10/02/20 02:40:29 FeucrbP6
>>267
なんともまたむずかしいところを・・・w
祖父が亡くなることをきっかけにしたいろいろという意味では以前の「愛の人」と同様の状況ですが
あちらが、祖父と伊織の関わりとその真意でもって祖父から伊織への想いについて語った話という印象なのに対し、
今回はもう一段緩衝を置いて「祖父と真一」を真の目から解釈させることによって「真一と真」を書こうとした
・・・というところでしょうか。
ただ気になったのが、「真が既に活動を終え、真一が一定レベルの理解を示した後」の段階での話であること
これが活動中の「夢を追う娘とそれに異を唱える親」の類型が通用する段階であれば、真一自身について
同じ立場を思い起こさせるという経緯で真の意志を考えさせる契機となったのであろう、的な
よく言えばすっきり収まった悪く言えばいかにもステレオタイプな、しかし「アイマスSSらしいアイマスSS」
となったのだろうと思います。
ところが、真一から真への意識云々については、アイドル活動という視点からのそれはもう既に一旦済んだ話と
なってしまっている。
さらに祖父が真自身にとっては心理的に縁遠い人物であると再三強調することで、作中の真の立ち位置を
おそらくは狙って当事者というよりも比較的醒めた目を持った観察者というものにしている。
つまりはこれ、メインは真でと言いつつもある意味では脇に置き、実質のメインは真一。
その上で彼を軸にした家族像的な方向を掘り下げてみたもののように思えます。
アイドルとそれを取り巻く人々というアイドルマスターの舞台装置とフォーマットは使いつつ
味付けて作り出そうという方向性はあまりアイマス的ではない・・・と言ってしまうと批判めいて聞こえますし
その辺りは自分の考え過ぎかもしれませんが、なんというかむずかしい方へむずかしい方へと攻めていくなあ、とw
物語としての読み応えと技法と情緒は堪能しつつ、そしてまた自分的にはありな方向性でもあるのですが
いろいろあり方を考えさせてみようというようにも感じられ、禅問答の如く、うーん・・・と頭を捻らされる
仕上がりになっている印象ですな。
まあ、もちろんそれはそれで面白いんですけども。