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私のマニフェスト
ジャーナリスト・若林亜紀(朝日新聞8/10・27面)
私はかつて中央省庁から「天下り」を受け入れる団体で10年間働き、湯水のような税金の浪費を目の当たりにしてきました。
理事長に天下りしてきた元次官は、毎月のように海外旅行に出かけました。視察と称して観光、グルメにショッピング。時には、本省から呼んで部長に据えたお気に入りの女性も同伴です。
飛行機はファーストクラス、ホテルは五つ星。彼は7年間で延べ73カ国へ行き、旅費の総額は3億円でした。
その後の取材でも、海外視察は減ったようですが、高給で天下ってくる官僚の数はむしろ増えた。
天下り団体には、業務の発注や補助金で年に12兆円の公金が投じられ、その多くは無駄に使われているのです。
(中略)
私なら「例外なき天下り禁止」を掲げたい。天下りを受け入れた団体・企業には、国の補助金や事業の発注を一切やめる。どうしても官僚OBを雇いたいのなら、補助金や受注がゼロでよければご自由に、です。
「例外なき禁止」の代わりに、65歳までの雇用は進めるべきでしょう。それでも給料は引き下げます。
国家公務員の給料の実支給額を計算したところ、06年度は諸手当を含め平均814万円でした。
民間だと資本金10億円の企業の平均が616万円。大企業と同程度まで下げてもよいのではないでしょうか。
日本の政治は、ずっと「官僚内閣制」でした。政権は官僚の手のひらの上で動いてきた。
(中略)でも、官僚たちのムダ遣いは国民に知れ渡りました。今回の総選挙で選ばれる議員たちには「今度こそ中身のある改革を」と期待しています