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★ネズミ講的雇用制度を守るための新聞記事─かつては雇用の流動化を煽り、今は終身雇用を懐かしむ 1
2010年02月13日10時32分 / 提供:フリーライター宮島理のプチ論壇 since1997
読売新聞の記者が、こんなことを書いている。
「私が今、最大に悔いているのは、これもバブル前後の『転職ブーム』や、その後の『派遣ブーム』
なるものを、しっかり批判できなかった点だ。
どちらかというと、当時は転職するサラリーマンを賛美し、雇用が流動化するのを良しとする
ジャーナリストや学者が大勢いた。(略)私も似たような原稿をたくさん、書いた。(略)
だが、現実はどうか。先のことは不透明だが、今の時点で振り返ると、我々が書いたことは、
ブームにのって会社を辞めて転職したり、派遣の道を選んだりした人たちのうち、大多数の人には
ミスリードになったのではないか、と考えてしまう。(略)
もう一度、あの時に戻って、記事を書けと言われたら、多分こう書く。『雇用の流動化
そのものは正しい流れだが、簡単には完結しない。だから、会社は辞めてはいけない。
日本企業は終身雇用、年功序列のままでいい』」
新聞記者歴が約30年というから、現在は50歳くらいなのだろう。だいたい20代の頃に、
バブル前後の「転職ブーム」に乗っかり、30代の頃に「派遣ブーム」に乗っかったという感じだろうか。
確かにバブル前後には、終身雇用のサラリーマンを「社畜」とバカにし、フリーターを
賞賛する風潮があった。『フリーター』(1987年、横山博人監督)という映画では、羽賀研二が
演じる青年が、アルバイトの人材派遣サークルを運営しながら、LSIチップの販売ビジネスに
手を出し、フリーターから実業家へなっていく様子を描いている(実際に羽賀研二本人も、
21世紀には実業家となり、さらには没落した)。「派遣ブーム」も、その延長線上にあった。
ただ、普通の人は実業家予備軍ではないのだから、フリーターなどの非正規雇用になると、
そこから労働市場でキャリアアップする道筋が必要となる。しかし、バブル崩壊後の日本では、
既存正社員の既得権を守るために、正規・非正規の垣根が高いまま残された。