09/09/13 21:08:28 GE6cFL8u
>>459-461
踊る阿呆の「祭り」のあとに
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
今回は、「祭り」について考えてみたい。
リアルな「祭り」ではない。三社祭やYOSAKOI騒乱もそれはそれで面白い題材だが、
私が俎上に上げたいと思っているのは、インターネット上に設置された匿名の巨大掲
示板である2ちゃんねるの「祭り」だ。
「祭り」は、珍しい現象ではない。
「アニメ」「児童ポルノ」「少年犯罪」「モー娘。」「石原閣下」「筑紫さん」「ガンダム」など、
インターネット文化との親和性の高い話題や、「2 ちゃんねる」自身についての情報を含
んだ自己言及的なニュースが祭りになりやすいという傾向はあるものの、祭りの規模は、
おおむねスポーツ新聞の見出しの大きさに比例している。
「祭り」は、2ちゃんねる市民(「2ちゃんねらー」と自称していたりする)の関心をダイレク
トに反映した、自然発生的な現象であるとも言える。祭りの噂が祭りの勢いを加速させる
という自家中毒的な傾向はあったが、それは現実社会でも同じことだ。行列は行列を呼び、
人混みは人混みを吸い寄せ、野次馬は野次馬を引きつける。鏡を見て興奮するガマと一
緒。そもそも阿呆でなければ踊らない。そういうことになっている。
が、選挙を間近に控えて、掲示板の様子は違ってきていた。
具体的に言うと、掲示板自体が、政治的なプロパガンダの場に変貌していたのである。
で、「祭り」の様相も、「デモ」や「街宣」に近い、キナ臭いものになっていた。
こんな短期間のうちに、これほど露骨な変化が起こったのは、おそらく2ちゃんねるの歴
史の中でははじめてのことだと思う。
463:杉山真大 ◆mRYEzsNHlY
09/09/13 21:09:09 GE6cFL8u
たとえば、8月の半ばには、「日の丸スレッド」が93スレッドを消費している。
これは、民主党のある支部が、民主党の党旗を作るために日の丸を改造(「切り刻んだ」と
言われている)したとされる事件を発端に立てられたスレッドで、後に、民主党がその党旗の
写真をHPから削除したということで、さらに祭りが大きくなった。
無論、切り刻んだ相手が国旗なのだからして、怒る人々が大勢いたことは想像に難くない。
が、それにしても、スレッドの伸び方は異様だった。
途中から、通常の意味での書き込みは影をひそめ、スレッド数を伸ばすことを自己目的化
したかのような、コピペ(同じ内容のテキストや絵をコピー&ペーストする行為)だらけになっ
て行った。
世間は、静かだった。
2ちゃんねるがサーバーが落ちるほどの騒ぎになっている一方で、新聞は党首討論でこの
話題が出たことを報じた後、ほとんど続報を流さなかった。テレビも同様。ほとんど時間を割
いていない。
であるから、2ちゃんねるでは、スレッド数が50を超えた頃には、「新聞は事態を黙殺している」
「テレビは報道から逃げている」と、2ちゃんねるとマスメディアの温度差について言及する意見
が目立つようになっていた。
8月の20日過ぎには、今度は、麻生総理の失言(学生を集めたイベントで、学生の質問に対し
て「金が無いなら結婚はしない方が良い」と答えた)をとらえたスレッドが、67まで数を伸ばした。
このスレッドでも事情は同じで、麻生非難派と擁護派の書き込みは、途中からほとんど同じセ
リフのコピペに終始するようになる。この場合も、「スレッド数の増大」が自己目的化し、「祭り」は、
もっぱら「祭りの拡大」のために開催されている状態になった。
464:杉山真大 ◆mRYEzsNHlY
09/09/13 21:11:06 GE6cFL8u
無論、ずっと昔から、2ちゃんねるは、プロパガンダの舞台だったし、商品宣伝の最前線でも
あれば、悪意あるゴシップの温床でもあった。「祭り」にしても、一般人の関心とはまるで別な
ところで起こっているものが少なくなかった。
公の場所では口に出せない感情や、マスメディアが報じないあれこれが人気を集め、差別、
偏見、暴力およびエログロナンセンスないしはロリータ趣味やSM のような変態趣味が注目を
引く。でもって、人種や民族への罵倒が同志を糾合し、怒りや嫉妬や恨みみたいな、そうした
ネガティブな情報が客を呼ぶ傾向が顕著になってもいた。
とはいえ、どんなに荒れているように見えても、全体から見れば、その種のネガティブな祭り
は、やはり圧倒的な少数ではあったのだ。
それが、今回のプロパガンダ合戦を通じて、徐々に占有率を高めてきている。私にはどうして
もそう思える。
2ちゃんねるの世論は、不思議なことに、総アクセス数が増えるにつれて、一般と遊離してき
ている。
私が個人的に抱いている感じでは、ずっと昔、2ちゃんねるがまだオタクの巣窟と呼ばれ、引き
こもりやニートのメディアと見なされていた時代の方が、むしろプレーンなカタチで世論を反映し
ていた気がするほどだ。
たとえば、私が自分のホームページを始めたころは、2ちゃんねるは、まだ一般人には敷居の
高いメディアだった(2ちゃんねる開設は1999年5月)。なにしろ、インターネットに常時接続でぶら
下がっている人間の数自体が、圧倒的に少なかったわけだし。
465:杉山真大 ◆mRYEzsNHlY
09/09/13 21:15:21 GE6cFL8u
だから、当時の2ちゃんねるは、今と比べてずっとオタク寄りだった。アニメやコンピュータに寄り
添った話題の多い場所でもあった。
が、それはそれで世論をビビッドに反映しているところもあって、私自身、芸能ニュースやタレントの話題性を判断する際には、2ちゃんねるのスレッド消費スピードを参考にしていた。いまにして
思えば、不見識だったかもしれないが。
が、ここ数年、2ちゃんねるはおかしい。
出入りする人間の数が増えて、客層もずっと幅広くなったはずなのに、話題は、むしろ偏ってき
ている。
ネット言論の危険性は、それが無邪気な便所の落書きであった時代を終えたところから始まっ
ている。
どういうことなのかというと、ネット上の情報がネットワーカー個々人の個人的な悪意や、毒舌や
、怨念を反映している分には、それはたいして有害ではなかった(まあ、それでも十分に不愉快で
はあるのだが)ということだ。
ネット情報が危険になってきたのは、それが、商業的ないしは政治的な意図を抱いた人々によっ
て、組織的かつ周到に利用されつつあるからだ。
466:杉山真大 ◆mRYEzsNHlY
09/09/13 21:17:02 GE6cFL8u
なんとなれば、インターネットでは、一人が200回投票することもさして難しくないし、なにより、
ネット上の投票は、公式の投票用紙を入手する手間もなく、ハガキ代を負担していないファンが
(ということはつまり、野球に対して情熱も愛情も持っていない人間が)、マウスをクリックすれば
それで成立する、あまりにもノーリスクな仕事だったからだ。
これなどは、無邪気ないたずらと言ってしまえば、それだけの話ではある。
が、この事件は、2ちゃんねるの人間の中に、独自の自意識があることをある程度証明している
と思う。
彼らは「オレたちが一致団結して行動すれば、なんだってやれるんだぜ」と、そんなふうに考え
ることを好む。
それが事実であるのかどうかはともかく。
おそらく、2ちゃんねらー自身が自分たちのパワーを意識しはじめた頃から、この掲示板には、
その力を利用せんとする人々を蝟集する奇妙なパワーが宿りはじめたのだと思う。
で、結果として、ネトウヨが集まり始めたのだと思う。
467:名無しさん@3周年
09/09/13 22:03:07 WeEqD0T4
・2ちゃんねると一般世論との差ですが、
これはテレビや大手の新聞の報道や教育で作られる従来の世論との差と見ることができます。
それで、一般世論と比較するとわりに右傾化しているわけです。
ネット世代は大手メディアでフィルターにかけられた情報で判断するのではなく、自ら情報を探してそれで自ら考えることができたところから、今までの一般世論と乖離しているわけです。
ただネットを利用する人たちでも、わりに50歳、60歳代の人は青年時代のメディアや教育の影響ですでに思想が青年期に固定されていて、ネットを使用する前後で変わらないことが多いようにも思われます。
・2チャンネルに参加する人が多数になった点の功罪について
私は2ちゃんねるはあまり知りませんが、パソコン通信の時代からの掲示板と比較して個人的に判断すると
欠点としては、落着いてじっくりと、つまりきちんとした議論を徹底してやりとりする環境にないことです。この点は私は残念に思うところです。
長所としては、非常に多くの人がスレッドに参加する方が結果として常識的な判断に落着くことが多い点です。この点は私も意外で、2ちゃんねるを見なおしたというか日本人の民度を見直しています。
余談ですが、多数の人が参加するのではなく特殊な趣味のスレッドもそうかもしれませんが、このような幸福の科学関連のいくつかのスレッドのように、少数の人たちの投稿が多いスレッドはその中だけの世界で偏ることが多いと思います。
(半職業的なストーカーの人が、特定の名前や匿名や幸福の科学の会員をよそおって投稿を繰返し、それに対して幸福の科学の会員で私のように物好きな人が時折対抗するというようなスレッドでは)