08/07/28 12:50:44 KYNaiS7y0
原爆語り部の体験つづった絵本を制作 大阪の女子高生
大阪府泉佐野市の女子高校生2人が、中学時代の修学旅行で訪れた長崎で原爆の
悲惨さを語り継ぐ語り部の体験談に心を動かされ、1年がかりで自作の絵本を制作した。
架空の主人公「琴子」が原爆で家族を失った悲しみなどを語り部から聞き、
「私たちには何ができるのだろう」と思い始めるストーリーを自分たちの修学旅行の経験をもとに描いた。
絵本は教師や親のカンパで自費出版。27日には2人が長崎市を再訪し、語り部の女性にできあがった絵本を直接手渡した。
絵本「わたしからあなたへ」(61ページ)。制作したのは、泉佐野市の池田沙也香(さやか)さん(15)=府立佐野工科高1年=と
三浦春菜さん(16)=府立港南造形高1年=で、同じ中学校に通っていた昨年6月に修学旅行で聴いた長崎原爆遺族会長の
下平(しもひら)作江さん(73)の体験と言葉をつづった。
下平さんは昭和20年8月9日の原爆投下時、妹と防空壕(ごう)にいて助かったが、母親と姉、兄は即死。
下平さんと妹の2人は「生と死の間で必死に生きた」が、妹は原爆症に苦しんだ末、自ら命を絶った。
下平さん自身も「1人じゃ生きていけない。死のう」と線路の前に立ったこともあったというが、
「どんなに苦しくても、悲しくても、生きていてよかった」と振り返る。
池田さんは、長崎を訪れる前に広島市の原爆資料館や原爆ドームを見学したことがあり、
「衝撃を受けた感覚が残っていた」。三浦さんも「祖母から聴いた戦争体験が下平さんの話と重なった」。
語りを聞き終えたとき2人とも「別世界の出来事のように思っていた原爆や戦争が想像もできない
恐ろしい現実に変わった」と感じたという。