官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-9at SEIJI
官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-9 - 暇つぶし2ch279:N ◆5UMm.mhSro
09/01/05 01:41:15 sfWLqpRN
>>270-278
わーお、もう今から15年前に捕鯨問題の裏事情は完璧に明らかにされていたのですね。
世論がそれを無視して、官庁、鯨研、広告代理店発表の居心地のよいストーリーのほうを選んだと。
それでナショナリズムの対抗ムードや被害者意識満開のスネ夫君モードに浸っていたと、
そういうことかな。

>>265まででは、ノルウェーのオーソドックスな水産学者たちが、カラフトシシャモ、ニシン、大西洋タラの
個体数変動を説明するのに、クジラやアザラシの食害を全然計算に入れなくても十分有効なモデルが
できた、というところまでだったけれど、いよいよ次からクジラ食害<思い入れ>理論の人たちの
試みと破綻の紹介に入ります。

破綻したはずなのに、ミンククジラが一頭増えると5トンのタラとニシンが漁獲減になる、という科学的には
根拠薄弱な明快セリフが、いまだに世論の頭脳を駆け巡っているというところまで似てるね。
日本ほどドロドロじゃないみたいだけど。

どっちにしても、財政と非公開情報握ってる官庁<科学者>には、一般国民は勝てないのかな。さみしいね。

_____________________________________
>>264で (このpdf、Table 3.4.1.3 参照)、となってるのは外部リンクですが
URLリンク(www.ices.dk))今見たら切れてました。
バレンツ海の大西洋タラの推定ですから、勝川さんのサイトでも探せば最新情報があるでしょう。

280:名無しさん@3周年
09/01/05 01:44:51 sfWLqpRN
URLリンク(www.wdcs-de.org)
Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management. 『アイスランド、捕鯨と生態系ベースの水産管理』
Peter Corkeron Ph.D.
>>265からつづく。
[Consumption Estimates][消費量推定]
(17頁ー>18頁)
この論文と、同じ場所、同じ期間、同じ商用魚について、他のノルウェーの科学者たちが試みた
海洋哺乳類の果たす役割に関する20年近くにわたる研究を対照してみよう。

研究プログラムが作り上げられたのは最初のカラフトシシャモ崩壊から間もなくである。
理論的には、海洋哺乳類の捕食が魚類個体群サイズにどのように影響を与えるのかを探る
というものだった。野外調査は2番目と3番目のカラフトシシャモ個体群崩壊を貫くもの
となった。この作業にはタテゴトアザラシ( Phoca groenlandica)、ズキンアザラシ
(Cystophora cristata)、北半球ミンククジラの胃内容検査、全3種の致死調査が含まれる。

これらの動物たちが何をどれだけ食べているかという概観が、この作業からの一連の学術
論文として公表されている(e.g. Folkow et al. 2000, Nilssen et al. 2000)。さらに関心のある
魚種に対する海洋哺乳類の捕食の影響がモデル化された (e.g. Bogstad et al. 2000,
Tjelmeland and Lindstr?m 2005)。

281:N ◆5UMm.mhSro
09/01/05 01:45:22 sfWLqpRN
ミンククジラに関するプログラムのデザインは『生態系に対するクジラの役割を解明する』
日本の第8条捕鯨の視点のテンプレートとして鯨類研究所によっても利用されている(例えばMurase
et al. 2007 等参照)。

食餌研究と餌消費推定の違いを区別することは重要である。食餌研究は動物が何を食べているか
ということをつきとめる非操作的研究であり、餌消費推定は一定期間(通常1年間)で、ある
海洋哺乳類個体群が消費する餌量をつきとめるためのシンプルなモデルである。

クジラが何を食べているか、毎日どれだけ食べているか、関心の対象となる海域で何日間食べるのか、
関心のあるクジラ個体群には何頭いるのか、簡単に言えばこれだけわかれば利害関心のある海域で
クジラがどれだけ食べているかということを推定できる。

違う餌種の比率が異なっている状態に遭遇すると、クジラはどう対応するのかということを
知るのも有益である。海洋哺乳類が消費する量の推定のためにデータを集めるというのは、
捕鯨国の科学者たちにとってこの2、30年ほど優先順位の高いテーマだった(上記参照文献
を除く。たとえばMurase et al. 2007)

282:N ◆5UMm.mhSro
09/01/05 01:46:48 sfWLqpRN
これらすべての変数の推定値は、最終的な消費推定を導き出すために複合され演算される。
この演算には二つの問題がある。インプットする変数はそれぞれ不確実性をともなっている。
この不確実性というのには二種類の姿がある。プロセスの不確実性と測定の不確実性である
(Hilborn and Mangel 1997)。

プロセスの不確実性というのはシステムに内在する変動性である。クジラは毎年正確に
同じ場所で同じものを食べるというわけではない。環境の変化に応じて変動が出るのである。
測定の不確実性というのは、われわれが変数の値を入手する能力に内在する変動性である。

科学は手品ではない。サンプリング理論はわれわれが推定する変数の値、たとえば生息数
はすべてなにがしかの不確実性を含んでいると教えている。

変数は演算操作されるので、これらの誤差は複合する。最終的に、(幅を伴わない)点推定は
合理的に見えても、それにともなう不確実性を考えに入れれば無意味だという場合が往々にしてある。

(20頁)
たとえば東スコシア大陸棚(カナダ東岸)のタイセイヨウタラが回復しないことについての
ハイイロアザラシの捕食影響の調査研究がある。この最近のモデルは2003年にアザラシが
1670万のタイセイヨウタラを食べたという点推定値を出した。

しかしこの推定の不確実性は95%信頼区間(不確実性をあらわす標準的な方法)でプラス
マイナス5540万のタイセイヨウタラというものだった。

この論文で注意を引くのは、この海域ではタイセイヨウタラがかつての歴史的生息数に比べて
ごくわずかな数しか存在しない一方、ハイイロアザラシはかつてない最高数に達している
ということである。にもかかわらず、この論文の著者たちは「ハイイロアザラシ(Halichoerus grypus)
が東スコシア棚タイセイヨウタラ(Gadus morhua) 個体群の自然死亡主要因であるという証拠は
ほとんどない」と結論づけている (Trzcinski et al. 2006, p 2286)。

283:名無しさん@3周年
09/01/05 01:48:34 sfWLqpRN
これらの推定でもう一つの問題は、彼らがシステムの理解という時に用いる傲慢とも言える
思考法である。たとえば、豪クイーンズランド州、モートン湾でミナミハンドウイルカの
地方的個体群が消費する餌料を推定するためのデータはすべてそろっている。

しかしこの海域には別々の社会性をもった二つの同種イルカが存在する。エビのトロール漁に随伴し
餌を取るタイプ(したがって、「通常の」ミナミハンドウイルカが自由に泳ぐ魚を食べるほどには
魚を食べない)と、そういうことはしないタイプである(Chilvers and Corkeron 2001)。
この行動学的な違いを計算に入れなければ、消費量推定は無意味になる。

最後に、消費量推定をやろうとした人々の中でしばしば見られる海洋生態系に関する見方の問題、
コンセプチュアルな問題というのを指摘しておく。

これは彼ら自身の研究を語る時の彼らの言葉遣いにもっとも明瞭にあらわれる。
学術雑誌の中から最近の例を引用しておくと、「われわれは_ミンククジラの摂食がバレンツ海の
生態系に与える影響_についての将来の調査に関して、二つの重要な方向を示唆する。」(_強調_は引用者)
(Smout and Lindstr?m 2007,p 289)

この言い方が含んでいるのは、ミンククジラがその生態系とは何らかの意味で切り離されている
と意識されていることである(彼らがシステムにたいして「インパクト」を持っているという言い方)。
さらに含意されているのは、ミンククジラが生態系に対して果たしている役割というのが、
ミンクが商業的に価値のある魚種を食べているというところだけに絞られているということである。

このアプローチが無視しているのは、(一例だけを挙げておくと)食物段階の将棋倒しという現象である。
これはすでに海洋システムに関してよく示されているもので (たとえば ?sterblom et al. 2006,
Myers et al. 2007)、上位の捕食者を過剰に漁獲すると、予期せざる大規模な生態系(エコシステム)の
変化が起るという問題である。

284:N ◆5UMm.mhSro
09/01/05 01:57:01 sfWLqpRN
“Five tons of cod and herring” 
『5トンのタラとニシン』

海洋哺乳類の消費が経済的に重要な魚に与える影響を評価するという別のアプローチは、モデル化
作業で、その目的は海洋哺乳類捕獲戦略が水産業に与える効果を査定すると述べられている(Hagen
and Schweder 2005)。(注意すべきはこの目的が前記Hjermann他の作業とは微妙に違うという
ことである。Hjermann他はバレンツ海のカラフトシシャモ個体群崩壊の原因を探ろうとしたのだった。)

この一組のシミュレイションは当初、バレンツ海で北半球ミンククジラが捕獲されたら、ニシン、
タラ、カラフトシシャモの漁にとって何が起るかというモデル化だった(Schweder et al. 1998, 2000)。
このシミュレイションはタテゴトアザラシを含むものに拡張された(Hagen and Schweder 2005)。

この最初のシミュレイションは簡素でエレガントなせりふとなり、海洋哺乳類間引きの論議で
くりかえし用いられている。ヴィキペディア’whaling’の項目でも見ることが出来る。(2007年9月現在、
*訳注;今でもありますURLリンク(en.wikipedia.org)

|『バレンツ海ではミンククジラの個体群で、一頭のクジラが増えると、その魚類消費のせいで
|5トンのタラおよびニシンの漁獲に対するネットの経済損失が発生すると推定されている』

285:N ◆5UMm.mhSro
09/01/05 01:58:49 sfWLqpRN
この引用はこのことに関するモデル演習の二つの論文のうちのひとつを引用元としてあげていて、
これは北大西洋海洋哺乳類委員会(NAMMCO)で公刊されたものである (Schweder et al. 2000)。

しかしこのモデル化アプローチを学術論文として公刊した二つの論文を注意深く読んでみると、
著者たちは ― 彼らの信用のためにも言い添えておくが ― このモデルが現実的なものでは
ないということが書かれているのである。

たとえば「この研究をめぐっては、確実な結論を導き出すにはまだあまりにも多くの不確実性がある」
と記されている。(Schweder et al. 1998:92)。

モデルはバレンツ海生態系を理解する道筋を探るための知的な演習なのである。
にもかかわらず2004年にノルウェー海洋哺乳類政策を改訂した白書では、この5トンに言及し、
調査がまだ前段階的なものであるということを小さく付記しているだけである(少なくとも、
その後の7年間にわたる作業にもかかわらず)。

この『シナリオC』と呼ばれているモデル・アプローチに、タテゴトアザラシの食餌と消費量の
データを付加すると、モデルは非現実的なアウトプットを出す(NAMMCO科学委員会第14回会議
報告5頁、URLリンク(www.nammco.no) 5/18頁参照)。
このモデル化で、基本的データか仮定か、その両方に欠陥があったということをこれは示唆している。

『シナリオC』が、海洋哺乳類捕獲と漁業の関係についてアドバイスを与える基盤として失敗した
ことは、NAMMCO科学委員会のコメントではっきりしている:「科学委員会はふたたび、2海域
(バレンツ海とアイスランド)、2種(ミンククジラとタテゴトアザラシ)での漁業と海洋哺乳類
の相互干渉の経済的側面について、要請されたアドバイスを提出することが出来ないという状況を
強いられた。このアドバイスは、評価のために実行可能と認定されていたものであるが。科学委員会
が設置した作業部会はこれとこのことに関連する要請を扱うために5回の会議を開いた。」
NAMMCO科学委員会第14回会議報告5頁、URLリンク(www.nammco.no) 5/18頁参照)

286:N ◆5UMm.mhSro
09/01/05 01:59:44 sfWLqpRN
どういうわけか、このモデルのこちらの側は、「5トンのタラやニシン」が見いだしたような、
世論の意識への道筋を見いだせなかった。

バレンツ海の重要商用魚生息数で何が起ったのかという大きな図柄については説明がなされている。
この説明は学術論文で公開されている。

利用可能なデータから兆候を探知した調査アプローチは、バレンツ海で起こったことを理解する
というところから出発した。

この研究をおこなうために、しかし研究論文著者たちは「シナリオ実験」を推し進める人たち
とはかなり異なったアプローチをとった。

「シナリオ実験」のほうは、海洋哺乳類の捕食が十分に重要であり、バレンツ海での魚類ー漁業
エコシステム(生態系)を理解するためのモデル化に組み込む価値があるという仮説から出発した。

シナリオCが有意な結果を出すことに失敗したにもかかわらず、NAMMCOの結論はどのような
ものだったのだろうか。

直接引用しておく:「科学委員会はかつてと同様、この分野での展開は、明確な追加的リソースが
もたらされないかぎり、先へ進めないと強調した。委員会は特に「シナリオC」がノルウェーで
再開されること、アイスランドがその領域でGADGET モデルに海洋哺乳類を含める努力を続ける
よう推奨した」(NAMMCO科学委員会第14回会議報告5頁、URLリンク(www.nammco.no) 5/18頁参照)

“GADGET” プログラムを遂行しているアイスランドの研究者たちは、ノルウェーのシナリオC研究者
たちと似たような基本仮説を設けている。海洋哺乳類の捕食が関心のある商用魚種の生息数変動に
主要な規制的役割をはたしているというものである。同じ思考が場所を占めている。

287:N ◆5UMm.mhSro
09/01/05 02:04:44 sfWLqpRN
ヒルマン(Hjermann)とその共著者たちの科学的アプローチは、利用できるデータの評価からはじまり、
バレンツ海の状況に関して機能するモデルを作成した。

シュヴェーダー(Schweder)とその共著者たちは海洋哺乳類の捕食が重要でないはずがないという
予見から出発し、機能するモデルをつくれなかった。しかしこの成功しなかったアプローチの発展が
いまだに呼びかけられている。

この作業の更なる進捗を呼びかける科学者たちの思考習慣について、このことはわれわれに
何を物語っているのだろうか。

バレンツ海で、過剰漁獲による生態系効果が依然として感知されているということが、
おそらくこのシステムへの人間の影響を管理する立場にある人々にとっては不快なものなのであり、
しかしそれが現状をもっとも良く説明する要因なのだということだ。

バレンツ海でのタラの漁獲枠がICESの勧告を上回っていることを見れば、乱獲を再発させない
という政策と手続きがまだ実現していないということがはっきりする。

そのかわりに管理者と政策立案者たちは不適切な道を選んで、本当の選択よりも政治的に
居心地の良い調査研究を支持している。この調査研究というものが、他のノルウェーの科学者
たちの研究よりも、当該システムを説明する上で情報量がはるかに劣っているということが
明らかになってもである。

ここまではノルウェーの話である。アイスランドの海洋研究界にも、同じような構造問題があるのだろうか?

288:名無しさん@3周年
09/01/05 07:10:05 911jCRvv
梅崎義人さんはおっしゃってます、「一次発見個体だけ捕る」と。



今の調査捕鯨は、科学
者が予め決めたルートを一定の速度で目視調査をしな
ければいけません。ルートは直進ではなく蛇行するので
す。前に3つのキャッチャーボートがいて、いまはキャ
ッチャーボートと言わないんです、「目視標本採集船」
と言います。目視標本採集船が三隻、その後方に母船が
いる。その後に餌をとる専門のトロール船がいる、この
隊列を崩してはいけないのです。調査コースをきちんと
守って、捕獲対象のクジラを見つけた時だけコースを離
れる。見つけた船が獲りに行くのですが、その時、子ク
ジラであっても痩せこけたクジラであっても捕獲しな
きゃいけない、第一発見したクジラを獲らなきゃいけな
い。獲ったらそれを母船に持っていって、またすぐその
ポジションに戻らなきゃいけないんです。これは陸上で
実施されている世論調査の無作為抽出法なんです。大き
いのを選んで獲っちゃいけないんです。それで一回発見
して追尾をしたら横に大きなのが現れてもそれを獲れ
ないのです。以前のように乗り替えできない。
URLリンク(sohmeikanto.upper.jp)


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