08/07/12 21:54:11.89 o1XRX0BS0 BE:150749142-2BP(3002) 株主優待
東京駅から湾岸沿いを走るJR京葉線で十数分。東京ディズニーランドをすぎ、ほどなくホテルや高層住宅に囲まれた
新浦安駅に着く。
朝、バスロータリーから改札へと向かう出勤の人波に逆らうように、ジーンズをはき、昼食を入れたコンビニ袋をもつ
一群が降り立つ。向かうのは、ロータリーから道路一本隔てた小公園の前の、もう一つの「バス停」だ。次々とやって来
る送迎バスに乗り込んでいく。
バスの行き先が、さながら「派遣の村」だと聞いて、記者も乗った。
50人近くいるだろうか。黙って外を見たり、携帯電話のゲームに没頭したり。前方を見ると、「飲食は禁止。破った
ら即解雇」の注意書きが目に飛び込んできた。
全国の市町村の中で屈指の財政力を誇る千葉県浦安市の中でも、街路樹にヤシの木が並ぶ高級感あふれる住宅街を、
バスは走っていく。10分もたたないうちに風景が一変した。着いたのは、工場や倉庫が立ち並ぶ、通称「鉄鋼団地」の一
角だった。
バス乗り場で知り合った市川市の男性(34)は10年近くこの一帯で働く。いまは、中古パソコンを集めて再び商品
にする大手ショップの倉庫が職場だ。月に何千台と運び込まれる中古品を初期化し、清掃して出荷する。100人近い従
業員の半数が派遣で、20~30歳代が多い。男性はネットで販売する商品を写真に撮り、機種や機能の説明文を打ち込む。
ナットやボルト、薬、お菓子、缶詰……。様々な商品の倉庫を転々としてきた。仕事はいつも、必要な量を集めて運ぶ
だけの単純作業。「誰でもできる。なんの技術も身につかない」。時給は今、1千円。3年かけて150円上がった。残
業していると、ディズニーランド閉園前の恒例の花火の音が聞こえてくる。「もう何年も行っていない。別世界ですね」
毎月の手取りは十数万円。「年金暮らしの両親と実家で同居しているから何とかやっているけど……」と不安を漏らす。
>>2以降に続く