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小泉政治のもとで進んだのは、
リスクの普遍化という現象である。
雇用、医療、年金、子どもの教育など生活のあらゆる局面で、
不確実性が高まり、人々は大きな不安を持っている。
従来は安定した生活を送っていた中間層も含め、
幅広い層の国民が、例えば高齢の父母が突然要介護状態になるかもしれないとか、
子どもが引きこもりになるかもしれないなど様々なリスクを抱えるようになった。
実際、正規雇用の減少、生活保護受給者の増加、自殺の増加など、
リスクの増加は具体的数字でも明らかである。(略)
平等という価値は過去の遺物であるかのように語られ、
勝ち組、負け組という言葉が日常用語となった。
さすがに、機会の平等まで否定する人はまだ少ないだろうが、
それを実質的に支えるための政策は後退に次ぐ後退である。
たとえば、受験準備を含めて高等教育を受けるコストはきわめて大きくなっている。
新しい司法試験を受けるために必須のロースクールに行くためには、
大きな投資が必要になる。つまり、小さな政府、自由放任のもとでは、
機会の平等は必然的に絵に描いた餅になるのである。