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NHK番組「あの人に会いたい」より
(作家・司馬遼太郎 1996年72歳没)
ナレーション:(中略)…代表作「坂の上の雲」では戦略の天才、
秋山兄弟を中心に明治時代から日露戦争までを克明に追います。
そこで描いたのは昭和の多くの指導者とは異なる合理的で柔軟な
発想を持った明治人でした。
(中略)
紙一重だった日露戦争の勝利。その現実を日本人が理解しなかった事が
太平洋戦争の悲劇を生んだと司馬さんは考えます。
(以上、ここまでのナレーションや司馬氏のコメントは、従来の司馬史観とほぼ
同じ内容の解説だが、司馬氏は最後にもっと重要な事をコメントしていた。
以下バブル後に日本人のモラルの低下、拝金主義について語った司馬氏のコメント)
司馬氏「(中略)…もう我々が長い間、1000年の間に培ってきたモラルというものも
崩壊するな、と。そうなるとですね、太平洋戦争を起こした日本と、それで負けて
降伏した日本のあの事態よりも、もっと深刻な事態なんじゃないか?と。
昨日の続きで今日も生きている程度の生き方をこれからも続けていったら、もう
じり貧も何も、いつの間にか【日本】という国がなくなってしまうかも分かり
ません。そこまでの事態だと思う。
(中略)
日本人の心の故郷は何時代か?江戸時代の侍社会の節度というものだろう。貧しい事
をむしろ誇りにして、自らを律する。侍というのは自分に対する責任感だけですから。
回復する事は難しいですけど、理想としては、日本人はそれを持ってないと、カッコ悪い
ですよ?我々は何も規範という物が無いんですから。皆さんそれぞれ持ってるんですよ。
そのそれぞれの侍で行かなければ、解釈は人それぞれ違ってても、大体持ってますよ。」(終)