08/02/29 23:08:07.04 nIX/FplgP BE:1363404678-PLT(12000) ポイント特典 株優プチ(news)
sssp://img.2ch.net/ico/red.gif
URLリンク(skygarden.shogakukan.co.jp)
URLリンク(www.asahi.com)
俺はまだ本気出してないだけ(青野春秋)
主人公はやや小太りの中年シズオ。高校生の娘と父親との三人暮らしで、自分探しのた
めに40歳で会社を退職。思いつきで漫画家を目指すことに決めて、以後は時折漫画を描
きつつファストフードのバイトで食いつなぐ。バイト仲間にはからかい半分で「店長」と
呼ばれ、合コンにいけば若い娘さんに「ちゃんとがんばった方がいいと思いますよ」と説
教される。どうです、イタイでしょう。イタすぎるでしょう。
自分が思うほどに世間から自分が評価されていないことを「自分はまだ本気出してない
だけだから」と言い訳する。もしくは「この俺の価値を分からないなんて、世間の方が馬
鹿なんだぜ」とうそぶく。う~ん、なんか現代の若者像のようだけれど、40歳のシズオ
はすべてそれを地でいくのだ。年齢の近い私としてはシズオが怖くて仕方ない。
真人間らしいシズオの父親のせりふがいちいち胸に響く。「君は何歳まで生きるつもり
なの?(中略)終わっちゃうよ、人生」。そう、本気出さないうちに終わっちゃうよねえ。
「おおふり」(「おおきく振りかぶって」ひぐちアサ)のモモカンだって言っている。「野
球をホントに楽しめるのはホンキで勝とうとする人間だけよ」。そうだよね~ホンキで生
きなくちゃダメだよねえ~~と自らを省みて少々焦る。
(略)
表紙イラストの背中を丸めたシズオの姿が胸に響く。姿勢の悪いくたびれた中年シズオ
のたたずまいが、フリーハンドで描かれた背景とあいまってイタさを倍増させている。シ
ズオの年まであと2年の私。シズオを見て「せめて背筋はまっすぐ伸ばしておこう」くら
いの決意しかできなかったよ。