THE IDOLM@STER アイドルマスター part4at MITEMITETHE IDOLM@STER アイドルマスター part4 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト295:「世界はキラキラ」 3/9 10/02/27 01:01:49 itQLFhRm 饐えた匂いがする部屋。雰囲気作りなのか、薄暗い照明の中。 やたらスプリングがギシギシと鳴るベッドの上で、私たちは不器用に求め合う。 震える手でお互いの服を脱がす。キスをする。手を繋ぐ。 抱きしめ合う。 でも、言葉は交わさない。 ただ、無言のまま繋がり続ける。 ――私たちは別に、恋人同士じゃない。 私も涼も、告白し合って正式にお付き合いをしているわけじゃない。 だからこれは、一種の火遊びのようなもの。 男性アイドルとしてデビューし直し、人気を博している“秋月涼”が……“桜井夢子”とい うぱっとしないアイドルと、ホテルに入っているところを激写でもされたら、大問題になるだ ろう。 だけど涼は黙ってついてきてくれる。そのリスクを抱えてもなお、私が望むままにしてくれ る。 辛そうな顔をしているけれど、とても優しく抱いてくれる。 まるで壊れものを扱っているかのように。 ――私は私を傷つけたくて、涼に代わりにやってもらっているだけの卑怯者なのに。 涼のくれる温もりは、あまりにもあたたかすぎて―― 「……夢子ちゃん、泣いてるの?」 動きを止めて、涼が心配そうにこちらを見た。 私はそれ以上言って欲しくなくて、涼の細い首を強引に抱き寄せて、唇を塞いだ。 涼は、私を抱きしめたままでいてくれた。 * * * 辛いのは、イタズラを受けることじゃない。 一週間経って、私はまたオーディションを受けることになった。 受かれば知名度をぐっとあげられる、そんな大きなオーディションだ。 今日の空は気持ちいいくらいに晴れていたが、相変わらず私の心は曇天だった。 オーディションが行われるテレビ局の前に着く。参加者なのだろう、入り口付近にはアイド ルらしき女性が多数いる。 そんな中、 「涼?」 「夢子ちゃん?」 女性の中に紛れて、ロビーに入ろうとする涼がいた。いつも通りの私服だが、この前の二つ の紙袋を抱えている。 「同じオーディション……なわけないわよね」 「うん。僕はバラエティ番組の収録」 そう言う涼は、どこか憂鬱そうだった。髪をくるくる手で巻きながら、目を伏せている。 「どうかしたの?」 「ううん、別に。お互いがんばろうね」 涼は笑顔を作って、手を振りながらテレビ局に入っていった。 「……変な奴」 何か嫌なことでもあったのだろうか。 まぁ、いい。私も気合いを入れ直さなければ。 涼に会ったことで、少し気分が明るくなっていた。 頑張ろう、と呟いた。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch