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金子勝『セーフティーネットの政治経済学』(ちくま新書)
稲葉振一郎 『論座』(朝日新聞社)2000年1月号
「市場原理主義」との対決において理論的な急所はセーフティーネットとモラルハザードの関係をどう捉えるか、であるが、
金子氏の議論は「市場原理主義」の、あるいは主流派経済学のモラルハザード論を十分には批判し得ていない。
どのような前提をおけば主流派のセーフティーネット論が妥当なものとなるのか、それに対して金子氏の意味での
セーフティーネット論が妥当するのはいかなる想定の下でか、そして現実の経済においてはどちらの想定がよりリアルなのか、
が十分には明らかではない。