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＜歌舞伎町火災＞真相未解明 遺族、思い複雑
猛煙で４４人の命が奪われた東京・歌舞伎町のビル火災で、ビル所有会社の実質経営者、
瀬川重雄被告（６６）ら５人に２日、東京地裁で有罪判決が言い渡された。悪夢のような
惨事から６年１０カ月。遺族らは出火の真相が分からず「真犯人」がいない判決を複雑な思いで聞いた。
「真犯人を見つけてほしい。真犯人が名乗り出てくることを遺族が願っていることを報道で訴
えていただきたい」。４階の飲食店に姉妹で勤めていた植田愛子さん（当時２６歳）と
彩子さん（同２２歳）を失った母親（５６）は判決後の会見で涙を浮かべて訴えた。
仲の良い姉妹だった。月命日は必ず、火災現場で手を合わせる。昨年の命日には、
置き引きに遭い、遺品のキーケースや財布が入ったカバンを盗まれた。肌身離さず
大切にしていただけに、悔やみきれない。「消防法が変わっても階段に物が
置かれていたりする。まだ事件が生かされていない。悲しい思いだけの新宿に
してほしくない。みんなが行って楽しいと思える場所にしてほしい」と述べた。
火災現場の「明星５６ビル」は０６年に解体され、更地になっている。
土地の所有権も０７年に別の会社に移った。【伊藤一郎、銭場裕司】
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歌舞伎町雑居ビル火災の判決後に涙しながら会見する遺族ら＝東京・霞が関の
司法記者クラブで２００８年７月２日午後０時４８分、馬場理沙撮影
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