
考えていないのではないかと思われてもしょうがない。労働規制改革を自分の人生に都合の
いいように切り取り、既存正社員のネズミ講的雇用制度を守るための新聞記事と見れば、
何の矛盾もなく一貫している。
しかし、ネズミ講的雇用制度は既に破綻している。それがあたかも持続可能であるかの
ように装い、現在の新卒や若手社員を「勧誘」するのは、定年まで10年ちょっと、何とか
逃げ切りたいという思惑がどこかにあるのではないか。そうでないならば、「機会格差」を
解消するということを、現在の風潮に逆らってでも主張していくべきである。
フリーライター宮島理のプチ論壇 since1997
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