08/06/02 11:26:32.13 /nG4wC2+0 BE:263810472-2BP(3001) 株主優待
東京の真ん中、中央区で、20年ほど暮らした2人のホームレスがいた。1人は茅場橋、もう1人は日本橋の上。
それぞれが人形や木彫りのオブジェなどを作りながら道行く人に強い印象を残し、昨年から今年にかけて亡くなっ
た。生前の2人の写真や作品を集めた「路上に咲いた二人展」が、同区の日本橋図書館で5日まで開かれている。
(豊吹雪)
企画したのは2人と交流があったフリーライター香月真理子さん(32)とカメラマン井原淳一さん(38)。
「2人の生きた証しを形にしたかった」という。
香月さんが初めて、茅場橋で「おじい」こと越前政治さんに会ったのは06年4月。布で覆った台に、ペット
ボトルのふたに野草を植えた「世界一小さな鉢植え」や人形をたくさん並べ、コインとチェーンで飾った警察官
の帽子をかぶっていた。
気後れして声をかけそびれたが、1週間後に再び訪ねた。思い切って「売り物ですか」と聞くと、「違う」と
言って造花の黄色と赤のバラをくれた。何度か通ううちに、北海道出身であることや、家族のことを話してくれた。
おじいはアイヌの神様を彫ったこけしやオブジェのほか、どきっとする言葉をたくさん残した。「世界一小さ
な鉢植え」をもらった時、「枯らさないよう大切に育てる」と言うと、「思い詰めるのは良くないよ。最後まで
精いっぱいつきあったから成仏してくれるはずだと、割り切ることも大切よ」。
同じ年の8月、日本橋で布の人形を作っている老人がいると聞いた。早速訪ねると、白いひげをはやした、ど
こか哲学的な表情の「久坊」こと渡辺久義さんがいた。
「人形になんで顔がないか分かる? 国籍も男女の別も年齢も与えたくないから」とぽつり。香月さんは「た
だ者ではない」と思った。
北区の赤羽で生まれたという久坊が、路上で人形を作り始めたのは、東京オリンピックのあった1964年か
らだそうだ。針金を芯に古布を巻きつけて作る。大きいもので体長90センチ、小さいものは40センチほど。
1体100円で路上に並べていると、三越帰りの女性が何人も買っていった。
(略)
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URLリンク(mytown.asahi.com)
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