THE IDOLM@STER アイドルマスター part4at MITEMITE
THE IDOLM@STER アイドルマスター part4 - 暇つぶし2ch2:創る名無しに見る名無し
09/11/02 09:16:14 kEHWwkiu
          ┏  ━ゝヽ''人∧━∧从━〆A!゚━┓。
╋┓“〓┃  < ゝ\',冫。’  ,。、_,。、     △│,'´.ゝ'┃.      ●┃┃ ┃
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       ∇  ┠─Σ   ん'ィハハハj'〉 T冫そ '´; ┨'゚,。
          .。冫▽ ,゚' <   ゝ∩^ヮ゚ノ)   乙 /  ≧   ▽
        。 ┃ ◇ Σ  人`rォt、   、'’ │   て く
          ┠─ム┼. f'くん'i〉)   ’ 》┼⊿Ζ┨ ミo'’`
        。、゚`。、     i/    `し'   o。了 、'' × 个o
       ○  ┃    `、,~´+√   ▽ ' ,!ヽ◇ ノ 。o┃
           ┗〆━┷ Z,' /┷━'o/ヾ。┷+\━┛,゛;
話は聞かせてもらいました! つまり皆さんは私が大好きなんですね!!

公式サイト
URLリンク(www.idolmaster.jp)

【アイドル】★THE iDOLM@STERでエロパロ17★【マスター】 (18禁)
スレリンク(eroparo板)
【デュオで】アイドルマスターで百合 その16【トリオで】 (18禁)
スレリンク(lesbian板)
アイドルマスタークロスSSスレ
スレリンク(gsaloon板)
SSとか妄想とかを書き綴るスレ8 (したらば)
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

アイマスUploader(一気投下したい人やイラストなどにご利用ください)
URLリンク(imasupd.ddo.jp)



マナー的ななにか
・エロ/百合/グロは専用スレがあります。そちらへどうぞ。
・投下宣言・終了宣言をすると親切。「これから投下します」「以上です」程度でも充分です。
・「鬱展開」「春閣下」「961美希」などのデリケートな題材は、可能なら事前に提示しましょう。
・上記のとおり一行には最大全角128文字書けますが、比較的多数の人が1行あたり30~50
 文字で手動改行しています。ご参考まで。
・「アドバイスください」「批評バッチコイ」等と書き添えておくと、感想レスがファンモードから
 批評指摘OKの文士酒場モードになります。技術向上に適しますが、転んでも泣かないこと。
・(注:読み手のかたへ)批評OKの作品が来ても大切なのは思いやりですよ、思いやりっ!


3:創る名無しに見る名無し
09/11/02 09:16:39 kEHWwkiu
知っていると便利なSS執筆ひとくちメモ

このスレの1レスあたりの容量制限
・総容量4096バイト(全角約2000文字)
・改行数60行
・1行制限256バイト(全角128文字)

バイバイさるさん規制について
 短時間での連続投下は10レスまで、11レス目はエラーが返され書き込めません。
 アクセスしなおしてIDを変えるか、時間を置いて投下再開してください。
 (検証したところ毎時0分に解除されるという噂はどうやら本当。タイミングはかるべし)

その他の連投規制
 さるさん回避してもtimecount/timeclose規制があります。「板内(他スレを含む)直近
 ○○レス内に、同一IDのレスは○○件まで」(setting.txtでは空欄なので実際の数値は
 現状不明)というもので、同一板で他所のスレがにぎわっていれば気にする必要は
 ありません。とは言え創発は過疎気味の板ですからねーw


4:創る名無しに見る名無し
09/11/02 09:47:24 WTFqLzuA
いちおつ~!
連休だしなんか考えようかねー。

5:創る名無しに見る名無し
09/11/02 11:01:18 WTFqLzuA
……カレンダー上は連休じゃないのかorz
気にさわったらゴメン

6:創る名無しに見る名無し
09/11/02 19:27:38 WTFqLzuA
保守がてら。

ある夜の事務所

「規制ですねー、律子さん。どこにも書き込めませんよ」
「そうですね。でもここは会社ですから仕事してください小鳥さん」
「もう定時過ぎましたし、優先順位あるのは全部終わってますよ。なにしろ仕事くらいしかすることが」
「なにかおっしゃいましたか?」
「なんでもないですよう、冗談じゃないですか」
「冗談じゃないって知ってるから言ってるんですよ」
「律子さんのいけずー。自分だって涼ちゃんに私用メールがんがん打ってるくせに」
「あれは芸能人の先輩として後輩にっ!」
「真ちゃんがその涼ちゃんとスキャンダルになりかけた時、公式掲示板とアイドル板の類焼阻止したの誰でしたっけ」
「うっ」
「律子さんに書き逃げサーバー用意してもらったとは言え、ピヨさん7色の別人文体も多少はお役に」
「はいはいあの時はお世話になりましたっ!ソースなしで961プロの捏造疑惑に結びつける手際には舌を巻きましたよ」
「直接そんなコメントしてないのに、あそこは不思議なインターネットですねー。自分の妄想同士で口ゲンカしてるだけで、誰かが勝手に現場にいる黒井社長の画像とか用意するんだから」
「どういうわけだか激写の30分前の時刻のがね。あれも小鳥さんでしょ」
「どうしてあそこの住人さんはexif情報が残ってると鵜呑みにするんでしょう。不思議でなりません」
「もういいですよ。961もノーコメントで通したから早々に下火になりましたし、後始末も全部終わりましたから。小鳥さん、終わってるなら帰りませんか?」
「そうですね。今日はもうプロデューサーさんたち戻ってこないし」
「そのままお帰りですか?私、今晩両親いないんですけど―」
「えええっ?『今夜は帰りたくないの』ってことですか?き、禁断の花園っ?」
「ぶは?な、なに言ってるんですか、どこかでごはん食べて帰りませんかって言おうとしてただけですっ!」
「わかってますよ、律子さんたらウブなんだからぁん」
「やっぱり帰ります。一人でご飯作って今日のこと全部忘れて寝ます」
「ちょ、ちょっとした冗談じゃないですかぁ、一緒にお食事しましょうよう。エブリデイ孤独のグルメは寂しいんですよう」
「……もう、わかりましたよ。私から誘ったんだし、下のお店でいいですか?」
「わーい、ありがと律子さん♪」
「どうして小鳥さんとお話してるとこうなるんでしょうかね」
「きっと愛し合ってるから……って、うわぁ、いい表情しますねえ。背筋が凍りそうです」
「そうなるって判っててなぜ言うんですか」
「そういうときの律子さん、すっごく可愛いんですもん」
「?!」
「正確には『こうやって切り返した後の』、ね。プロデューサーさんにその顔見せてあげればいいのに」
「は……っ?ど、な、なんであんな人にっ」
「さあさあ、いいからまいりましょうっ、パソコン切って帰りましょうっ」
「はぁ……早く規制解ければいいのに」
「そうなったら大変ですよ?」
「どうしてですか」
「今度は書き込むネタ探さなきゃなりませんし……ああっ?待ってください置いてかないでください律子さーん」

オチないけど泣くもんか。

7:創る名無しに見る名無し
09/11/02 22:50:07 XQy64Vd4
>>1

>>6GJ

むしろそれぞれ別の思惑で炎上阻止すべく緊迫したキータッチバトルを
繰り広げるID:Piyo2xとID:Ellieとか読みたい気がwww

8:創る名無しに見る名無し
09/11/02 23:42:03 28wHh9Xi
スレ立て乙です。職人さん達の作品を楽しく読ませて貰っていたのですがこんな自分にもネタ神様が降臨。早速書き上げようとしたのですが…いきなり詰まったorz
職人さん方、妄想を作品にするためのコツとか注意とかアドバイスいただけませんでしょうか

9:創る名無しに見る名無し
09/11/03 06:41:03 N2yjW2+y
>>1おつー!
そして>>6早速GJ!『小鳥のグルメ』ってpixivにいくつかネタあるけどSSでもあったら楽しそうだ。
>>8
まったくの初書きの方でしょうか?神様がくるなんてウラヤマシス。

1.台本でも会話羅列でも箇条書きでもいいからとにかく「誰と誰がどうしてどうなった」と書いてみる。
2.オチとかテーマとか浮かばなくてもいいからとにかく最終行に『END』と書けば終わる。

初めての方ならこれでよろしいかと。このスレに関して言えば「初心者です」とかの前書きも
許容してもらえると思うし(大半のスレでは『言い訳すんな』と叩かれる)、とにかく前向きな感想が
もらえると思う。
慣れてきたらさらに、

3.書き上げたらその日は充分な栄養と睡眠をとり、翌日以降一度は読み返す。
4.文法や言葉遣いの確認をする。どんなに恥ずかしくてもDELキー押したりしない。

などなさるとよろしい。
現在このスレは即死回避のため各種レス絶賛募集中(30レス未満のまま最新レスから1週間放置
されるとdat落ちする)ですので、疑問などあれば聞いていただくとSS書き養成にも資するし、スレ的
にも助かりますw

10:みなとP ◆bwwrQCbtp.
09/11/03 22:11:19 aiHMlOho
>>1
新スレ祝い!というか、むしろ空気読まずに投下します。
全3レスで「one night before」

11:one night before 1/3
09/11/03 22:12:16 aiHMlOho

「ふう。ごちそうさま」
 ここは、都内某所にある、小さなフレンチレストラン。ここで、今をときめくAランクアイドルが3人・・・
いや、正しく言うと、Aランクアイドルユニットのメンバー3人が、全員揃って食事をしていた。

「・・・ごちそうさま」
 その中の一人、天海春香も、食事を終えた。
 元気はないが、皿の上はすっかり空だった。

「そう言えば、このお店も何度も使わせてもらったわね。私たち三人が、一つのユニットのメンバーとして
ここに来るのも、今日が最後か・・・」
 秋月律子が口を開く。
 この店は、メンバーのもう一人、水瀬伊織の兄がよく使うとのことで、紹介してもらった。店の奥を
仕切って、他の客から見えない様にして個室の様な扱いをしてくれるので、あの水瀬グループの御曹司や
大人気アイドルが来店して食事をするにも、他に気をつかわなくて済むのだ。
「別に三人じゃなくても、いつでも来ればいいのよ。あんたたちも電話番号くらい知ってるでしょ?」
「まあ、そうなんだけどね。今夜くらい、ちょっとは振り返る気分になってもいいんじゃない?」
「甘いわよ。私たちには、まだ明日の解散コンサートが残ってるんだから。これを派手に大成功させないと、
これからのアイドル活動にも影響しちゃうわ。」
「え?・・・これから?」
 それまで黙っていた春香が、驚いた様に視線を上げる。
「でも、私たち、明日で解散しちゃうんだよ?」
「このユニットは確かに明日限りよ。でも、私はアイドル続けるわ。ようやく日本中に、水瀬伊織ちゃんの
名前が知れ渡ったところなんだから、これからじゃない。」
「うん。伊織はそう言うと思った。で、今度はソロ活動にするの?」
「やっぱりソロがいいわね。だいたい、今の私の歌とダンスのレベルに付いて来れるのって、今のウチの
事務所じゃ、まあ律子と春香くらいしかいないし。歌だけなら千早、ダンスだけなら真も相当なものだと
思うけど。」
「おお、伊織も成長したわね。素直に客観的に他人の実力を認めて、分析までするなんて。」
「まあ、昔からわかってたんだけどね。ただ、自分が敵わないかも、と思ったから、素直に認められ
なかっただけよ。」
さすがはAランクアイドルである。今の自分が敵わないとは、微塵も思ってないらしい。
 事実、元々能力の高かった伊織は、人気が出ると共に更なる成長を遂げて、765プロでも間違いなく
トップレベルの実力を持っている。
「そうね。確かに今の伊織とユニットを組ませるには、このメンバー以外じゃ荷が重いわね。もし私が
プロデュースするなら、やっぱりソロか・・・あるいは全く逆にやよい辺りと組ませるか・・・」
「やよいと・・・そ、そうね!この私と組めば、やよいも一人前のアイドルになれるかもしれないわね!
ほら、私とユニット組めば、ちょうど、今の春香みたいに大成長できるかもしれないわ!」
「えっ?私?」
 上の空で聞いていた春香が、いきなり出てきた自分の名前に反応した。
「春香も成長した、ってことよ。あの伊織が認めてるんだから、相当、ね。」
「あの、は余計よ!・・・でもホント、春香も成長したわよね。最初はどうなることかと思ったわ。歌えば
音程は外すし、踊れば転ぶし。」
「立ち位置間違えて、キメのポーズの時に、リボンしかカメラに入ってないこともあったわね。」
「登場の時に転んで、アイドルなのに出オチ、とか司会者に突っ込まれたこともあったわ。」
「・・・うう、ゴメン。」
 全て事実であるだけに、謝る事しか出来ない春香だった。
 それでも、今日の二人はまだ、実例の数も言い方も控えめな方である。


12:one night before 2/3
09/11/03 22:13:13 aiHMlOho

「その春香を、メインに置き続けたんだから、あのプロデューサーもあれで相当なもんよね。」
 プロデューサー、その名前にも春香は、つい反応してしまう。
「うん。それは本当にそう思う。春香の伸びしろとか、性格とか、ちゃんと見えてたのよ。あ、そうそう。
ところで伊織は、春香をメインで行く、って言われた時、不満はなかったの?」
「それは当然あったわよ。だって、歌もダンスも、どう見たって私の方が上手かったんだし。だから、
プロデューサーに文句言ってやったの。そしたら、あいつ、なんて言ったと思う?」
「また、うまいこと誤摩化したんじゃない?」
「ううん、違うわ。『伊織は、メインじゃないと目立てないのか?』って。で、つい言っちゃったのよ。
『そんなわけないじゃない!』ってね。」
「あはは。なるほど。」
「でも、こうも言ってたわ。『伊織がメインだと、後の二人は完全に脇に回ろうとする。三人の内の一人は
それでもいいかもしれないけど、二人共それじゃあユニットとしては面白くない。特に春香は、自分が脇に
回る事で、他の二人よりも実力が劣るままでいいと思ってしまう。そうじゃなくて、伊織が、いつでも
メインを代わってあげるわよ、と言わんばかりに脇に控えている方が、春香には刺激にもなるし、ユニットと
しても面白いと思うんだ。』ですって。」
 この話は、律子も春香も初耳だった。

「・・・それ、結成した頃の話よね?よくもまあ、そこまで三人とも見抜かれたもんね。」
「悔しいけど、今思えば正解よね。実際にユニットとしての個性は出せたし。春香は、しっかり私たち二人を
脇にして、メインに立てるほどになったわけだし。」
「わ、私はそんな・・・ただ、プロデューサーさんの言う通りにやってきただけで・・・」
「はいはい、謙遜しなくていいから。現に、今日のリハーサルだって、これだけの低テンションで、
しっかり歌もダンスも私たちと合わせてたじゃないの。」
「そうよ。この伊織ちゃんを脇に置ける実力を持ってるのは、世界広しと言えども、あんたたちだけ、
春香と律子だけしかいないわ。」
「だから、春香も自信を持って。この先もアイドル続けて行くんでしょ?」
「私は・・・まだ・・・」
「どうせ春香は、あのプロデューサー以外とアイドル活動することが、想像できない、とか言うんでしょ。」
「・・・うん。」
「まったく。確かにプロデューサーとしての能力は認めるけど、あんな無神経な唐変木のこと、どうしたら
そこまで好きになれるのかしら。」
「えええええ?そ、そそそそそそんなんじゃなくて、わ、わわわわたわたわたしはべべべべつに」
「ほらほら。そんなに慌てないの。今さら隠さなくても、みんなとっくに気付いてるわよ。」
「み、みんな?も、もしかして・・・プロデューサーさんも?」
「それなら、安心していいわ。世界中の誰もが気付いていたとしても、あの無神経のすっとこどっこいだけは
絶対に気付いてないから。」
「うーん。でもそれって、安心していいのかな?」
 律子はそう言うが、春香はやっぱり安心した。
 でも、同時にほんの少しだけ、がっかりした気もする。
「どころで、律子さんは、これからは、どうするつもり?」
 純粋な興味と、話題を逸らす意味も多少含めて聞いてみた。
「私?私は、元々アイドル志望だったわけじゃないし、今後は違う道を行こうと思って。」
「違う道って?」
「先々は自分で事務所をやりたいと思うんだけどね。まずは、プロデューサーになろうかな、と。実は、
その時には、伊織をプロデュースさせてもらえないか、社長に頼むつもりなの。」
「ええっ!?そんなのお断り・・・と、言いたいところだけど、案外いいかもしれないわね。お互いに
手の内も実力も、よーくわかってるし。」
「でしょう?新たにプロデューサー付けるよりは、よほど事務所にとってもメリットあると思う。二人の
知名度や話題性も、充分に生かせるわけだし。」
(みんな、これからのこと、もう考えてるんだ・・・)
 春香は驚いた。しかし、考えてみれば、当然なんだろう。もう解散は明日に迫っている。その先の事も
決めなければいけないし、前へ進むなら、今の勢いがある内に、進める所まで進んでおくべきなのだ。
(でも、私は・・・)
 また、ある一点で思考が停止する。
(明日のことも、考えられない・・・考えたくない・・・)
 プロデューサーさんとの、最後の活動。その後は、プロデューサーさんは自分のプロデューサーでは
なくなってしまう。
(明日が来るのが、怖い・・・)


13:one night before 3/3
09/11/03 22:14:20 aiHMlOho

「それじゃあ、お疲れさまでした。」

 タクシーの窓を開けて、春香が挨拶をする。
「おつかれ。ちゃんと明日に備えてしっかり寝るのよ。」
「明日のステージの時も、そんなしけた態度だったら、承知しないわよ。」

 春香は無言で頷いた。
 動き出したタクシーに、残った二人は軽く手を振った。

「なによ。せっかくこの私が、励ましてあげたって言うのに。結局あのままなんだから。」
「まあ、こんなもんかな。後はプロデューサーにまかせましょ。プロデューサー、春香のテンションを
上げる事に関しては、天才的に上手いから。」
律子はそう言って、携帯を開いて伊織に見せた。
「なに?メール?」

 from:プロデューサー
 title:春香のテンションだけど
main:明日のステージ、大丈夫そうかな?

「ちょうど、ついさっき来たの。まるでどこかから見ていたみたいにね。」
「それだから、春香も勘違いして舞い上がっちゃうわけよね。」
「まあでも、誰かにこれだけ気にしてもらえる、って言うのは、嬉しい事だろうと思う。」
「それに引き換え、後の二人のことは、まるっきり放置状態だったんだから。」
「ホント、手がかからないのをいいことに、まるで眼中になかったみたい。でも、きっとあのプロデューサー
は、それでも大丈夫って確信があったんじゃないかな。」
「それも頭に来るのよね。何もかも見透かされてるみたいで。」
「伊織は、24時間ずっと伊織の事だけを考えてる人が、お望みみたいね。」
「プロデューサーとして?」
「それもあるけど。男の人の好みも、そうなんじゃない?」
「うーん・・・まあ、そうね。いつも私の事を考えていて、何でも私の言う事を聞いて、そして当然、
この私に釣り合うくらい、バリバリ仕事の出来る人間じゃないとダメね。」
「ハードル高そうね。」
 律子はそう言って笑った。
「つまり、あのプロデューサーが、いつも伊織の事を考えて、伊織の言う事を聞く、と言うくらいか。」
「なんであいつなのよ!だいたい、あいつが私の言う事を素直に聞くと思う?」
「意外と、専属になれば聞きそうな気がするなあ。」
「それでも、あんなオタンコナスのニブチンじゃあ、話にならないわ!あいつ、気が利かないもの。私だけ
じゃなく、律子や春香にだってそうじゃない。」
「確かに、ね。私はともかく、春香に対しても、一番肝心なところに気がついてないくらいだからねえ。」
「鈍いもの同士、お似合いだとは思うけどね。」
「しかし、上手く行くかどうか、と言うと話は別よね。あのプロデューサーの事だから、大事なところで
地雷踏んづけたりしそうな気がする。」
「ま、それもいいんじゃない?春香の頭の中は、もう差し迫った明日のことしかないだろうけど、今すぐに
どうこうしなきゃならない問題でもないんだし。」
「それに気付いてれば、最初っからあんなテンションにもならずに済んでるって。」
「そう気付かせるために、わざわざ私たちのこれからの話とかしたのに。とにかく、こうなったら他人が何を
言ってもムダよ。」
「まあ、それもそうね。」
 律子はそう言って、メールを打ち始めた。

 to:プロデューサー
 title:Re:春香のテンションだけど
 main:うーん。かなりヤバいですね。私たち二人じゃどうにも出来ないくらいです。
     明日、ちゃんと励ましてあげて下さい。いつもの誤摩化しじゃあダメですよ!


/Fin

14:みなとP ◆bwwrQCbtp.
09/11/03 22:20:00 aiHMlOho

どうも。
一応、感じとしてはユニット内コミュ補完SSです。
さて、律子からのメールを受け取ったプロデューサーは、

「・・・律子にはかなわないな」
と苦笑する敏腕Pか
それとも「い、いや、俺は、べ別にいつも誤摩化したりなんかしてないぞ!」
と言い訳するPか
はたまた「誤摩化し・・・?俺、何か誤摩化したっけ?あ、あれか?どさくさに紛れて春香の胸を触った時か?!」
と見当外れなナチュラルPか

その辺が気になります。
そして、春香の恋の行方は・・・って、それはいつもの通りなんですが(ぉぃ

15:創る名無しに見る名無し
09/11/03 23:00:06 BCA40P1W
>>8で泣き言ほざいたものでございます(礼
>>9さんのアドバイスに励まされ一念発起で一本かいてみました。
正直初心者どころかこれが初作品になりますのでお見苦しい点等々ありますでしょうが
読んでいただければ幸いです
それでは2レスほどお借りいたします


16:創る名無しに見る名無し
09/11/03 23:04:04 BCA40P1W
 第一回IU優勝のタイトルを手に単身渡米して三年、撤退と言われない程度の結果を残し
成人式を日本で迎える為帰国した千早を待っていたのはかつてのパートナーは既に事務所
を退職しているという事実だった。
 事務所に彼の退職の理由を尋ねてみても「一身上の都合」以上の返答は得られず、彼の
元の住まいは既に引き払われたあと。これではもうひとつの帰国の目的が果たせない。

(私はきっちり三年で結果を見せた。あなたの心配が杞憂であったことを証明して見せた。
なのにあなたはいったい何をしているのですか?プロデューサー…)

 そう、今の千早には日本の成人式に参加するという世間様向けの目的の他にもうひとつ
目的があった。それは三年前のパートナーに自身の間違いを認めさせ、彼を伴い再び渡米
すること。
 今の自分ならアメリカでの活動基盤もあるし、日常会話程度の英語力も身につけた。
ビジネス上での風習も覚えたし、あまり上品とはいえない言葉についても知らなければ命
(や貞操)の危機に直結しかねない言葉だけは(覚えたくもなかったが)覚えた。
 向こうで手に入る品物をベースにした生活スキルだって身につけた。
 学歴だけはどうしようもないが歌歌いとして生きていくのだからなくたってどうにでも
なる。もし必要になればそのときには検定制度などを活用すれば良いだけの話だ。
 つまり、あの夜に彼が挙げた「海外進出に反対する理由」はすべてクリアした
のだ。今度こそ彼と共に本当の海外挑戦が始まるはずだったのだ。
 しかし、肝心のパートナーは一言の相談もなく既に退職。千早の心中は正直穏やかでは
なかった。


 帰国から一週間後。成人式に駆けつけてくれた音無小鳥から(元)プロデューサーが今
何をしてるか教えてもらった千早は彼の母校であるという大学の講堂、でいいのだろうか
?雛壇付の多目的施設の入り口に立っていた、晴れ着のままで。
 すさまじく目立っているのだが、千早本人にそんなことにまで気を配っていられるほど
の余裕はなかった。
 ここにプロデューサーがいる。顔を見たらまず一発ひっぱたいてやろう。言い訳を聞く
のはそれからだ。私が必死で、一人で頑張って結果を出してる間にあの人は勝手に仕事を
やめて、何の連絡もよこさずにいたのだ。むしろそれぐらいで許してあげる私の寛大さに
感謝するべきだ。そんなことを考えつつ、気合をひとつ入れて千早は施設の玄関をくぐる
 
 玄関をくぐった千早を迎えたのはステージの熱気だった。いや、正確には違うものなの
だが千早はそう錯覚した。建物の中の舞台で行われていた稽古はそれほどに熱を帯びたも
のだったのだ。そして、その舞台の下。舞台全体が見渡せるところでパイプ椅子から身を
乗り出し声を上げているあの後姿は…
「プロデューサー!!」
 千早は思わず声を上げていた。本来芸に生きるものとしてはやってはいけないことなの
だが、わかっていても自分を抑えられなかった。
 しかし、彼は振り返らなかった。それどころか千早の声にぴくりとも反応しなかった。
いかに舞台に集中していたとしてもありえない。現に舞台の上の役者さんたちの動きは
止まってる、裏方さんたちも何事かと手を止めている
「こら!通し稽古の最中に集中をきるな!!お前ら本番まで後何回も通しなんかできない
んだぞ!それとももう自分の指導など必要ないところまで今度の演目極めたか!?」
 パイプ椅子に座りなおした彼だけが何事もないように稽古を続けろと激を飛ばしている
のだ。もはや、私の声には反応する価値すらないということなのだろうか?千早の心に暗
い雲がかかり始める。
(もう、帰ろう…)
 諦めと共に千早は踵を返し、講堂を去ろうとする。その時
「千早、千早か?」
 たった今諦めたばかりの、一番聞きたかった声が聞こえた。反射的に千早は振り返る。
そこにいたのは、確かにかつてのパートナーだった。三年間、逢いたくて仕方がなかった
人だった。髪の毛は白くなってしまい、30代とは思えないほど顔にも深い皺が刻まれて
いたが、間違いなくそこにいたのは三年前の千早のプロデューサーだった。


17:創る名無しに見る名無し
09/11/03 23:05:41 BCA40P1W
「プロデューサー…どうなさったんですか?その姿は」
 思わずたずねる千早に彼は「いろいろあったんだ」と、曖昧な笑みを浮かべながら答え
なおも食い下がろうとする千早に「稽古の後、落ち着いて話そう。後、僕はもうプロデュ
ーサじゃないよ」と告げ、再び舞台の下へと戻っていった。


 舞台稽古はそれから二時間後に終わり、千早と(元)プロデューサーは大学近くの喫茶
店にいた。本来場違いなはずの千早の服装も大学近くという店の立地と成人式当日の午後
という条件のおかげで極端に目を引くことはなかった。ここ三年の活動が海外限定だった
のも幸いしたのかもしれない。
「で、『世界の歌姫』がなんで今ここにいるんだい?僕の記憶では日本の舞台では狭すぎ
ると単身渡米したはずなんだが」
「意地の悪い言い方はやめてください。私も今年で成人ですから成人式くらいは生まれた
国で迎えたかった。それだけです」
 湯気の立つコーヒーが運ばれてくると、千早はそのまま口をつける。対するプロデュー
サーといえば見ているだけで胸焼けがしそうなほど砂糖をぶち込み、「つかわないならも
らうぞ?」と千早の答えを聞きもしないで二人分のクリームをまとめてぶち込む。そこま
でしてなお少し苦そうな顔をしながらもはやコーヒーと呼べない代物に口をつける彼を見
てそこまでするくらいなら最初からカフェオレを頼むなり、他のものを頼むなりすれば良
いのにと千早はおもう。
「それよりもプロデューサーのほうこそどうなさったのですか?帰国してみれば事務所は
辞められてるし、大学の演劇部の指導なんて…なぜですか!?」
「なんて、という言い方はよくない。彼らは学業の合間とはいえ真剣に舞台に取り組んで
るんだ。もちろん僕もね。それに千早自身も言ってるように僕はもう765の人間じゃない、
プロデューサーではないんだよ、僕はもう、ね」
 どうやらあれでも砂糖が足りなかったらしい彼はさらにスプーン山盛り一杯の砂糖をコ
ーヒー(だったもの)に投入しながら答える。
「私にとっては今でもあなたはプロデューサーです。それに勝手に辞められては困ります。
私はあなたの挙げた『私が海外に出るには早すぎる理由』を克服してきたんです。そして
結果も出してきました。私はあなたを迎えに日本に帰ってきたんです」
 千早はまっすぐに彼を見つめ、宣言する。異議は認めない、だって私は結果を出して力
を証明して見せたのだから。強い意志を込め彼をみつめる。
「過剰な評価痛み入るけど、僕には君のプロデュースはもうできない。いや、もうプロデ
ュース自体が出来ない。千早と別れてからの三年、僕も僕なりにプロデューサーとして頑
張ってきた。その結果が三年連続でのIU予選落ち、それも早い段階での、ね。業界内での
評判も最悪。『如月千早に寄生していたコバンザメ』『新人破壊屋』これが辞める直前の
僕の業界内での評価だよ。国内でも海外でも僕を連れているメリットはどこにもない」
「そんなの、もう一度結果さえ出せば!それに事務所を辞める必要だってないじゃないで
すか!」
「高木社長はこんな僕でも765にいても良いって言ってくれたよ、確かにね。でもアイドル
は任せられない。社史編纂として、だけどね。僕はそんなのはごめんだし、僕に潰された
アイドルの子のなかにも候補生としてもう一度勉強しなおしてる子だっている。彼女達に
とって僕は疫病神でしかない。顔も見たくない存在だろう?彼女達のためにも僕は765にい
るべきじゃないんだ」
 静かにそう告げる彼に千早は理解できないと首を振る。


18:創る名無しに見る名無し
09/11/03 23:08:37 BCA40P1W
「僕はね、少しでも芸の世界にふれて生きていきたいんだ。だから、765を辞めた。千早に
はこの気持ちは理解してもらえるとおもってるんだけどな」
「気持ちは理解できても、行動が納得できません。なぜ、私じゃいけないんですか?なぜ
私が帰ってくるまで待っててくれなかったんですか!?」
 感極まって泣きながら叫ぶ千早の前に彼は使い込まれたハンカチを差し出す。そしてそ
のまま伝票を持って席を立った。
「久しぶりに顔が見れてうれしかった。わざわざ訪ねてくれてありがとうな。元気で、体
壊さない程度に頑張れ。僕はここから応援してるよ」
 店を出ようとする彼を引きとめようとあわてて立ち上がろうとする千早だがなれない晴
れ着でおもうように動けない。慌てれば慌てるほどに動作は遅れ、そうこうしている内に
彼は夕暮れの町の喧騒へと消えていく。残された千早はただ、彼の残したハンカチを握り
締める以外になすすべはなかった。

 こうしてあまり幸福とはいえない再会を果たした二人が、再び立場をかえIUの舞台で敵
味方として合間見えることになるのだが、それはまた、別のお話。


19:創る名無しに見る名無し
09/11/03 23:17:43 BCA40P1W
以上です。すいません勘定間違えてました。3レスお借りしました。
正直稚拙な文章で申し訳なく…(汗
気をつけたほうがよい点などご指摘ありましたら(できればへこまない程度に)
アドバイスなどいただけるとうれしいです。
あと、今回の投稿分は今自分の中に降りてきてた話の一部をぶった切って
何とか形にしたものです。せっかくなんでなんとか全部形にしたいとはお
もってるのですがこの手の話はこちらで発表させてもらっても大丈夫なも
んでしょうか?
そのあたりも含めてご意見ご感想いただければ幸いです
では、お目汚し失礼しました(礼

20:創る名無しに見る名無し
09/11/04 04:52:18 nVg85o3F
うめうめしてる間に新作が来てるとは……
作品とは関係ないが、メ欄は別に書かなくていいと思う

21:創る名無しに見る名無し
09/11/04 21:40:36 Rweabf9q
>>14
2人ほっぽって春香コミュ選択しまくりなくせにナチュラルPなんだろこのPw

>>19
ちーちゃん殴る決意固めてたのにいきなり帰ろうとするなw
ソフトにいってみる。
一部分とかせずに全部書き上げてから投下したほうがいいよ

22:創る名無しに見る名無し
09/11/04 23:01:11 5JbaNG2e
>>19
まずは2ちゃんねるに書き込む時のルールを学びましょう
もっと2ちゃんねるに慣れましょう
「半年ROMれ」

んで内容だけど、「この話は続きがあるんです!」という後書きは自分はあまり好きではない
続きがあるならさっさと書いて投稿しろ!と思うので…
続きを投稿する時に○スレの続きですって投稿すればいいこと

あと()の多さが気になった。()使いすぎると読むのにつっかかってしまう
もっと()を減らしたほうが効果的になると思う

一部を切り出したにしても説明不足なとこが多いのでさっさと続きを書いてくださいw
()の多さを除けば読みやすかったし次を楽しみにしています

23:創る名無しに見る名無し
09/11/05 02:30:05 FWlNT1Bj
>>19
文章技術的な面では大きな問題は感じませんでした。
後は書き慣れです。

作品構成的な面でひとつ考えてほしいことは、
「読者は一度の投稿分しか読むことができない」ということ。
ティンと来た書き手の脳内では大河ドラマもかくやという大長編が描かれていても
物理的に投稿できる量は限られていて、そして読者はその限られた一回分で評価するしかない。
読んだ手間、時間に見合った面白さを読者に提供できなかったら評価は辛めになっちゃいますし
「続きがあるから今回は勘弁」で許してくれる読者もあまり居ないと思います。

一度の投稿分だけで作品として成立し、かつ作者の頭の中の大河物語をちょっとずつ展開させていく……
言うは易いが行うは難しいの典型みたいな注文ですけど、
こなれた文章、かつ背後にきっちり出来上がったストーリーを感じるがゆえの厳しい要求ですw
そういうわけで、続きを心よりお待ちしております。

24:創る名無しに見る名無し
09/11/05 03:27:35 dEHYbdPu
>>14
春香がPさん好き好きすぎていいですな。この状況でファイナルコンサートを迎えるのかー。
デュオのサブやらトリオの2&3がラストコンサートのときどうしてるか、何考えてるか、って
いろいろ深いですよね。人間的に成長してる律子と伊織は実に良い「サポートメンバー」に
なっています。
この後春香エンドに繋がってるかと思うと落涙を禁じえませんが(つд`)



>>19
唆した>>9でございますが……書き慣れてるやんw ほんとに初心者ですかこの筆致。
評価してる皆さんはあなたを初心者だと思ってない。
「メール欄に律儀にメールアドレスを記入する」「40文字改行」あたり、SSと言うより
2ちゃんねるのご経験が浅い?半年とは言いませんが、毛色の異なるスレッドをいくつか
巡回し、明文化されていないルールを読み取っていただく必要はありそうです。

ただ、個人的にはよく書いてくださいました、と申し上げます。ドロップアウトしたP、という
題材はとても興味がありますし、「アイドルのもとPがライバルのPとして立ちふさがる」
というシチュエーションは大好物です。
少々読者置いてきぼり気味の文体や地の文重視の書き筋はカンペキ好みですし、
もし俺のレスどおりに「終わってないけど終わらせた」のならその勇気にも乾杯。これが
できずに作品投下に踏み込めない人は多いのです。
国語的な完成度も高いのでこのレベルが維持できるならいい作品が完成しそうです。
感想が厳し目なのは腕を買われたとでも思って、続編でも別作品でもぜひお取り組み
ください。楽しみにしています。

……いやホントに台本形式のすっごいのが来るかもぐらいに覚悟してたんですってば。

25:創る名無しに見る名無し
09/11/05 18:24:42 gR26r1rD
早速の感想ありがとうございます。
>>20
メール欄埋めなくてよかったんですね、今回からはずしました。
ご指摘ありがとうございます。
>>21
自分で頭空っぽにして読み直してみました。
確かにいきなり帰ろうとしてるようにしか見えないです。地の文での
説明不足ですね。ご指摘ありがとうございました。
全部書き上げてからというのが本来の形なのでしょうけど多分自分の
場合、完成してないを言い訳に踏み出せないような気がしたので今回
投下させていただきました。
このコメント自体がいい訳くさいのですが(汗
>>22
2ちゃんねるに慣れる、ルールを覚える。なんか大事なことをすっとばして
勢いで飛び込んでしまったようです。いまさらながら調べております(礼
文章に対するご指摘、連作になるときのやり方などありがとうございました。
いっぺんに書こうとすると多分自分がパニックになるか砕けるかになりそう
なのでコメントいただいた○の続きですの形で何とか続きを書いてみようと
おもっています。
>>23
ご指摘ありがとうございます。
言い訳がましいコメントで甘えていたなと痛感しております。
確かに読み手としてみると「続きがあるから」はあまり良い
気分ではないですね。反省します
作品として成立する話の密度とかこれから学んでいかなければ
ならないのでお見苦しいところもあるとおもいますが、次の作品
にもお付き合いいただければ幸いです
>>24
ありがとうございます。あなたのおかげで最初の一歩はなんとか
踏み出せました。礼儀知らずというところで盛大にスッコロンだ
感は否めませんが(汗
ただ、本当にSS書いたのはこれが初めてなんでなんか初心者と
おもわれていないというのは嬉しいやら空恐ろしいやらなんですが

何とか続きを書きたいとはおもっているので投下した際にはまた
ご指摘等いただければとおもっております
今回は感想に対するお礼とお返しの言葉までで失礼します

26:創る名無しに見る名無し
09/11/05 19:27:16 fF3mBbNJ
なんか出遅れた気もしますが。

>>19
短編として見た場合、充分に読める出来だと思います。
ただ、長編の一部になる可能性もあるとのことなので、気付いた点を。

全体に、千早の物語だからと言っても、ちょっと平坦な感じがしました。
もう少し、文章そのものに起伏が欲しいと思います。
特に、長編となった場合、これが見せ場になると思われますから、
他の部分との差別化の意味も含めて、変化が欲しいです。

たとえば、冒頭からもっと華々しい千早の帰国シーンを描いて、
その後で千早がPのことを知って雰囲気が暗転する、とか。
あと、ラストのところで、追いかけようとした千早が、
慣れない草履が仇で、派手に転んでしまうとか、
さらに、その転んだ音に、Pが一瞬振り返って目が合うが、
そのまま行ってしまう(もしくは振り返りもせずに行ってしまう)とか
もう一押し、転んだ拍子に鼻緒が切れて後を追えない、とか。
そこまで行くと過剰気味ですけど、そんなドラマチックな演出が欲しいかな、と。

このままで長編になると、上記の平坦さが気になりそうな気がしました。
(もちろん、淡々とした語りで読ませる手法もありますが。)

文章自体は、読んでいて詰まるところもなく、素直に読めました。
ストーリーも興味をそそられます。
次回作になるか、長編化になるか、いずれにせよ、待ってます。

27:創る名無しに見る名無し
09/11/05 20:49:39 VVcayhQ+
>千早の物語だからと言っても、ちょっと平坦な感じがしました

この一文を、千早の物語だから平坦な感じと読んでしまった…
ゴメンよ千早、わざとじゃないんです…

……横レス、お目汚し失礼しました

28:島原薫 ◆DqcSfilCKg
09/11/06 14:50:25 fp8Pl5L8
前作へのご感想、まことにありがとうございました。島原薫です。
やっとDSもクリアして、これからどのように扱っていくのか、自分でも楽しみです。
早速ですが、尾崎PのSSを投下させていただきます。
タイトルは「partiality」。使用レスは3レス。
DSのネタばれと、漫画版アイマスrerelationsのキャラが出ております。ご注意ください。
投下後終了宣言+前作レスへのお返しです。

29:島原薫 ◆DqcSfilCKg
09/11/06 14:51:52 fp8Pl5L8

本番のステージへと駆けていく絵理の後ろ姿を、いまだ震える体をおさえつけながら見送る。
あまりにも大きい賭けに勝った見返りは喜びよりも先に、二度と勘弁願いたいという安堵感だった。
スーパースター、星井美希の姿はもう無く、彼女のプロデューサーだけが絵理のステージを観察している。
その怜悧な瞳はさすが、いくつもの事務所を渡り歩いただけあって鋭い。絵理のステージングよりもそちらに目がいってしまっていた私に気づいたのか、"彼女"はゆっくりと近づいてきた。

おめでとうございます。

星井美希のプロデューサー、藪下幸恵Pは先ほどの表情とは打って変わって、柔和な笑顔で手を差し出してきた。
負けたというのに随分と余裕で。
皮肉の一つでも言ってやろうかと思ったが、ここでは自分達が官軍。安っぽい真似はしたくない。

「ありがとうございます。まさか星井美希と戦えるなんて、光栄です」

プロデューサー同士の握手などという、口約束よりも薄っぺらいそれを滞りなく済ませる。
むしろ周囲のスタッフの方が緊張したであろう場面が過ぎると、「面白い子ね」と、藪下Pの方から切り出してきた。視線の先は絵理。
本意はどうあれ、自分のアイドルが褒められるのは単純に嬉しかった。
彼女は絵理の一挙手一投足を逃すまいと集中しているのか、たまに体を傾けてはマジマジとステージを眺めている。その姿はまるで、ただの絵理のファンにも思えた。

「ネットアイドルのクイーン、ELLIEでしょ? どうやって岩屋の外に連れ出したんです?」
「無理矢理引っ張り出した具合です。よく絵理をご存知で」
「それはもう。ウチもスカウトを考えたんですが、どうにもアナログな人が多くて」

天才、如月千早に匹敵するとまで言われた佐野美心があっさりと引退して、そのプロデューサーであった藪下女史もDNAプロから765プロへと鞍替えしたのは業界では結構な話題となった。


30:「partiality」(2/3) ◆DqcSfilCKg
09/11/06 14:53:01 fp8Pl5L8

今や961プロと並ぶ大手芸能事務所に移った彼女の担当アイドルが星井美希だと報じられた瞬間、いったい幾人のプロデューサーが肩を落としたか。
その可憐な外見とは裏腹に豪腕とまで称される手腕はあっという間に美希を一流アイドルまで押し上げた。美希のずば抜けた才能あってこそなのだが、あの才能を過不足無く支える実力は健在というわけだ。
なによりアイドルが好きで好きで仕方ない、という姿勢は私も見習うところであり、尊敬すべきところだ。
あーカワイー、と臆面も無く他事務所のアイドルを褒めちぎる藪下Pに、今度は私の方から口を開く。

「いいんですか? 星井美希を放っておいて」

ああ、と絵理から視線を外さずに返す藪下さん。
ほんの一瞬、殺気にも似た何かが彼女から感じられて、半歩後ずさる。

「負けて欲しかったので」

え? と素っ頓狂な声をあげる私など意に介さず、彼女は絵理に夢中なまま続けた。

「あの子って何も考えないまま、ステージにあがるでしょう? 今のランクならともかく、IUとなると話が違ってきますから」

なるほど。
絵理と星井美希はお互いにビジュアルを武器にしながらも、その戦略はほとんど正反対と言っても良いアイドル。
考えて戦う術を彼女にも、といったところだろう。
いわば絵理はそれを気づかせるための踏み台。癪に障るが、こちらはIUにも無条件で出れるほどのアイドルを打ち負かした実績を得た。
それでもまあ、仕返しくらいはしておこう。つくづく私は大人気ない大人だ。

「ですが、星井美希が考えて、なんて出来るでしょうか? むしろ彼女の魅力を妨げてしまうのでは?」

勝ってしまえばこちらのもの。
スラスラと出てくる文言に、やっと藪下Pがこちらを向いたかと思えば「そうね」とそっけなく返された。
どうにも手玉に取られているような感覚を覚え、気持ち悪い。
絵理のステージも終盤を迎え、それでも視線の熱を緩めようとしない藪下Pは勝者へのご褒美なのか、私の質問に答えた。

「尾崎さんの言うとおり、美希にステージの最中に細かいことを考える能力はないわ。だから、どんな小細工を弄されようがビクともしない腕力を彼女に求めているの」
「腕力、ですか」
「そ。アイドルをこう言うのも変だけど、私は美希に横綱相撲をして貰いたいの。勝つべくして勝つ。伝説のアイドル、日高舞のようにね」


31:「partiality」(3/3) ◆DqcSfilCKg
09/11/06 14:54:43 fp8Pl5L8

息を飲む。
今後、いかなる才能が現れようと比肩しうるアイドルなんて出てこないであろう伝説を彼女は再現しようと言っている。
なにより私よりも小柄な体からは、その伝説すら越えんかという気概に溢れていた。
だからこその豪腕、藪下幸恵なのか。
言葉を失う私をよそに、ステージでは踊り終えた絵理がチラリと、スタッフに頭を下げながら視線をこちらに送ってくる。
慌てて自分を、プロデューサーに戻していく。

「いやぁー、可愛かったわ絵理ちゃん。今度、出来ればサインとか貰えます?」

振り返った藪下Pは、それこそもう絵理のファンになっていた。
サインも何も、こちらに近づいてくる絵理に話しかけることだって出来るのに。
いつまでたっても、ブラウン管の外の視線を持っていることもまた、私には勉強になった。

「ああそうそう。一つ、先輩から忠告ね」

勝利を労い、先に絵理を控え室へと向かわせると、最後に藪下Pが声をかけてくる。
これからまた、この人のアイドルと戦わなければならない。
その覚悟にはもう少し時間を要するが、身構える私に彼女は最後の最後、爆弾を投げつけてきた。

「アナタは早くお人形遊びをやめないとね。rioraのレイコさん」

急激に頭が、体が冷えていくのがわかった。
この人もまた、やはり私の敵だった。冷める思考の中、私は私の大事な絵理の元へと急いだ。



おわり


32:島原薫 ◆DqcSfilCKg
09/11/06 14:55:25 fp8Pl5L8
投下終了です。以下、前作へのレス返しです。

>>365
今回は意識的に文体を変えたのですが、上手く作用していたようで安心しました。ご感想、ありがとうございます。

>>366
シニカルなものは個人的にも好きなのですが、アイマスの場合は、題材が題材なだけに扱いが難しいので普段は抑えております。
なかなか受けるかどうか判断がつかず不安だったのですが、そう言っていただき、感謝しております。

>>367
コメディである以上、こういった言い回しにはいつも以上に気を遣いますね。
普段からコメディを書かれている方はスゴイな、と思います。

>>368
出来るだけ、キャラの範疇でコミカルに、となるとやはり難しいですね。
最近は百合に寄った作品を書いているせいか、ついついアイドル同士の距離を近づけ過ぎるのですが、これぐらいで済んでよかったです。

>>381
先述しましたが、コミカルなものは色んなところに気を使うので、普段はあまり使わない文体だったりします。
楽しんで頂けたようでなによりです。
タイトルに関してはもう、私のセンスの問題となっておりまして、精進いたします。


新しい書き手の方も出てこられまして、楽しくやっていきたいですね。
それでは長々と失礼しました。今後ともよろしくお願いいたします。

33:創る名無しに見る名無し
09/11/06 18:07:15 7JmsO0kx
俺がこのオザリンだったら確実にちびってる
自分以外全員天災もとい天才な中に放り込まれて戦わざるを得ない
そんな不運に涙する

がんばれこのオザリン

34:創る名無しに見る名無し
09/11/07 13:30:16 WSk3SQVk
>>32
相変わらず、人の部妙な所に踏み込むのがお好きな様でw
今回は、また鋭く踏み込むキャラと踏み込まれるキャラの選定が見事ですね。
文体や言葉の使い方も、こういう擦れた大人キャラにぴったりです。
読んでいてニヤけながら興奮する感じを受けました。
面白かったです。
こういう言い方はある意味失礼かもしれませんが、これまでの発表作中で最高です。

しかし、これが実際にあったと考えると、オザリン失踪したくなる気持ちもよくわかるなw

35:創る名無しに見る名無し
09/11/07 14:01:50 WSk3SQVk
おっと、ひとつ言い忘れた。

>>27
私、>>26ですが、もちろんあなたの解釈した通りの意味で言ってます。
ご安心くださいw


おや?こんな休日に、誰か来たかな?

36:創る名無しに見る名無し
09/11/08 02:59:44 qhVeyma0
THE IDOLM@STER アイドルマスター part3 もくじ

前スレdat
URLリンク(imasupd.ddo.jp)

~~~~~前スレ目次~~~~~

006 あなたと、ずっと、一緒に 雨晴P
    スレリンク(mitemite板:6番)
015 ねんぷちのつ・ぶ・や・き
    スレリンク(mitemite板:15番)
    <レス>
    スレリンク(mitemite板:25番)
    スレリンク(mitemite板:37番)
    スレリンク(mitemite板:50番)
022 cicada 島原薫P
    スレリンク(mitemite板:22番)
027 【fairyt@le】ねずみの嫁入り レシP
    スレリンク(mitemite板:27番)
035 【fairyt@le】北風と太陽 寓話P
    スレリンク(mitemite板:35番)
042 無題 名無しP
    スレリンク(mitemite板:42番)
052 LIVE FOR ...  名無しP
    スレリンク(mitemite板:52番)
060 無題 名無しP
    スレリンク(mitemite板:60番)
064 合戦時報 寓話P
    スレリンク(mitemite板:64番)
076 ある日の風景ABC 名無しP
    スレリンク(mitemite板:76番)
080 placebo レシP
    スレリンク(mitemite板:80番)
086 青春ミンミキミキミキ 島原薫P
    スレリンク(mitemite板:86番)
097 無題 96P
    スレリンク(mitemite板:97番)
132 おひさま 島原薫P
    スレリンク(mitemite板:132番)

37:創る名無しに見る名無し
09/11/08 03:00:35 qhVeyma0
144 In severe rain. 雨晴P
    スレリンク(mitemite板:144番)
153 【fairyt@le】鬼退治:CERO C みなとP
    スレリンク(mitemite板:153番)
161 hot line 96P
    スレリンク(mitemite板:161番)
185 ボクノメガミ レシP
    スレリンク(mitemite板:185番)
229 衷心 96P
    スレリンク(mitemite板:229番)
248 もやしの運河 248P
    スレリンク(mitemite板:248番)
255 とりあえず何か食べよう 島原薫P
    スレリンク(mitemite板:255番)
266 貴音の休日(fly "with" me to the moon) 96P
    スレリンク(mitemite板:266番)
274 月ノ歌 陽一P
    スレリンク(mitemite板:274番)
281 外出の旅情 248P
    スレリンク(mitemite板:281番)
285 勇気 夜の機動戦士P
    スレリンク(mitemite板:285番)
305 おかえりただいま 島原薫P
    スレリンク(mitemite板:305番)
310 無題 96P
    スレリンク(mitemite板:310番)
349 subtle flavor レシP
    スレリンク(mitemite板:349番)
361 赤頭巾ちゃん改めバカリボンちゃん改めヘタレ狼ちひゃーちゃん 島原薫P
    スレリンク(mitemite板:361番)
369 a bad first morning みなとP
    スレリンク(mitemite板:369番)
377 留守電 レシP
    スレリンク(mitemite板:377番)
384 love liquid レシP
    スレリンク(mitemite板:384番)
415 やよいの食事手帳 名無しP
    スレリンク(mitemite板:415番)

38:創る名無しに見る名無し
09/11/08 03:01:31 qhVeyma0
流れぶった切り失礼しました。前スレ埋まったんで目次でございます。
では島原Pの感想へと流れを戻します。

>>32
GJでございます。
partialityって第一義は「部分的なさま/不完全さ」なんだけど「偏愛的」って意味も
あるんですね。勉強になりました。
尾崎Pって弱い部分がたくさん見えててもうそれこそ不完全なPなんだけど、一途で
ある様子もまた魅力的なんですよね。キャラスレに「千早の将来像のパラレル(大意)」
って書き込みがありました。はいそこゼノって言うの禁止。
絵理シナリオは実は主役が尾崎Pだ、というのをSS化した感じですね。IU予選が
クライマックス、尾崎PのADVはここからIU本戦までがメインストーリー。藪下P
ばかりでなくほかの765P、すなわちアケ/箱/PSPのプロデューサーたちもライバル
です。彼女は好敵手たちからいろいろなものを学んでゆくのでしょう。

このSSではまだそこまでわかってないご様子ですんで、これから先が楽しみです。
フツーに『第二話』とか続いてもよさげw
堪能させていただきました。

39:創る名無しに見る名無し
09/11/08 07:25:20 peSNt8Vo
>やよいの食事手帳
埋めにしておくのはもったいないGJ!
やよいスレにはやよいハンターズというのがいるけど、ここの事務所は全員餌付け魔かw
もともとの37kgはかなり細いけど2割超も急激に増えたらいくらなんでもかわいそうです
アイドルの皆さんやよいちゃんの健康管理もよろしくお願いしますm(_ _)m

やよい日記の口調がなかなかイカニモで読んでて楽しかったです。俺も困ることあるけど
オトナな言い回しがちらほらあるのはきっといっぱい勉強したのに違いない(ぐっ)。
面白かったです。ありがとさま。

40:創る名無しに見る名無し
09/11/08 10:52:59 o26BXKo3
前スレラストのやよいの食事手帳は、果たしてわかってて埋めのつもりでやったのか、
それとも知らずに素で投下したのか、その辺が気になる。
わかってればいいけど、知らずにその後何のレスもなしでスレが落ちたなんて、
かなりの悲劇になりかねん。



「たった今スリーサイズを測って貰ったが、今のバストは76cmだそうだ」
「・・・っ!!」
「ああっ?!千早ちゃん、真、しっかりして!」

41:創る名無しに見る名無し
09/11/08 12:13:55 Eh6+Usku
やよい-!俺はぽっちゃりでも気にしないぞー!

42:創る名無しに見る名無し
09/11/08 18:20:06 4hXfWrgu
まぁ、嬉しそうに食べまんぷくぅな笑顔で「ありがとうございました!」ってやよいに言わせたい欲求を抑えるのは
禁煙禁酒に近いレベルの精神力が必要かもしれんしなぁ

43:創る名無しに見る名無し
09/11/08 20:13:34 LjrldOvL
可愛がりと餌付けは全く別って考えられる人が欲しかったな。


小鳥さんに始まる、孫可愛さから菓子与える困った祖父母的な愛情らに対して、
保護者に相当するプロデューサーも『やよいは公園の鳩やゴミ箱じゃない』と言ってるのに、
結局また集団餌付けに戻っちゃうのはどうなんだろ…

太ってようが痩せてようが、やよいは可愛いのには同意するが
やよいが最後まで動物園の動物扱いっぽくて何かモヤモヤした。

44:創る名無しに見る名無し
09/11/08 21:47:28 wKqcnFqG
やよいにおすそわけするのが悪いんじゃなくて、
みんなして与えてカロリーオーバーになるのが困るって話だから
いい妥協点に着地したと思うぞ

45:創る名無しに見る名無し
09/11/09 00:28:01 hPb2kgQ+
前スレ>>415-416です、埋め目的で気楽に書いた作品に沢山の感想ありがとうございました。
本来はレス返しは次の作品のあとがきと合わせて書くのがマナーだと思いますが
自分が物を書くテンションになるのが数ヶ月に一度、下手したら数年に一度という有様なのでレス返しのみでご容赦を。

>>39
餌付けの大本の発想はそのやよいハンターズからでしたねw
後、ゲームで実際にやよいをプロデュースした時に「調子が良いからご飯を2回もお代わりした」と言う挨拶があって
貧乏設定とか関係なく普通に食いしん坊なんだな~と理解したので餌付けな話になりました。

>2割超も急激に増えたら
3kg増えて40kgに~位だと純粋な成長分を除けば殆ど増えてないと思ったので思い切ってかなり増やしてみました。
後、全盛期(体重的に)の辻ちゃんが60kg以上あったそうなので自分の趣味としてもその位増やそうとも思ったのですが、
そこまで来ると流石に餌付け組も気付くし自重するだろうと思ったのでそう言う意味では手加減してます。

>やよい日記の口調
正直やよいっぽさが出ているか不安だったのでそう言って貰えると嬉しいです。
彼女達は口語のまま文章を書くので、語尾を伸ばしたり感嘆の台詞をそのまま書くのは
違和感が強くて加減が分かり辛かったのですがこれ位で良かったのでしょうか?

>>40
500kb制限の事は知ってて完全に埋める目的で書きました。
1行レスだけで6kb埋めるのは結構手間ですし、長い間2つのスレが同時に残ってるのもアレだと思ったので。
後は、自分の作品に何の感想も無いまま2~3日スレが止まってしまうと辛いので
いっそ次のレスの存在しない埋め作品で書いてしまおうと言うチキンな考え方もありましたが。

>>41
同士発見!やよいはぽっちゃりでも可愛い!
アイマスでぽっちゃりとかお肉の話になると律子や春香が良く話題に上がりますが
個人的にはやよいも二人に負けない位その手の話が似合う気がします。(食いしん坊とか、食生活が良くなるとか)

>>42
ちょっと拙いんじゃないかと気付いていても、その笑顔の誘惑を振り切るのは難しいでしょうね。
やよいの性格からして自分から「今日はお菓子くれないんですか?」等と聞いたりする事は無いのに
こっちから勝手に用意してしまうイメージです。

>>43
正にその発想は無かったと言うべきか、完全にその考えが抜け落ちていました。
最後の文は、>>44氏の言う通りみんなして食べさせたら駄目だから量的な制限を掛けるイメージでしたが、
それだと確かに困った祖父母的な可愛がり方自体は全く変わってないんですよね。
作中では書いて無かったのですが、全員が毎日餌付けしてるのは自分だけと思っていたイメージだったので
そこに気付けば問題は無くなると思っていたのですが、その辺りも反省させる必要があったかも知れないです。

最後に改めて、沢山の感想を書いて頂いてありがとうございました。
いつになるかは分かりませんがまた物を書くテンションになった時に
お邪魔させて頂く事もあると思うので、その時はまたよろしくお願いします。

46:レシP ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:44:55 Eid468pm
まいどお世話さまです。レシPでございます。前スレで書けない書けないと言ってたブツが書き上がりました。
タイトルは『美希曜日よりの使者』、主演は言うに及ばず。本文7レスです。
ただいまから投下します。よろしくお願いします。

47:美希曜日よりの使者(1/7) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:45:41 Eid468pm
 久しぶりにオフとなった日曜日は、あっという間に過ぎてしまった。もともとこの業界に潜り込んでは
いたものの、ひょんなことからプロデューサーなどという職業について数ヶ月、まだ手の指で数え
られるほどの暦通りの休日である。
 時はすでに夕刻、アパートの築年数に似合いのインターホンが死にそうな音を出した時、俺は
晩飯でも食いに出ようか、それとも自炊に挑戦しようかと思案しているところだった。
「ん、なんだ?……はい」
「書留なのっ……です」
 ドアの向こうからはこんな声がする。
「……ええっと?なんですって?」
「書留ですのー」
 この世に生まれて二十数年、俺の知る限りこういう言葉遣いの郵便局員は記憶にないし、そもそも
いくら民営化したとは言えローティーンギャルが書留を配達するサービスがあるとは到底思えない。
俺は足音を忍ばせてドアに近づき、そっとノブに手を伸ばした。
「郵便局員さんならもっと低い声だと思いますよー」
「……が、がぎどべでずう」
 いきなりドアを開けてやると、ノドに手を当てて眉間に皺を寄せ、なんとかおっさんの声帯模写を
しようとする『未完の幼きヴィジュアルクイーン』がつっ立っていた。
「……お前なあ」
「ゔぁ゙?」
 大体にしてほぼ毎日顔を突き合わせているのだ、聞き間違うはずがない。
 俺の担当アイドル・星井美希である。
「アホか。なにしてるんだ、美希」
「プロデューサーさん、おはよーなの」
「スタジオとかではそういうふうに挨拶するけど、世間一般では『こんばんわ』の時間だぞ」
 いきなりの珍客に戸惑いながら、何があったのかと首をかしげる。
「どうしたんだ、なにか急用でも?っつうか、用事があるなら電話くれればいいだろう」
「ううん、違うの。ミキね」
 眉間の皺を解いた美希はにこりと笑い、こう言った。
「プロデューサーさんに遊んでもらおって思って」
「はあっ?」
「デートしてよ、プロデューサーさん」
「……デート?」
「あー、プロデューサーさん、いまエッチなこと考えたでしょっ!」
「なっ!?」
 むしろ、そんなことを言われたことで脳内に桃色の妄想が広がってしまう。14歳と言うのにため息
の出るようなプロポーションの持ち主、美しく染め上げられたブロンドのロングヘアとアンニュイな
物腰、仕事の付き合いとはいえ、相手は子供とはいえ、邪な考えのひとつやふたつ浮かばせねば
男がすたるというものである……と、まさに相手の目的は俺にそんな妄想をさせることだったようだ。
いたずらな光を放つ瞳で満面の笑みを浮かべている。
「うっふっふう」
「……おっま……大人をからかうと」
「あはは、ごめんなさいなの」
 照れ隠しに怒ってみせても効果などない。悪びれるふうもなく彼女は続けた。
「でもね、遊ぼっていうのはホントだよ。ミキね、わざわざここの住所調べて探したんだ」
「そうか、お前ここ来るの初めてだもんな。でもどうして?遊ぶんなら友達いっぱいいるだろう」
「さっきまで一緒だったんだけど、お開きになっちゃったのー」
 遊んでいたというのは、2駅隣のショッピングモールだった。友人がその近所に住んでおり、みんなで
新しく出来た人気の服屋をめぐっていたのだそうだ。しかし夕飯の時間になると帰宅する子や
ナマイキにもこれからデートの子などばかりで、美希だけ取り残されてしまったと言う。

48:美希曜日よりの使者(2/7) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:46:35 Eid468pm
「今日はパパとママ、二人でお芝居観に行ってるんだよね。お姉ちゃんもお友達と遊びに行っちゃった
し、ミキごはん食べるトコないの」
「家にメシくらい用意してないのか」
「いらないって言っちゃったんだもん」
 友人の誰かしら残るだろうと思っていたのが彼女の誤算だったようだ。食事分の小遣いは貰って
いるが一人でファーストフードというのも味気なく、そういえば俺の住所がこの辺で、自分と一緒に
オフだと思い当たった、という経緯らしい。
「んー、まあそう言うことなら、俺もちょうど飯でもと思ってたところだ」
「わ、やった、ねえねえプロデューサーさん、どこ行こ?」
「まだ決めてないよ。ちょっと待ってろ、いま用意するから」
「上がってていい?」
「いいけど、余計なことするんじゃ」
「わーいお邪魔しまーすっ」
「人の話を聞けー!」
 ともかく部屋に入れ、興味津々の表情で独身貴族のたたずまいを物色する彼女を牽制しながら
手早く着替える。今や彼女も街を歩けばたまには気付かれる程度には顔が売れている。連れ立って
歩く俺も誤解を生むような格好をするわけには行かない。
 チノにボタンダウン、インナーにTシャツを着込んだら美希に却下された。この姿は相当ダサいらしい。
「なんでだよ、もうけっこう寒いだろ」
「もこもこヤなの。この方がすっきりしてかっこいいよ、プロデューサーさん」
 まあ姫のご要望では仕方がない。強い風が吹かないよう祈りながらジャケットを羽織った。
「なにか食べたいものあるか?美希」
「プロデューサーさんは?」
「なんでもいいよ」
「じゃね、ミキあれ行きたい!居酒屋さん!」
「はあ?」
「いいじゃない、だってプロデューサーさんお酒飲むでしょ?ミキお味噌の焼きおにぎり食べたいな。
あと焼き鳥とモツ煮」
 一瞬躊躇したが、考えてみれば高級フレンチとか言われるよりはよほど気が楽だ。ついでに
未成年者を居酒屋に連れていく件についても、地元なら心当たりがあった。
「んー、じゃあそうするか。ただしお前はタレントなんだからな、立ち居振る舞いに注意すること」
「ハイなの!」
 すばらしくよい返事だが美希のことだ、よく見ておかねばなるまい。

****

 いわゆるベッドタウンに分類されるこの駅前には仕事帰りの客を当て込んだ店が群拠しており、
俺の行きつけの店はその中の、古びた飲食店ビルの地下1階にあった。日曜の夕食時とあっては、
客は俺と顔見知りの常連ばかりのはずだ。
「おやっさん、いいかい」
「よう兄ちゃん……なんだよ、今日はカノジョ連れかあ」
「よしてくれ、話したことあるだろ?事務所で担当してる子だよ」
「ああ、美希ちゃんっていったっけ」
 このような少々の誤解も一言で済むのがありがたい……と思ったのが間違いだった。
「はじめましてー。いつもミキのハニーがお世話になってまーす」
「こら美希ーっ!」
 入店30秒でこのありさまだった。大して広くない店内のそれでも目立たない席を見付け、今日の
客筋を確認してようやくひと息つく。
「美希……お前なあ」
「えへ、ごめんなさあい。でもプロデューサーさんがみんなトモダチだって言ってたから、あんな
感じのツカミでいけるかもって」
「お前は漫才師か。まあ結局『俺が担当アイドルに手を出す度胸なんかない』って誰ひとり
引っかからなかったけどな、はぁ……じゃなくて言ったろ、注意しろって。もしも見ず知らずの
美希のファンが店の外を通りかかって、今の聞こえちゃったら大ショックだろ?追いかけて
冗談でしたとか言えないんだぞ」
「あ、そっか」

49:美希曜日よりの使者(3/7) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:47:37 Eid468pm
 あの若造がいっちょまえに説教なんかする身分になって、という声が聞こえてきそうな興味津々の
視線の中、芸能プロデューサーとしての責任を果たす。常連客の大部分は学生の頃の俺を憶えて
いて、この店での俺はいつになっても『ぐーたら学生の兄ちゃん』なのだ。
「もう普通に歩いてても声かけられたりするだろ?それだけ注目されてるんだし、お前が気づかない
うちに何か勘違いする人もいるかも知れない。あとでタネ明かしが要るようなジョークはダメ」
「むー、キュークツなの」
「TPOってことだよ。今のは、入口のドアが閉まってる時だったらセーフかな」
「はあい。今度は戸締り確認するね」
「なんかおかしいが、いいだろ」
 品書きを見ながら適当に腹に溜まりそうなものを頼んでゆく。美希を家まで送るにしても、
ビールの一杯や二杯構わないだろう。
「美希、お前は何飲む?」
「あ、ミキはとりあえずカシスオレンジでいいや」
「おやっさん、中生とオレンジジュース」
「あープロデューサーさんノリ悪い!今のは『オッケー、中生とカシスオレンジねーってコレ酒
じゃんかっ!』ってノリツッコミするトコでしょっ!」
「できるかー!」
 美希の育ちを考えるとこういう店には縁はないだろうと思っていたが、案の定店内のそこら中が
気になるようだ。腰を落ち着ける間もなく、入口の縄暖簾から神棚の熊手からカウンターの
大皿惣菜まで全部観察して回る。
「おじさんおじさん、あの飾りなに?クマデ?熊手って熊の手でできてるの?」
「うわあ、タレントさんのサインいっぱい飾ってある。ミキのは?ああ、お店に来た時にサイン
置いてくんだ。じゃあ今日はミキも書いていっていいんだね。明日も来たら明日も書いていいの?」
「あ、このお芋おいしそう!おじさんこれ食べ放題なの?え、美希ちゃんなら特別?やった、ありがと
なのっ」
「おじさんその瓶の中身なに?梅?へー、おっきい梅酒だねっ。となりは?ふうん、ニンニクも
お酒になるんだー。そのとな……ひゃああっ、へへへヘビっ!おじさんお酒のなかにヘビがーっ!」
「うるさいよお前はー!」
 マムシ酒に悲鳴を上げるに及んで、さすがに首根っこを掴んで席に引き戻した。客たちの中には
テレビで彼女を見知っている者もおり、『星井美希の居酒屋ぶらり旅』を大層楽しんでいて苦情の
たぐいは心配なさそうだ。とは言え、このままでは他の誰でもなく俺の神経が持たない。
「お前なあ、普通のレストランに入ったってここまで気さくに店長とトークしないだろ?」
「はーびっくりしたぁ。プロデューサーさんあのお酒飲んでみてよ」
「話を聞け。そして俺を実験台に使うな」
 もうひと説教くれようと思ったら、ふいに俺の目の前に、ビールではなく透明な液体の入った
ショットグラスが置かれた。中身の見当がついた美希が期待に目を輝かせている。……店主の
オゴリってことらしい。
「ええい、どうなっても知らねーぞ」
 溜息をひとつつき、俺は美希のオレンジジュースとグラスを打ち鳴らした。

****

 店内には一時間と少しくらいいたろうか。店主はご丁寧にも表に『本日貸し切り』の張り紙まで
してくれており、俺たちは少なくとも事情を知らない一般客を驚かすことだけはなく楽しく食事を
終えた。
「おいしかったあ。プロデューサーさんご馳走様でした」
「俺は食った気がしねえよ。美希、ちゃんと食べたか?」
「うん!あの焼きおにぎりね、ミキが生きてきた中でイチバンだよって言ったら、おじさん今度
差し入れ持ってきてくれるって!」
「はいはい、そいつはよかったな」

50:美希曜日よりの使者(4/7) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:48:40 Eid468pm
「ねえねえプロデューサーさん、次どこ行くの?」
「どこって……帰るに決まってんだろ」
「うええ~?」
 当然のつもりでそう答えたら、ものすごい顔で不満をぶつけられた。今の顔も写真誌に
やられたら活動できなくなるに違いない。
「まだつまんない!プロデューサーさんもっと遊ぼうよー」
「バカ言ってんじゃないの、コドモは寝る時間だぞ。お父さんたちだってもうすぐ帰ってくるんだろ?」
「ぶうぅ~」
「その顔やめろ」
 しばらくにらみ合いが続いたが、いずれにせよ中学生には少々遅い時間だ。見た目こそ
ハデだがなんだかんだ言って育ちのいい美希も、自分に分がないことはわかっているだろう。
明日は月曜日で学校もあるし、その後は事務所に来てレッスンもあるのだ。
 やがて彼女も気持ちの折り合いをつけたらしく、ふうと小さくため息をついて俺を見上げた。
「じゃあさ、じゃあさ、ミキのこと、家まで送ってよ」
「お安い御用だよ。つうかそのつもりだった」
「家まで手、つないでくれる?」
「バカ言え、さっきも言ったろ?誤解される行動は禁物」
「なら……50センチ以内」
「へ?」
「帰るまででいいから、ミキから50センチより離れちゃダメ!触らなかったら勘違いもないでしょ?」
「おま……」
「だめ?じゃあ45センチ!んー、40センチなら?」
「縮めんなー!」
「ね、ね、いいでしょ?」
 俺は内心で白旗を揚げた。エスコート距離がゼロになる前に手を打たねば元の木阿弥である。
「わかったよ。でもさすがに歩きづらいから、1メートルまではOKにしてくれ」
「やったー」

****

 駅までの100メートルは最大距離を維持したが、意外に混んでいた車内では美希が嬉しそうに
微笑むのに気づき、冷や汗が出た。電車が揺れた折をみてはさりげなく背中を持たせかけてくる
美希を支えてやりつつ、小声で訊ねてみる。
「美希、今やってること面白いか?」
「うん、面白いよ。なんで?」
「お前ってさ、はじめのうち何か違う感じだったろ」
「すぐ寝たり、チコクしたり?」
「声でけえよ」
 美希が変わりつつあるのに思い当たったのは、少し前のことだ。二つ目のランクアップを
果たした後だったろうか。
 その頃を境に、遅刻が減った。ドタキャンがなくなった。レッスンや収録に身が入るように
なった。業界経験の浅い俺ですら、美希がカメラの前で見せる輝きに磨きがかかったのを
感じ取ることができた。
「今のお前さ、なんつうか、幸せそうだよ。別に今まで不幸だとか思わないけどな」
「幸せかー……うん、でも、そうかも」
 俺の胸に背中を預けたまま、真上を向いてそう言う。
「あのね、ミキってドリョクしないでなんでもうまくできる子でしょ?」
「もう少し謙虚にならんかなー」
「だからね、学校とかでもあんまり面白くなかったの。んーと、イゴコチいいけど、楽しくないの」
「へえ?」

51:美希曜日よりの使者(5/7) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:49:48 Eid468pm
 何度か言い換えを試みながら俺に話してくれたのは、いわゆる天才の未充足感だった。
 教科書に一通り目を通せば内容が理解でき、憶えたことは忘れないのでテストでも必要充分な
点数が取れる。運動神経もセンスもあり、普通に学校生活を送るに足りないものは何もない。
顔もスタイルもよく、明るく人なつこい性格でクラスメートにも評判がいい。美希は毎日を
不自由なく過ごしているのだが、努力しないで相応の境遇にいられるから、何かに必死に
なるということがなかった。
「ミキ自分でもね、ヒッシな人ってなんか暑苦しいし、やだなって思ってたんだけど」
 美希は続けて言う。
「ゲーノー界ってね、みーんなヒッシだったの」
「必死ねえ」
「んっとね、例えばディレクターさんはいっつも番組作りのこと考えてるし、メイクさんはお化粧の
ことばっかりケンキューしてる。メイクのコツとか、ミキがひとつ聞くと10も20も教えてくれて
憶えきれないの」
「ああ、なるほど」
「音響のチーフさんだったかな、もっと楽しいことあるって思うな、って聞いたら、『集音マイク
いじるより面白いことなんてないよ』って言われてびっくりしちゃった。ミキ、マイクなんか
いっこも面白くなかったんだもん」
「あはは、それは人によるよな」
「うん、それ。人によるっていうこと。でもね、それぞれみんな、自分の好きなことにはすっごい
夢中なの」
 似たような業界は多いが、芸能界というものも『好きでなければやっていられない』世界だ。
仕事はキツい、給料は安い、下積み期間は長い、功績はトップが総取りでミスは底辺が
全部背負い込む。765プロの待遇は相当マシで、俺より年齢も経歴も上の人間が、俺より
安い給料で、俺より大変な仕事をこなしていることだってザラにある。この俺たちを支える
原動力は、『この仕事が好き』だということだ。
「そりゃそうさ。俺だって番組作りが好きでこの業界にいて、社長に拾ってもらったんだ。
自分の好きなことだから、いくらでも夢中になれるよ」
「それでね」
 美希は俺から身を離し、こちらをくるりと振り向いた。
「そんな夢中な人たちが作った番組が、すっごく素敵だったの」
 タレントを輝かせるメーキャップアーティスト。歌い手の声に最大限の効果を与える
バックバンド。視覚演出が舞台を盛り立て、ベストの音源を収録し、至高のステージを
ディレクターがメディアとして完成させる。テレビ番組とはまさに、各分野のプロフェッショナル
の技術の集大成であると言えた。
「そのチーフさんに言われたんだ。『美希ちゃんが一生懸命歌ってくれてる、その歌声を
俺のマイクが集めて、それが番組になって日本中に流れるんだよ。こんなに面白いこと、
他にないだろ?』って」
「うん、そうだよな。その人にとっては、いっちばん面白いことなんだよな」
「だからね、えへへ」
「なんだよ」
「だからね……ミキもアイドル、夢中になってみようかなって思ったの」
 頬を染め、照れて笑う美希に見とれているうちに最寄り駅に到着し、会話の続きは夜道を
歩きながらとなった。
「ミキがフツーに歌ってもみんな褒めてくれるけど、前もっていっぱい練習して一生懸命
ステージやると、みんながすっっっごい喜んでくれるんだよ!目をまん丸くする人がいたり、
タレントさんじゃなくてスタッフさんなのになんだか『うわ、負けてらんねー』とか燃えちゃう
人とかいて、とっても面白いの!」
 1メートルだの50センチだのの約束も忘れて、俺の視界を目一杯駆使して大きな
身振り手振りで説明する。と、そこで言葉を切り、美希は動きを止めて俺を見つめた。
「だからね」
「うん?」

52:美希曜日よりの使者(6/7) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:50:59 Eid468pm
「だから、お仕事ない日はちょっぴりつまんなくて。それに、きっとプロデューサーさんも
つまんないかもって思って、プロデューサーさんちに遊びに来ちゃった」
 俺は……。
 俺はこの日曜日、なにをしていたろう。
 昼前までだらだら眠り、たまっていた掃除洗濯をこなしてテレビを眺め、雑誌を読み
コンビニをハシゴして、気がつけば一日が終わっていた。
 もちろんそれは、仕事の疲れをとるためだ。布団で眠ることもままならない日々を
送る身にとって『なにもしない日』は貴重であり、俺はそれを存分に楽しんだ、という
ことになる。だが。
 だが、今日は何かに夢中になることがなかった。
 ……美希が、現れるまでは。
「えーっと、美希はさ」
 迷いながら、聞いてみる。
「今日、俺と一緒にいて楽しかったか?」
「うん!あのね、プロデューサーさんち上がってお部屋の中見たのも楽しかったし、
居酒屋さん初めて入ったのも楽しかった!焼おにぎりもおいしかったし!」
 誰の入れ知恵か、部屋に上がり込むなりタンスの裏や本棚の奥をまさぐる彼女から
秘蔵のコレクションをガードした。気心が知れているとはいえ他人の目のある居酒屋
では、美希のイメージが崩れないよう始終注意を払っていた。おかしな酒まで飲む
羽目になり、へんてこな高揚感の中で漫才のツッコミ役の気分だったが、この時間の
俺は……ある意味、美希に夢中だったのだ。
「そっか」
 今の俺は、生活のほとんどを美希に握られている。仕事上の担当者だ、当たり前
とも言えるが……。
「ならいいや。お前が楽しかったんならさ……ん、お前ん家この辺じゃなかったか?」
 見覚えのある街角で立ち止まった。斜め上方をに視線をやると、マンションの
目指す窓からは明かりが漏れている。
「あ、誰か帰ってる」
「うわ、やばいな。一緒に行って説明しよう」
「だいじょぶだよ。この時間ならきっとお姉ちゃんだから」
「しかし」
「へーきなのっ」
 家族が心配しているだろうと思ったが、押し止められた。
「もー、プロデューサーさん心配しすぎだよ」
「そうかぁ?」
「このくらいまで友達と遊ぶことはあるもん。どっちかって言うと、今までプロデューサー
さんと二人きりだったって言っちゃう方がお姉ちゃん、いろいろ勘ぐるかもって思うな?」
「うっ」
 確かに、俺は美希の両親とは顔合わせをしているが姉とは面識がない。美希の言う
とおりなら、ここで別れる方が彼女にとって都合がいいのかもしれない。
「そうか、わかったよ。ただし、帰ったフリして遊びに出たりすんなよ?」
「しないよ?そんなの。あとはおうち帰って寝るだけ」
「ん、それじゃここでさよならだな。明日は学校終わったら事務所でレッスン。遅れんなよ」
「はーいっ……あ、ねえねえプロデューサーさん」
 マンションのエントランスで手を振ると、美希が再び近づいてきた。
「どうした、忘れ物でも?」
「おやすみのキスは?ん~っ」
「ばっかやろ」
「あはは。プロデューサーさんおやすみなさい」

53:美希曜日よりの使者(7/7) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:52:20 Eid468pm
 改めて手を振り、来た道に戻る。気配を感じて振り返ると、美希がまだこちらを見ていた。
「……なんだよ、今度は」
「あのね、プロデューサーさん……プロデューサーさんは、どうだった?」
「どうって」
「ミキといて、面白かった?つまんなかった?……メーワク、だった?」
 いざ別れる段になり、多少の反省の念がこみ上げてきた、といったところか。体の前
でもじもじと手をすり合わせながら訊ねる彼女が、俺にはようやく年相応に見えた。
 少し考えるふりをしてもう一度彼女の元に戻り、おもむろに右手で髪を撫でてやった。
「ばーか」
「うひゃ?」
「迷惑なもんか。俺も、すっげえ楽しかったよ」
 頭というより首ごとこねくり回し、心の内で感謝を伝える。
「今日はただぼんやりして過ごしてたからな、あのまま寝てたら翌日気合入らない
まんまで、仕事始めることになってたよ。ありがとな、美希」
「じゃあじゃあ、プロデューサーさんも明日はレッスン、夢中になれる?」
「なるなる。ビッシビシしごくからな」
「やった、えへへ」
「おかしいぞその返し」
 とにかく今日はちゃんと寝ろ、学校遅刻すんなよ、宿題とか大丈夫か、他にもいくつか
保護者のような注意をし、キリがなさそうなので彼女がエレベーターに消えるのを
見送った。ドアが閉まるまで満面の笑顔で手を振り続けた美希の籠が目的の階で
止まるところまで見届け、ふうとひと息ついて歩道にとって返す。
「さてと、明日は……」
 のんびり過ごすはずだった日曜日は、夕方からロケットで飛び去ってしまった。
明日は定時に出社し、美希が来るまでに打ち合わせを3件と企画書の仕上げが2件、
そして一番の難物・経費申請を片づけねばならない。
 そんな明日、安穏な休日が明けて仕事づくめの一週間が始まる日、全世界の学生と
全世界の勤め人の憂鬱の矛先、その曜日の名は。
 美希と会える、その日の名は。
「うん。明日は、……美希曜日だな。あっはっは」
 思わず口をついたネーミングのあまりのストレートっぷりに自らを笑い飛ばし、
駅へ向かって歩き出した。
 美希は……俺の担当アイドルは、たぶん俺をぞっこんにするために生まれてきた
のだ。俺がテレビ屋を志したのも、高木社長と出会ったのも、美希に巡り会うため
だったのだ。
 美希はそのために遣わされた『美希曜日よりの使者』だったのだ。
 彼女はきっとトップアイドルになるだろう。素質があるのは明らかだし、さっきの
打ち明け話では彼女に一番必要だったものも得ていたことが知れた。
 あとは、俺が彼女を道案内すればいい。俺の元に降りてきてくれた可愛らしい
使者さまを、彼女がもといた高みまで。
 美希曜日の毎日まで。
「美希曜日の使者ねえ。はは、ははは」
 思えばあのマムシ酒がいけなかったのだ、うむ、きっとそうに違いない。そう
ひとりごち、それこそ美希が生まれた頃の歌を小さな声で口ずさみながら歩く。
 街灯とまばらな車通りの先、俺の行く手には、遠くぼんやりとした明かりがまたたいていた。





おわり

54:美希曜日よりの使者(あとがき) ◆KSbwPZKdBcln
09/11/09 17:53:10 Eid468pm
お粗末様でした。
ネタ元はキャラスレに書き込まれた『美希曜日よりの使者』という一言レス……だった
のですが、それが春の話ですw いろいろ盛り込んだとはいえネタSSに半年かかって
しまいました。
美希はいわゆる天才キャラなんですけど、性格がそうさせるのか『勉強もスポーツも
万能の超天才児』という感じがしません(コミュ等と違っていたら申し訳ない)。結局
トップアイドルになるにはいかな美希でも努力は必要で、覚醒イベントより前に彼女は
それに気づいているだろう、というお話でした。
なにかお気づきのことでもありましたらよろしくご指導願います。

本日はこれにて。ありがとうございました。

55:創る名無しに見る名無し
09/11/10 02:00:33 GdOUuwJr
>>54
非覚醒美希が実はとても大好きな自分にとっては
ひととおり彼女のことをまとめてくれた感がw

何やらせても常人以上に出来てしまう彼女は
家の中でもだだ甘のパパとママに甘やかされほうだい
でも、そんな自分の毎日に心のどこかで疑問を感じていた

そんな女の子が、本当に頑張らなきゃ輝けない世界に足を踏み入れ
根気強く彼女を支えてくれるひとと出会って少しずつ変わっていく……
そんな物語なんですよね、非覚醒美希ルート。

56:創る名無しに見る名無し
09/11/10 02:55:28 CW0BG1lW
>>54
覚醒イベントの無い美希はこういうゲーム上では見えない名無したちの本気に触れて
少しずつ頑張る事の大切さに気付いたんだろうなぁと考えると読ませて頂きました。
通常と言われる美希も覚醒と言って良い位姿勢が大きく変わってますし、
世界一大美女を目指す最初の一歩が見えた気がします。

居酒屋でのフリーダムな振る舞いも美希っぽくて楽しかったです。

57:創る名無しに見る名無し
09/11/10 05:56:57 Q7NPYdQO
>>54
ふと、なぜか、本当に、ふと。



「あぁ…なんだ…風が…やんだの…」



なんてゆーセリフがいやあぁぁ美希ーーーッ!
自爆パニックとかアホか俺。
GJ。はしゃぐ美希とかすげえ可愛かった。

58:創る名無しに見る名無し
09/11/10 08:18:21 2xa5k1pU
>>54
美希の、何考えてるか、何しでかすかわからないところ、
しかし、それでも少しずつ、あまりとんでもないことはやらかさなくなってきた、
その辺りの微妙な位置にいる感じの美希の、再現性が見事でした。
美希はランクによって、どんどん変化して行くけれども、
低ランクのトンデモぶりか、高ランクでのバリバリ状態辺りが書くには楽なのですが、
この微妙な位置は、書く方にしては再現し辛いと思うので、これは素晴らしいです。

欲を言うと、と言うかネタとして、
これで、最後、美希の呼び方が「プロデューサーさん」の「さん」が
なくなっていたりしたら、個人的には感動したでしょうねw
この日を境に、美希のP呼称が変わった日、という意味で。

59:創る名無しに見る名無し
09/11/10 12:09:45 4WoLAAg7
近い内にアイマスSS創作に手を出してみようかなと思っている通りすがりですが、
少々このスレの皆様に質問したいことがあります。
どこかのサイトかスレでSSを書く時『楽曲の歌詞はSSの中に記載しない方がいい』みたいなことを
見かけた気がしたのですが(それがアイマスSSでの話だったのかどうかもあやふやですけども)、
そういう暗黙のルールがあったりするのでしょうか?

60:創る名無しに見る名無し
09/11/10 13:30:24 9FFZFnU2
版権の問題があるから自粛を謳ってるサイトはあるね。
一般的な話ではあるけど、歌詞と引っ掛けてSSを書きたい時は「一部掲載」がマナーなんじゃないかな?

61:創る名無しに見る名無し
09/11/10 19:24:09 ESmSJx0i
>>59
JASRACさまは比較的性急。音楽著作権はファイル交換/共有ソフトとかでひどい目に
あってるから、犯罪助長防止の名目で時々同人屋とかが多額の使用料を請求されたり
している。李下に冠を正さずの観点で暗黙のルールは(アイマスに限らず)ある。

以前書いたSSでやよいにdo-daiをセリフで歌わせたことがあるけど、実際やってみると
イマイチよくない。俺の腕前のせいかも知れんけど、思ったような効果が出ない。

以上二つの意味合いで、「歌詞を使わずにすむならその方がいいんじゃないかな」と
言ってみる。

62:創る名無しに見る名無し
09/11/12 01:28:23 FRh0QRIP
>>59
原則として、他人の著作物から無断で転載/転用することは著作権の侵害だからねえ。
大げさに言うなら、自分が創作しようとする人間なら、著作権のことを忘れるべきじゃない。
そこまで言わなくても、著作権に関わるものは揉める元なのも確かだから。

63:創る名無しに見る名無し
09/11/13 09:34:47 OusxqiMQ
>>59-62
文化庁の指針(wikipediaより)

・既に公表されている著作物であること
・「公正な慣行」に合致すること
・報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
・引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
・カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
・引用を行う「必然性」があること
・「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)

SSで問題になりそうなのは下2つかね

64:創る名無しに見る名無し
09/11/16 21:41:18 zWnOaCgK
>>63
そもそも小説なんかの一部として使うのは「引用」じゃなくて「利用」だから

65:雨晴P
09/11/18 13:27:41 1h63P37a
どうも、お久しぶりです。雨晴です。新スレオメです。
前回投稿から大変間が開いてしまいました・・・すみません・・・別作品に感けてました、なんてこと・・・

前スレの感想で、「そろそろ冒険すべき」とのご意見をいただいたので、してみました。
創発板でないと出来なさそうネタですね。冒険。

今回はものすごく短くしてみました。背景とかオチの意味とか色々考えていただけると、泣いて喜びます。
本当に久しぶりの雪歩以外のネタ、2レス程度失礼します。
一応、閲覧注意でお願いします。そんなキツイとは思わないのですが、いつもの甘ったるいのとは違うので・・・

66:私の声が聞こえますか@雨晴P
09/11/18 13:30:03 1h63P37a
私の声が聞こえますか。
聞こえていますか。

貴方の前に居るのは、本当に私ですか。

貴方は確かにそこに居るのに、私はここに居ないのかもしれません。
私の目は貴方を捉えているのに、貴方の目は私を捉えていないのかもしれません。
そもそも貴方を捉えている目は、本当に私の目でしょうか。

私は、一体何者なのでしょうか。
本当の私は、一体どこに居るのでしょうか。
私こそ、本当の私なのでしょうか。
或いは、やはりそこに居るのが、本当の私なのでしょうか。
青の髪を梳き、泣いている貴方に尋ねてみます。

私の声が聞こえますか。
聞こえていますか。

反応は無く、ただ悲しそうな彼の泣き声。呻くようなそれを、私はただ、見守ることしか出来なくて。

その声は、本当に貴方の声なのでしょうか。
貴方はいつでも、あんなにも明るく振舞っていたのに。
その声は、私に宛てているのでしょうか。
本当の私に宛てているのでしょうか。
本当の私とは、一体誰なのでしょうか。
その声を聞く私の耳は、本当に私の耳なのでしょうか。

でも、そんな事はもう、どうだって良い事なのかもしれませんね。

67:私の声が聞こえますか(end)@雨晴P
09/11/18 13:31:07 1h63P37a
きっと私は、もう私じゃないんだと思う。
けれど私は、やっぱり私なんだろうと思う。
だから私は、声を張り上げて歌う。
あの鳥のように、羽ばたくようにして歌う。
私を抱いて泣いてくれる、貴方の為に歌う。
きっと私には、もう貴方しか居ないのだから。
だから私は、貴方の為に歌う。
この気持ちは、私だけのものだから。

私の声が聞こえますか。
聞こえていますか。

ほら。
そうやって気付いてくれる、私のことを本当に大事にしてくれる、貴方の事が大好きなんです。
驚いたように周りを見渡す貴方を見る目は、私のものではないのかもしれません。
私を呼ぶ声を聞くこの耳も、私のものではないのかもしれません。
けれど、貴方を想う気持ちだけは、本当の私であると信じられますから。
だから私は、貴方の為に歌い続けます。
沢山の人に聞いてもらえなくたって、もう良いんです。
本当の私を歌にのせて、貴方に届けます。

プロデューサー。

私の声が聞こえますか。
聞こえていますか。

ずっとずっと、聞いていてくれますか。

68:雨晴P
09/11/18 14:09:58 1h63P37a
以上です。あー、甘ったるいの書きたいです☆
ただ、ただでさえ一辺倒なのに、これ以上堂々巡りもアレですから、たまにはこんなのも良いかななんて・・・
前書きにも書きましたが、色々考えていただければ、と・・・

では、以下頂いた感想への返信をば。
以下前スレ
>>148
コミュっぽさを前面に出してみたので、そう感じていただけるのは有難いです!有難う御座いました!
ネタ神様は、最近僕のところには顔出してくれなくなってしまいました・・・w
>>149
HAHAHA
ああいった雨の時こそ、思い切って明るい話を書いてみたいなぁって言う僕の天の邪鬼っぷりですw
ところで、虫歯→歯医者→ドリル→!!!!! ってことですね、わかります。
>>150
ありがとうございます!
うちの近くも7月末には凄い事になってました。そういう時こそ甘雪歩!
>>151
素敵なP名ありがとうございますw ただ、長いっすねw
王道って素晴らしいと思うんですよ、本当に。カルピス3倍増し?どう考えても成人病一歩手前ですねw
>>156
何ですかその素敵シチュエーションw次回は是非それでw
156様に言われるがまま冒険心持って臨んでみた今回でした。本当に貴重な意見をありがとうございます。

以上です。今回のは非難轟々な気がしないでもないですが・・・でもやっぱりそれだって創発板でしか出来ないわけですから、色々ご意見など頂きたいな、なんて。
そんな事を思いつつ、多少なりともスレの活性化に繋がればとか思いつつ今回はこれで失礼します。では・・・

69:創る名無しに見る名無し
09/11/19 00:14:44 lmFtHWi7
>私の声が聞こえますか。
>聞こえていますか。

どっかで聞いたことある言い回しだなぁ、って思ったらガンオケ青のシマシマのシナリオだった。
それに気が付いてからはゲームの中から千早が呼びかけているようにしか見えなくなった。
その場合はPLはOVERSでPに寄生してる設定だよなぁ…とここまで考えてクロススレの範疇だと思い直しました。

雨晴Pにそう言うつもりは無いんだろうけど、アルファ×アイマスは面白そうだなぁ…

70:創る名無しに見る名無し
09/11/19 04:24:51 xw3aIlEV
>>66
3回読んでやっと状況が飲み込めた。
その道を往っちゃだめだ、もどってこーい!と言いたいが、
もう誰の言葉も聞こえないならその道を選ぶよな…

71:創る名無しに見る名無し
09/11/19 16:11:00 pX8hy4Yo
>>68
だ、誰だアンタ・・・wとてもあの雨晴さんとは思えんw
自分も数回読み直して状況把握した。状況飲み込んだ瞬間鳥肌立った。マジで
雨晴さん独特の言い回しがこういうお話には特に映えるなあって言うのが第一印象。
オチも綺麗で、引き込まれる感じ。物悲しい雰囲気は無いのに、ここまで切ないってどういうことなの・・・
多分、自分の考えてる背景やオチの解釈は人によって異なるんでしょうが。

一つ思うのは、やっぱり短いかなあ、と。
折角こんなに不思議な世界観(アレね、前スレで言われてた雨晴ワールドw)なのだから、もう少し堪能したかったなあ、と。

非難轟々かもって言ってるけど、自分は好きだな。あ、勿論いつもの甘々も(ry

72:創る名無しに見る名無し
09/11/19 19:29:07 hVQRYc5f
>>68
……。
……ぐ……GJ!

上にゲーム下敷きらしい感想があったけど知らないので、……せ、せめて俺は
70年後のエピソードだと思っておこう(ノД`゚)
自由解釈型の作品はある意味読み手も好きに読んでいいモノだと思っています。
ですから、できるならば種明かしはナシの方向でお願いしたいです(あ、もちろん
雨晴Pにおまかせしますが)。
いい余韻が残りました。切なさが今日の雨のように心を濡らしました。彼女は
きっと、それでも彼女であり続けるでしょう。



ちくしょー甘いヤツ書いてやるううう!

73:創る名無しに見る名無し
09/11/24 00:38:49 d5tr0G1Z
>>68
まず、こういう内容なのに、繰り返し読める、読んで不快にならないという
その文章の品の良さ、これは賞賛に値すると思います。

その上で、話についてですが。
やはり、関連情報を全て切り捨てていることが、いい方向なのだと思います。
どんな情報をこの文に追加しても、絶対に納得行かない部分が出てくると思うので。
そういう意味では、やはりタネ明かしは、ない方が有り難いかも。

そして、こういった話にも関わらず、読後感がいいです。
これは、内容に関わらず他の作品でも感じることと似ている気がします。
お見事でした。

74:創る名無しに見る名無し
09/11/24 23:08:14 enUCubvo
 初めまして。元未来館の住人です。
 久しぶりにss何ぞを書きましたよ。

 ローカルルールとか、句読点とか、色々とについて。
 ……すんません。ぶっちゃけ抜けがあるかも。
 文法とかは気にせずに、その点はスルーで。
 
 以下雑記。
 >>68 どうやら感想が流行ってるようなので。
 ……さわやか井戸水?

75:創る名無しに見る名無し
09/11/24 23:08:58 enUCubvo
昇華する讃美歌

「そういえば……」
 私は右手に持ったエナメルバッグを置いて、事務所に置いてきてしまった携帯電話を思い出した。
「取りに、行くのかな」私は私に聞いた。否定。
 疲れているから。
 夕陽が地平線に滑り込み、地球のほかのところに太陽がその生命を落としかけているこの時に、私は家に向かって歩いていた。
 着ているのは学校指定のブレザー、ダッフルコート。
 野暮ったいと不評らしい。私には興味がないが。
 家に帰ってから事を考えながら、今日のことを思い出す。
 
 髪留めを取ってレッスンをしていたら、彼が部屋に入ってきた。
 彼は私に向かってタオルを投げた。
「どうも……」
「うん」
 彼は壁際にあったパイプイスに座る。
 何も言わない。
「どうしました?」私は首を拭く。シャツの中は後にしよう。
「いや、なに。ただ単に精神が動揺しているだけさ」
 そう言って、彼は口にくわえたチュッパチャプスをかみ砕く。
「動揺?」
「うん」
 ちょっと待ってみるが、話すつもりはないようだ。
 私は少々困惑しながらも、当たり障りのないところを拭く。
「プロデューサー、私はシャワーを浴びに行きますが……」
 彼は手をふった。私はそれを了解の意ととった。
 スタジオを出て、扉を後ろ手で閉める。
 その目の前を影が走り過ぎた。
 その姿は十メートル先で角に隠れた。
 おそらく千早か。
「千早!」
 答えはない。
 聞こえてなかったのか。それとも無視されたか。
 私はシャワー室に行く前に、事務室を覗く。
 そこには春香がいた。
「春香、千早がさっき走って行ったけど、何かあったの?」
 春香は言いにくそうに「あー……」とだけ言う。
「そう、ですね。あったと言えば、あった、んですよねえ」
「……千早がプロデューサに告白でもしたの?」
 春香は顔をへこんだスポンジのようにゆがませる。
「……う。なんで分かりました?」
「千早からプロデューサのことが好きだって言われていたから」
「うそっ!?」
「嘘じゃないよ」
 私は春香に笑いかける。
 春香は私から目線をわざとらしく外す。
「そうそう、春香」
 春香が振り向く。「なんですか?」
「千早は春香のことは好きよ。だから言わなかったの」
 彼女の表情が変わる前に私は彼女の顔を視界から除く。
 私はシャワーを浴びて、誰にも会うことなしに社屋を出た。



76:創る名無しに見る名無し
09/11/24 23:10:43 enUCubvo
 携帯電話が震える。
 千早からのメール。
 要約すれば、彼女は私がプロデューサを好きだと思っていて、自分の行動を抜け駆けするよう感じて、こうしてメールを送ったそうだ。
 私は後ろに気配を感じる。
 そこにはプロデューサがいた。
「律子……」
「まったく……、感想を言う暇すらありゃしない……」
 プロデューサは首をかしげるが、言った。
「千早が、俺に告白してきた」
「知っています」
 彼はうつむく。
 無言。
 高架を電車が通る。鉄骨が高笑い。
 私はため息をついた。「寒いですね。喫茶店にでも入りましょう」
 彼はあごが肋骨を折ればいいとでも思っているようにうなずいたのだった。

 二人は近くに喫茶店チェーンを見つけ、入る。
 息が姿を消す。光を反射する気概を、温かい空気が削いだ。
 二人ともブラックコーヒーを頼み、窓際に空いた席に座る。
 周りにはあまり人はいない。もう九時を過ぎている。
 彼はひとくち、コーヒーを飲む。
 私も飲んだ。
「俺は……」
 彼がぽつりとつぶやく。
 私は答えない。
「俺は……、俺が何をしたいのかわからない」
 彼が言う言葉はプラスティックとカップの間隙に吸い込まれて、私の耳には届かない。
 私が何も言わなかったことの意味はコーヒーの中に撹拌し、空気に蒸発していく。
「どうして、私に話すのですか?」
 彼は顔を上げた。
「さあ……」苦笑い。ひとくち。「さあね。分からないさ」
「……それは当然のことではないでしょうか。自分が何をしたいのか、それを分かって行動すると言う人はいません。自分が行動した後、それに対して都合のいい目的を作るのが人です」
 私はかばんの口を閉めて、窓の外の空を見上げる。
 まっくらやみ。
 黒い。
 空が溶けたアスファルトの涙をこぼしそうに。
「律子……」
「ええ。私があなたに対して、言葉をかけることはできます。それを望みますか? それとも……」
 私はほほ笑む。
 努めて優しく、憂鬱な笑みを。
「ああ……」彼はうつむいて、顔を右に、上に、左に。そして前に。
「いや、いい。ありがとう」
 彼はやっとほほ笑み、再確認する。
 沈黙の価値を。
 私はコーヒーを飲み、彼に別れを告げた。
「おかね。置いておきますよ」
 彼はうなずく。
 去り際に彼が「なあ。律子……」と言う。
「なんですか?」
「いや、なんでもない……」
 彼は首を振る。
 吹き出して、顔を背けた。
 私は意味もなくほほ笑み、外に出た。
 手に持ったかばんはずっしりとする。
 人の体も心も、
 まだ私には荷が重い。
 けれど、
 冷気にさらされた世界だけは、
 私を優しく叱ってくれそうに思えた。


77:創る名無しに見る名無し
09/11/24 23:12:56 enUCubvo
はい、終了です。

自分の感想として。
ぶっちゃけ面白くはないでしょうね、ええ。
書くのはおもしろかったですが。


誰が誰を好きかなんて、分かるはずもない。

78:創る名無しに見る名無し
09/11/24 23:15:36 enUCubvo
 あ。すんません
 一レス目の本文二行目
 携帯電話→ブレスレットでもなんでもいいので脳内変換お願いします。
 
(やってもーたなー)

79:創る名無しに見る名無し
09/11/25 01:14:01 1S56z1Mp
>>77
流行ってると言うか、どうやらここには、感想書きとでも言うべき人間が巣食っていて
(俺もそうだけど)、時に容赦なく、時に熱く感想を語るのが定番になってる。
というわけで、ここに書いた以上は、好むと好まざるとに関わらず、その洗礼を受けてもらうw

で、ふと思ったけど、そう言えばこのスレ、この手のある種TypicalなSSって、
意外にほとんどなかった様な気が。
その意味では、明らかな新風。大歓迎です。
ダイレクトな「if」を使いながら、当事者以外の情景で纏めてる微妙な空気が面白い。

後は好みの問題でしょうが、比喩表現を、表現をぼやかすために使うことが多かったのが
ちょっと気になりました。キレイな言葉を選んでる感が強いだけに、特に。
それと、口調がちょっと律子っぽくない気も。これはわざとな感じもしますが。

いずれにせよ、中身はいい味出てました。面白かったです。
また次回も待ってます。

80:創る名無しに見る名無し
09/11/25 05:49:48 HvLPlF3W
>>77
いらっしゃいまっしー。今日の昼飯はパンにしよう。

いやいや、面白かったですよ。Pの逡巡なんかサ店の隣の席からコーヒー飲みつつ
ひそかに観察したいレベル。
あえて律ちゃんの心情を排した(律ちゃん視点なのに!)のは実験か計算か迷う
ところですが、SSというより文芸映画でも観てる気分になりました。何度か読み返し、
ゆっくり思い出しながら噛み砕く作品と感じました。
ありがとうございます。ぜひこれからも居ついていただければ幸い。

ところで
>家に帰ってから事を考えながら、今日のことを思い出す。
これ「帰ってから『の』事」でよろしいですか?その方が時系列に無理がないので。

81:創る名無しに見る名無し
09/11/25 21:25:57 5uZ+rDIp
どうも、感想ありがとうございます。

>>79
比喩は比喩だけで一つの作品と思っていただければ。
確かにご指摘はそうだと思います。勘案します。
律子っぽくないのはまあ確かにそうですが、考えてる時の口調としてはそこまで変ではないと思います。

>>80 
すみません! ご指摘の通り間違ってました。ありがとうございます。
文芸映画って……そこまですごいでしょうか。だったらうれしいですが。 
未来館が下火なので、たぶんこっちに居つくかと。

一日しかかけずに、勢いで上げてしまったので、粗が目立つようですね。精進精進。

82:島原薫 ◆DqcSfilCKg
09/11/27 06:33:38 J5eRaFiy
前作へのご感想、まことにありがとうございました。島原薫です。
シリアスで少し毛色の変わったSSの投下が続いておりますが、いつも通りに投下いたします。
タイトルは『TENGAさん万能説』。メインは涼で4レス使用。下ネタコメディとなっておりますので、苦手な方はご注意ください。
投下後終了宣言+前作レスへのお返しです。

>>レシP様、『美希曜日よりの使者』
非覚醒で、でも徐々に変わっていく年頃の女の子を爽やかな筆致で書かれており、さすがレシP様といった作品でした。
最後、Pも口ずさんでいた歌を聴きながら読んだのですが、歌にピッタリな世界観が心地よかったです。
P視点でどこか野暮ったくもあるのですが、二人の距離感のその絶妙さは上手いなあ、と口に出したほどでした。
こんな素敵な日常をアイドル達にはもっともっと送ってほしいですね。素晴らしい作品、ありがとうございました。

>>雨晴P様、『私の声が聞こえますか』
今までのざっくりとした構成からさらにそぎ落とした、ある意味で実験作ともいった作品に驚きました。
ですがそこは雨晴P。品が良いと仰った方もおりますがまさにその通りで、嫌味にならない言葉選びは羨ましくも思えます。
このような、読み手側にある程度任せてしまう、余地のあるSSはあとがきにもあるとおり、不安な部分もあるかとは思います。
けれど、ここの住民様はそこも良しとして来てくれる方が多いですから、もっとこういった作風の作品も読んでみたいです。

>>75様、『昇華する賛美歌』
あえてスッパリとした情景描写、表現が作品全体にマッチしていて心地よかったです。
短い言葉でポンポンと進めているためテンポが良く、カチャカチャと変わっていく、彼女が見る情景を思い浮かべると面白い。
私自身、ここを投下される際には比較的、忌憚のない意見を聞くことが出来て楽しいので、一緒に盛り上げて行ければ良いですね。
それだけに、>>81の「一日しか~」という下りは言いたくなる気持ちは察しますが、少しだけ残念に思います。
いきなり厳しいことを言って申し訳ありません。作品はとても良かったです。これからよろしくお願いします

83:TENGAさん万能説(1/4) ◆DqcSfilCKg
09/11/27 06:34:45 J5eRaFiy

たとえば女性の前で男が軽々しく生理の話題をするような、そういうフインキだということは分かってほしかったと涼は思う。
なんとなくそういうものは会話の端々で感じ取るものだし、
歳を経るにつれて追いついてきた知識も相まってそういうものを回避する術も身につけていくもの。
ある程度の感性というかセンスというか、そういうものが求められるわけだけれども誰にでも出来ることだと、
少し短く感じる膝上のスカートの端を握る涼は考えていた。
さて、そういうものって何回、言ったでしょう。
だから、おもいっきしそういうものが分からなくて、お子様な彼女の前では通用しなかったわけだ、と。

「涼さん! この筒みたいなのなんですか!? なんかオシャレですね! デザインが!」

そうだね、愛ちゃん。だからちょっと手放そうか。
女装アイドル、秋月涼の目はどこまでも冷ややかだった。


それは無事に絵理ルートも終わって、正式に876プロのお抱えプロデューサーとなった尾崎玲子が人目もはばからず
担当アイドルの水谷絵理と仲良くイチャコラ出社してきたときから始まる。
涼の目の前には綺麗に積まれた書類とかぶりもの。
差し出されたファイルには全日本鹿学会と銘打っており、この度、めでたくイメージガールに抜擢された彼女を876プロ社長、石川実は労っていた。
しかし彼女の、いや彼の表情は暗い。

「いやですから、なんで鹿なんですか?」
「何度も言っているでしょう? 一度、ホテルで行われたパーティーでそこの会長さんと懇意になったって。ほらっ、ちょうどあなたにも角があるしっ」
「……」

おそらく今までの人生の中でしたことのない目を社長に向けていると同じ876プロのアイドル、日高愛が事務所へと入ってきた。
いつものようにやかましい挨拶でもするのかと思ったけれど、肩に抱えた大きなバッグでヨロヨロと部屋に入ってきたかと思えば、ドスンッと地面に置く。
力尽きたのか、そのままその場でへたり込んでしまった。


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