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とはいえ、ネットユーザーの使う「スラング」の域を出なかったが、08年から関連書籍が相次いで発売される
ようになる。
「ブラック企業の闇 それでもあなたは働きますか?」(晋遊舎、08年5月発行)、
「就職先はブラック企業 20人のサラリーマン残酷物語」(彩図社、08年12月22日)、
「ブラック企業とシュガー社員」(ブックマン社、09年4月)など。
また、08年後半の世界同時不況で雇用が悪化し、「派遣切り」や「内定取り消し」をした企業もブラック企業と
呼ばれ、より幅広い意味で使われるようになる。
さらに09年冬にはブラック企業の名前を冠した映画が公開される。
タイトルは「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」。高校中退の26歳のニート
(男性)が母の死をきっかけに、情報処理の資格を取ってプログラマーとして就職。ところが、とんだ
ブラック会社であることが判明する。
07年11~12月に2ちゃんねるに書き込まれた同名のスレッドが元になっている。
筆者の男性は入社早々、上司に「定時なんてものは都市伝説だ」と怒られたり、誰も質問に応じてくれない変な
空気などについて詳しく書くと、2ちゃんねるの住人も参加して話が盛り上がっていく。08年6月には新潮社から
書籍化された。
09年4月19日に映画のクランクインを迎えるにあたって、主人公を演じる俳優の小池徹平さん(23)は、「難しい
役ですが、体当たりでぶつかっていこうと思っています」とコメントしている。