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318 :きき:2009/04/25(土) 19:48:06
アイルランドのカトリック勢力が所有していた農地の多くは没収され,イングランド側に配分が
行われた。また,カトリック教徒の権利を大幅に制限する法律の数々―「カトリック刑罰法」
(Penal Law) として知られる―が発令される。これらの法律によってカトリック教徒は投票権を奪われ
公職に就くことを禁じられ,教育を制限され,土地の購入を制限され,他にも様々な基本的権利を制限さ
されることとなった。また,土地の一子相続を禁じ,相続者の間で均等に分割することを強制された。
この分割相続の強制によって,カトリック教徒が一家族あたりに持つ土地の面積は代を重ねる毎に狭め
られ,最終的には自給にも事欠く有り様となってしまう。(日本と似てる)
(中略)
ラッセル政権は自由市場への干渉を拒絶した。政府による穀物の輸入は実施されず,国
外への輸出に対する規制も行われぬままとなった。結果として待ち受けていたのは荒廃だった。
食糧の価格は高騰し,貧民の手には届かないものとなってしまう。他方で,地代をまかなうために穀物
や牧牛の輸出は続けられていた。深刻な飢えに直面しているにも関わらず,食糧は国内から失われる一方という,
異様な事態を迎えることになる。
(中略)
飢饉中に発生した小作農の立ち退きと地主の没落は,結果として農地の集約を生み出す。飢
饉直前は 5 エーカー以下の小規模な農地が全体の半数近くを占めていたのに対して,飢饉後は 5
エーカー以上の農地が主流を占めるようになったという。また,不動産負担法の成立により,農民が
自らの土地を政府の補助の下に購入することができるようになると,アイルランドを長年苦しめてき
た農地問題も遂に解決を迎えることになる。アイルランドから貧民と地主は姿を消し,中流階級の農
民達が十分な広さの農地を得た。
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