09/12/28 02:05:38 KM2mmatX
>>117
「……からかってます?」
「そう見抜いてもらえたのは久しぶりだ」
このやりとりにものすごくやられた感があります。ああ、確かにこれ武田さんだ、みたいな
武田さんがやよいを認めるに至ったミッシングリンクという目の付け所も面白いところで
物事をややこしく考えてしまいがちなオトナの中にあって、一言で簡単な真理をブチ抜くという
やよいの使い方も定型ながらその分わかりやすいのでこれはこれで、というところか。
ただ、台詞と内心のみという形式、やよい視点武田視点の切替がところどころにあること、などは
多少好みが分かれるところかも。
全体としては「ああ、確かにこういう出来事はありそう」と思いながら読ませていただきました。
120:創る名無しに見る名無し
09/12/30 11:32:47 tPNoIYcw
>>117
先日、MASTER SPECIAL WINTERの、やよいの歌う「チキンライス」を聞いて、
『やよいは、どんな歌でも自分の歌にしてしまう、実はとっても凄い歌い手じゃないか?
武田さんの見立ては、見事なまでに正しかった!』
とか思ったばかりのところだったので、これはまさにティンと来ました。
武田さん凄いよ武田さん。
内容としては、地の文挟まずに会話だけで、内心まで表現できているのは見事ですね。
例としては
> 「!……そうだね、僕も同意見かな」
ここなんかがそうで、本来的に持論と同質な部分を、逆に他人から単純明快に示された、
その驚きの感じが伝わってきます。
あとは、上記でも出てますが、千早との会話のくだり。
飄々として、何考えているかわからないけど、実は遊び心たっぷりな武田さんの人柄が
余すところなく描かれている気がしました。
さらに、流れの中で自然に、また本来の意味で「……なるほど」と言わせているところとか。
ひとつ気になったのは、やはり視点の移り変わり。
全体に会話文の比率が大きいので、どうしてもとまどいます。
視点を変えるなら、もう少し会話文以外の比率を上げてわかりやすくした方がいいのでは。
もしくは、やよい視点の部分は、第三者視点の三人称の地の文でもよかった気が。
とにかく、全体にキャラも活き活きしていて、大変面白かったです。
121:創る名無しに見る名無し
09/12/30 11:52:54 tPNoIYcw
>>108
今さら読みました。
ロダまで取りに行くのが面倒くさかったので。てへ
って、ちょwこれはwwww
いやいや、解釈のしようもいろいろあるぞ。たとえば、
「本人は聞いてなくても、小鳥さん宛の『メリークリスマス』と最初に言ったという事実は有効」とか
「その人が人生を左右する、と占いに出ていたけど、別に幸せな方向とは限らない」とか
うーん。この辺はさすがに人気の占い師。解釈に幅を持たせることばかり言ってますなw
いやあ、しかしこれは面白かったです。
ストーリーがちゃんとあるのに、ハッピーでもアンハッピーでもないというか、どちらでもあるというか。
その落とし所が見事で笑えるっていうのが。
しかし、レス番がそのままP名ってのもw
122:創る名無しに見る名無し
09/12/30 17:46:37 Cjt81kYy
取りあえず、今年の分は今年のうちに・・・ってことで、>>107の続き行きますよっと
>>68
個人的に雨晴Pの文章については詩的な情景描写とそれを支える独特のフレーズが特長と思っていますが、
それ使ってこういう方向で冒険してくるとは実のところちょっと予想外な方向で、煽っておきながら意表突かれてみたり
良くも悪くも情感と情景の美しさに特化した一作のように思います。普段がグラニュー糖の粒のキラキラなら
これは儚さと共に触れれば指を裂く鋭さを持ったガラスの破片のそれといったところでしょうか。
それ以外のモノを削ぎ落とした方向については今回については多分正解。付け加えすぎると
かえって濁っちゃいそうですし。
物悲しいとか切ないとか、そういういろいろよりもまず、ただただ、きれい。
生々しさが無いことも感じ取れますが、そこの辺りは意図と好みの問題で、今回はそれを求めてない
と言われれば、それはそれでもっともって感じですな。
うん、これはけしかけてみた甲斐があったw
思った以上にいろいろなことが出来そうなのを再確認させていただきましたので、また次も期待させてもらいます
>>77
ああ、確かに携帯電話を忘れてるのに、携帯電話が作中ガジェットになってる
・・・仕事用とプライベート用を分けてるんだよ、きっと!
千早や春香からの電話やメールは今持ってるプライベート用に届くけども、プロデューサーからの
それらが、その電話を揺さぶることは決してなかった、とか。
・・・あれ、なんかこれはこれで面白げなシーン作れそうじゃ?
それはそれとして。
なんだろう、すごく淡々と落ち着いた大人っぽい雰囲気で話が進む感じ。千早、春香、プロデューサーの
三者がそれぞれいっぱいいっぱいになっているところで、たった一人それを俯瞰した位置にいるかのような律子。
・・・でも多分、ちょっと与えられた情報が多くて、それをつなぎ合わせる技術があるけど、
それでも律っちゃんは律っちゃんで、実はいっぱいいっぱいのようでも。
浮き足立っている自分の挙動を幽体離脱でもしたかのように他人事のように眺める感覚をごくたまに
覚えることがあるのですが、なんかそういう視点から眺めている律っちゃんが見える気がします。
・・・つまりは、あくまでも自分の印象ながら律っちゃんも相当「冷静ぶって」いるなあって感じw
突き放すのもきびしさと同時に自分自身の余裕の無さの裏返し、みたいな。
自分の小ささに自覚的であることから、一般的な「律子らしさ」ではない部分ながら味と落ち着きのある
「律子らしさ」がほの見えるように思えました。
狙って無彩色やセピアにした映像みたいな感じですね。文章そのものの落ち着いた雰囲気がいい。
それにしてもこのプロデューサー、若いってか青いなあw
123:創る名無しに見る名無し
09/12/30 17:52:29 Cjt81kYy
>>87
なんつーか、あいかわらずひでえw(褒め言葉)
島原Pの視点の中には、プレイヤー目線がごく自然に混じっていて時折いやアンタそれ言ったら身も蓋もないってw
・・・みたいな良くも悪くもドライなネタが含まれることも多いようですが、それでいてそこに嫌味を感じないのが技ですな。
ひどいこと言ってるなあと思いながらも、うわ、やりそう・・・と感じてしまうイイ位置の狙いすまし具合と
それを追っているうちに読み手もいつの間にかストライクゾーンが広がってるというか。
多分、4/4の武田さんの言いようなんぞ、いきなりそこから入ったら、さすがにおいちょっと待てや、とか
なりそうですが、そこに至るまでの過程をゲラゲラ笑いながら来てしまうと、ついアリだ!となってしまうw
あと、ママめ~、がなんか妙にツボにはまったw いかにも言いそうだし。その後の行動も、バカンスの時の
二つあるから一つ下さい!のおばかノリそのまんま過ぎて、「そういうもの」回りの論評もひどいんだけど
自分でもその通りと思ってしまうことがそのまんま文章になってるもんだから、笑ってしまうしかない。
テンポとネタの軽妙さと反感を買わないレベルを見切ったような適度な口の悪さ、と先ほども挙げた身も蓋も無さで
読み手の方もその毒っ気についついのせられてしまうのが持ち味だと思えます。
でもそう思ってみてみると、はじまってる段階から全日本鹿学会とかなんとも不条理ネタだったりして・・・地デジカ?
そして一方その頃、彼の親愛なる従姉妹殿はプロデューサーがわざわざゲイツはたいて買い込んできた
うまセットを前にして、イイ笑顔でハリセン構えてましたとさ、とか。
なんにしろ、こうやって野暮を言うよりは読んでゲラゲラ笑って、水に流しとけって感じですな
だが、敢えて声を大にして言おう。この武田さんは立派にヘンタイプロデューサーだw
>>97
はじまりとおしまいなんてつながってめぐるもの、と。
・・・あれ? これ全編通して「空」のイメージが相当合うような。
自分の失敗談を、きっと周りが見えなくなるほど、言ってることの自分にとっての恥ずかしさも
忘れてしまうほどの力説をしている雪歩の図が非常に容易に想像できて実にかわいらしいです。
いや、ネガティブ自慢って結構ありますよね、それ自慢にならないってとこまで妙に力入って語ってるとかいうパターンも。
雪歩-愛の例を考えると、頼りになりそうにないのに、案外頼りになるというか、和む先輩って立ち位置は
意外と似合うのかもしれませんね・・・でも、全体としては「先輩としての威厳をだな」とか教え込まれて
「威厳、威厳・・・はい、わかりましたぁ!」とか返事して精一杯しかつめらしい態度を取ろうとするも
「雪歩先輩!」って持ち上げられてなんか嬉しくなっちゃって、「あ、お茶飲まない? 荷物持とうか?」
みたいな、おい、どっちが後輩だよ?なサービス過剰状態になっちゃうなんて方がらしいかなw
・・・よし、と。とりあえずはこれで全部になるかな? 途中またちょっと規制掛かってたりしたけども。
そしてまた、まだあと一日あるので年越しネタ、大晦日ネタなどもしかするとあったりするかなあなんてのも
ちょっとだけ期待してたりするけども、取りあえず今年一年いろいろ楽しく読ませていただきました
来年も変わらず、また皆さまの新たな投下を期待しております。よい落とし・・・お年を!
124:雨晴P
10/01/03 01:46:46 nutjjJFg
あけましておめでとうございます、雨晴です。今年もよろしくお願いします。
前作の感想、有難う御座います!正直、万人受けするものではないなぁとは思ってましたが、好意的に受け入れて下さる方ばかりで泣きそうでした。
さて、今回は年始と言う事でお盆ネタです。マジです。
何をトチ狂ったか、ここに来て夏ネタです。しかも何だかんだで殆ど書いたことのないギャグです。
実は、今年のお盆にアップしようと思ってすっかり忘れていたのを先日発掘しまして。折角なので仕上げてきました。
こんな季節感ゼロ&慣れない書き方のSSで新年一発目っていうのは気が引けるんですが、ほら、新年初雪歩っていうのも悪くないじゃない?(僕が)
では、謙遜だとかでなく本当にくだらないお話ですが、お正月の暇潰しくらいになれば・・・3レス予定です。
125:季節外れの馬鹿話/OBON!(1/4)@雨晴P
10/01/03 01:54:31 nutjjJFg
事務所のエアコンが壊れた。
正確に言えば、事務所にひとつしかなく備え付きであった歴戦の老兵(推定15歳)が遂に力尽きた。
外気温は30度を余裕で上回る真夏日。室内温度なんて確認しようものなら、意識くらい簡単に吹き飛んで下さることだろう。
事態は混沌と化していた。ある者は奇声を発し、ある者は地球温暖化の恐怖に打ち震えている。
北海道出身の社員が生気の無い顔で故郷の写真を舐めまわし、うっかり温度計を見てしまった小鳥さんがゆっくりと倒れて、数秒後に「暑い!」とか叫んで現世に復帰。
それ即ち、混沌である。
元はと言えば、調子が悪いから修理に出しましょうよと1年前から言っていたにも関わらず、提案を受け入れなかった社長が悪いのだ。
「逆に考えたまえ諸君、これでいつでも南国気分だ!」
とか何とか社長がのたまい仰せられたので、社員数名で取り押さえて布団に包んで縛っておいた。サウナ効果でより健康的なことだろう。
電気会社に老兵の緊急手術を要請するものの、先方は拒否。なぜなら、世間は今お盆休みだ。
そんな訳で、事務所は休業。
・・・良いのかそれで。仮にも芸能事務所じゃないのか。お盆は稼ぎ時じゃないのか。
しかしまあ、気にしたら負けである。割り切りも込めた溜め息一つ。それに、何だ。こういう時にしか出来ないこともあろうに。
思い、まずは携帯電話を取り出した。3度のコールで繋がり、やあ、と切り出す。
『おはようございます、プロデューサー』
「おはよう、雪歩。唐突だが、今日はお休みだ」
考えるような数拍。
なぜですか?と尋ねられたので、かいつまんで伝えておく。
『えっと、良いんでしょうか?』
「まあ雪歩は今日、日程調整だけで仕事は無かったからな」
折角の盆休みだから、しっかり休め。そう言うと、困ったような声が聞こえてくる。
「どうした?」
『え、っと、それが・・・』
聞けばご両親共に不在で、本日は大変暇であるらしい。
ふむ。
「なら雪歩、事務所に来てみないか」
『え、事務所はお休みじゃないんですか?』
その切り替えしに、事務所を見渡す。社員数人は買出し、家が近い小鳥さんは必要機材の担当。席を外している。
絞め殺しの窓の外がまるでオアシスのようで、平時であれば在る筈の無い思考にある種の戦慄を覚えた。
「いや、なに」
自然に口許が歪む。
「ちょっとした昼食を、ね」
126:季節外れの馬鹿話/OBON!(2/4)@雨晴P
10/01/03 01:56:23 nutjjJFg
約束の時間はお昼で、太陽は一番てっぺんまで昇っていて、電車から降りた途端熱風に晒された。
しかし、大した障害ではない。何せ彼からのお誘いである。それも、お食事らしい。
そりゃあもう顔が綻んでいるのが自分でもわかって、事務所までの足取りは軽い。
喫茶店のガラスを使って身だしなみを気にしてみたりとかしつつ、いつもより数分ほど早く目的地へ辿りついた。
彼に着きました、とメール。入っておいで、と返信。あれ?事務所は閉まっているんじゃ?
訝しげに思いつつ、階段を昇る。ドアノブをまわし、戸に力を入れる。簡単に開いた。
「失礼し・・・」
同時に、温風。
反射的に顔を顰めてしまい、しかし視界は確保する。霧だか湯気だか、というか湯気だ。なんで?
奥に進む。え、何、サウナですか?
ようやく到達したらしい中心地では、目を疑う光景が繰り広げられている。その光景が一体何であるのか、暫く考えた。
いや、考えずとも私はそれを知っている。知っているけれど、頭が理解しようとしない。
状況把握が間に合わず、しばし呆然とする。
ああ、でも、これは、どう見ても。
鍋だ。
「おお、来たな雪歩」
そう言う彼がつまむのは、ツミレ。思えばスーツ姿ばかり見てきたから、Tシャツ一枚と言うのは新鮮です。
・・・あれ?私、現実逃避してます。
「雪歩ちゃん、雪歩ちゃん」
掛けられた声に顔を向ければ、にっこり笑う小鳥さんが居た。汗だくで。
「はい。お皿とお箸、雪歩ちゃんの分」
有無を言わさず握らされた。なぜかそこに居た春香ちゃんが、おいしいです、おいしいです、なんて言いながら咀嚼している。
あまり接点のない他のプロデューサーの方々は、頑張れ、負けるなよ、と励ましてくれた。何が?
「あ、あの」
「どうした?」
はふはふ言いながらプロデューサーが答えてくれて、あまりの自然さにむしろ私が間違ってるんじゃないかという錯覚に陥る。
「・・・何をしているんですか?」
「何って」
お皿から白菜を掴み上げる。
「・・・鍋?」
「夏ですよね?」
ん、と彼が首を傾げる。
「何だ、雪歩は冬にアイスを食べないのか?あれはあれで美味しいじゃないか」
「わ、プロデューサーさん、その例えは的を射てますね!」
そうでしょう!流石です!そんなやりとりを横目に周りを見渡せば、社員の方々はむしろ具材を取り合っている。
てめぇそりゃ俺のトリだふざけんな!とか、じゃあさっきのアンコウ返せこのカス、とか聞こえてくる。
何これ。
127:季節外れの馬鹿話/OBON!(3/4)@雨晴P
10/01/03 01:58:20 nutjjJFg
プロデューサーが諍いに割って入り、菜箸で鶏肉とアンコウの切り身を投入する。ちゃぽん、と軽い音。
「夏、エアコンが壊れた、地獄のような暑さとくれば?」
『鍋!鍋!鍋!さっぱりポン酢であったかポカポカ真夏鍋!夏はサウナで鍋パーティー!』
私を除いた、そこに居る全ての人たちの唱和。男女の区別なく壮大に響き渡る。
そこに存在するのは、紛れもなく笑顔だ。ただし、汗まみれの。
正直、ゾッとした。満足そうに頷くプロデューサーが、そのままの表情でこちらを向く。
「わかったか?」
「いえ、残念ながら」
首を振りながら答えると、む、と渋い顔をされる。
「いいか雪歩、夏に汗をかくことは必要なことなんだ」
「そうよ雪歩ちゃん。鍋は身体を内側から暖めてくれるんですよ?」
「いえ、それについては私もわかるんですけれど」
改めて見渡す。ふと見えた温度計に意識ごと持っていかれそうなのを堪え、相対。
煮えたぎる食材。先の社員さんふたりは、お互いアンコウと鶏肉を肩を組みながら頬張っている。うわぁ。
プロデューサーが、ああ、と声を上げた。
「そうか雪歩。鍋は嫌いか」
「いえそう言う訳ではなく」
「じゃあ何なんだ」
尋ねられる。小鳥さんが私のお皿に魚の白身を載せようとするのを慌てて阻止。
美味しいのに。そう言いながら、彼女が自らの口へと運ぶ。ある種の恐怖さえ覚える。
「・・・ごめんなさい、プロデューサー。私、よくわからないんです」
「何がだ?」
「時期を考えていただければ・・・」
数秒、お皿片手に箸を休めず彼が悩む。えのきを良く噛んでから、或いは飲み込んでから、ああ、成る程。そう口にする。
「まあ確かに、真昼間から鍋と言うのは少しおかしくはあるな」
「いえですからそう言う訳ではなく」
無意識に頭を抑える。何だろうこれ。
「今日の雪歩ちゃんはツッコマーですねぇ」
「ボケてないんですけどね」
えー・・・。
128:季節外れの馬鹿話/OBON!(4/4)@雨晴P
10/01/03 01:59:36 nutjjJFg
「とにかく、やめた方がいいと思います」
「何でだ、こんなに素晴らしい鍋パーティーだというのに」
切り返しに疲れたので、取り敢えず空いていたオフィスチェアに腰を降ろす。
「こんなの、絶対に身体に悪いですよぅ」
なぜか泣けてきた。嗅覚を刺激する、出汁の香り。
「どうして泣くんだ雪歩。おいしいぞ?」
「ほら雪歩ちゃん、騙されたと思って食べてみて?」
いつの間にか傍に居た小鳥さんが、左手にセットしたままだったお皿を盛り付けていく。あっという間に冬景色。
「ぅぅ・・・」
ただでさえ猛暑日で、エアコンは無くて、鍋が繰り出す熱気がこもる室内。
もういいや。もうどうにでもなれ。自棄です、もう。
アツアツの糸こんにゃくを、恐る恐る口に運ぶ。
――次の瞬間には、世界が変わって見えていた。
約束の時間はお昼で、太陽は一番上まで昇っていて、電車から降りた途端熱風に晒された。
しかし、大した障害ではない。何せ彼からのお誘いである。それも、お食事らしい。
そりゃあもう顔が綻んでいるのが自分でもわかって、事務所までの足取りは軽い。
喫茶店のガラスを使って少し身だしなみを気にしてみたりとかしつつ、いつもより数分ほど早く目的地へ辿りついた。
彼に着きました、とメール。入ってきな、と返信を受けた。
あれ?事務所は閉まっているんじゃ?
訝しげに思いつつ、階段を昇る。ドアノブをまわし、戸に力を入れる。簡単に開いた。
「失礼し・・・」
同時に、温風。
反射的に顔を顰めてしまい、しかし視界は確保する。霧だか湯気だか、というか湯気だ。なんで?
奥に進む。え、何、サウナ?ようやく到達したらしい中心地では、目を疑う光景が繰り広げられている。
何、これ。
いや、私はそれを知っている。知っているけれど、頭が理解しようとしない。
状況把握が間に合わず、しばし呆然とする。
ああ、でも、これは、どう見ても、
鍋だ。
「おお、来たな千早」
129:雨晴P
10/01/03 02:43:01 nutjjJFg
以上です。以下、アイドルの数だけループ。・・・社長が死んじゃう!w
真夏の鍋、僕も去年友人宅でやりました。ちなみに、地獄でした。
ただ、食べてみると美味しいんですよね・・・限界までならば。限界超えると気持ち悪くなりますよね。何事も程々が大事です。
さて、何がしたかったかと言えば、ただ単純に雪歩にツッコミをやらせてみたかっただけでしたw取り敢えず、それだけは満足ですw
そんなことより、ギャグ回って何が大切かってテンポだと思うんですが、そもそもこういう話を書かないので掴み辛かったです。
改めてうすた京介さんとか、本当に尊敬できました。・・・あっちは漫画ですが。
そんなこんなで、何でも書いておくべきだなぁと再認識。でも次は、次こそは俺、甘いの書いてくるんです・・・!w
では、以下前作で頂いた感想への返信をば・・・
>>69様
まあ、こんなフレーズですし、正直僕もどっかで使われてるだろうと思ってましたw
ただ、どんな形であれ何らかの視点を掴んで頂けたなら嬉しいです、有難う御座います!
>>70様、71様
何度も読んで頂く事も一つの目標でした、有難う御座います・・・
飲み込んで頂いた状況が、読み手の方々に納得出来るものであれば幸いです・・・
>>71様
短さについては、今回は勘弁していただけると・・・w
こういう話って、幾らでも長く出来ると思うんですが、敢えてのこの形です。・・・それにしても短すぎたかなぁ、とも思いますがw
>>72様、>>73様
種明かしはしないです。勿論書いていた時に浮かべていた話の背景はありますが、それをお任せしたくてこの形ですし。
余韻や後読感にご感想頂けるというのは、本当に幸せです・・・嬉しいっす、有難う御座います・・・
>>72様
彼女はどこにいるんでしょうね。あ、甘いのは最高ですよね
>>73様、82様
品が良いのでしょうか・・・wちょっと自分ではわからないんですが、このスタイルを大事にしたいと思います。有難う御座います!
>>82 島原薫様
完全に、特に僕的には実験作でした。確かに、頂く感想は好意的に受け取ってくださる方ばかりで・・・有難いです・・・
>>83-86 、TENGAさん万能説
ひどいw 目一杯!で正直吹きましたw
こうやってギャグ書くんだなぁ、とか思いつつ・・・
何よりも、僕は1人称で何人も登場人物出すってことに慣れていないので・・・勉強させて頂きます、典雅でw
>>122様
規制解除おめでとうございます、お帰りなさいませ。毎回の感想、有難うございます!
それこそスタイルとしては"雨のち晴れ"の延長のような形で書きましたから、詩的に纏めることを最優先させました。
この手のモノをアッサリと読んでいただくには、やっぱり詩的スタイルかなぁ、なんて。
キレイだなんて言っていただけると、何というか、嬉しいんですが正直恥ずかしいですwですが、有難うございます。
私の声が~への沢山の感想、本当に有難う御座いました!では、本年も良い年でありますように・・・
次はきっと甘い奴をお持ちします・・・w
130:創る名無しに見る名無し
10/01/03 05:13:20 4bgj+dQp
なんですかこのクトゥルーはw
おっかしいな、正月に鍋モノは季節感あって、え、そういう問題じゃない?
夜中にくすりと笑わせていただきました。ゴチです
131:創る名無しに見る名無し
10/01/03 08:20:44 RC4MZi1Z
>>129
ごちそうさまでしたウェップw
前シーズンの夏に響の中の人が夏になると我慢大会やってるって言ってたな。
狙い通りツッコミゆきぽかわゆうございました。GJ!
132:創る名無しに見る名無し
10/01/03 22:29:13 4bgj+dQp
今週のアイマスステーション!!!がとってもタイムリーでした
133: ◆yHhcvqAd4.
10/01/04 01:04:36 jRXkwGE2
どうもです。明けまして(ry)今年(ry)
SSを書いたので落としに参りました。4レスお借りします。
134:favorite 1/4
10/01/04 01:05:19 jRXkwGE2
冬本番、暖房の効いた車の中でさえ、窓は冷気を放っている。
助手席から眺める東京の街は、今日も忙しい。日も落ちてシャッターを下ろす準備をする店も中にはあるが、
まだまだ道も明るく、歩道を行く人の表情に疲労感はあまり見えない。一般的な企業の終業時刻は過ぎている。
信号待ちをしているあの人は、隣の人と楽しそうに談笑している。きっと、あの後アフター5でお酒でも飲
みに行くんだろう。見知らぬ人ながら、いい表情をしていると思った。
一方私はといえば……体が声にならない悲鳴をあげている。前腕や太もも、ふくらはぎの辺りがミシミシ言
っているようだ。それも、今日一日を振り返ってみれば、無理も無いことだろう。
元々予定では午前中にダンスレッスン、午後に歌詞レッスンを入れてあったのだが、トレーナーの都合で午
後のレッスンがキャンセル。ダンスのスタジオの方も予約が入っておらず、ダンスの先生も時間が空いていた
ということで、ついさっきまでぶっ続けで新曲の踊りの練習と今までの私のダンスの総点検を行っていたのだ。
普段は時間に追われて見ることができない微細な部分までチェックすることができて、得られたものは大きか
った。しかし、その代償にこの重たい疲労だ。
「ふぅ……」
プロデューサーの車に乗せてもらってから何度目になるだろう。深い溜息が出た。
「随分お疲れのようだな、律子」
「『ようだ』じゃなくて、随分お疲れなんですよ、律子さんは。もう全身がだるくって」
「ははっ、そうだろうな」
そう言うプロデューサーの笑いも、どこか乾いている。この人と来たら、遠目からのんびりと眺めていれば
いいのに、わざわざ着替えて私の横で一緒になって練習していたのだ。
「プロデューサーこそ、大丈夫なんですか?」
「まぁ、ヘトヘトではあるが……」
「なんであんなことを? 別にプロデューサーが新曲を踊るわけでも無いのに」
前方の信号が赤に変わった。車が速度を落としていく。体が前に引っ張られて、シートベルトが食い込む。
「ああ、あれはな」
たん、たん、たん。長い人差し指がハンドルをタップする。
「運動不足の解消……と思ったのが、25%ぐらいだな」
「残りの75%は?」
顔を僅かに傾けて、プロデューサーが私に流し目を送った。
「律子のやっていることを、少しだけ体感しておきたいと思ってな。ダンスレッスンって言葉で言うのは簡単
だけど、どれぐらい大変なのか。トレーナーがいつも注意して見ているのは、どんなポイントなのか。律子は
どんなアドバイスを出されていることが多いのか。そういうの、もう少し深く知っておこうと思ったんだ」
真面目な声だった。気持ちは嬉しいけど、プロデューサーの声に滲む疲労を思うと、喜べなかった。
信号が青に変わる。青から赤に変わる時は黄色を通過するのに、赤から青に変わるのは、いつでも突然だ。
「けど、それにしたっていきなり過ぎると思います。プロデューサーだって体が資本なんですから、慣れない
ことしたら怪我するかもしれないじゃないですか」
「……ま、律子の言う通りだな。思ってたよりキツかった。筋肉痛が怖いよ」
隣を走っていた車が速度を上げて、私達を追い抜いていく。その後ろを追いかけるようにして、赤いスポー
ツカーが駆けていった。
信号を三つほど過ぎた頃、プロデューサーのお腹が鳴き声をあげた。ステレオの音量を下げていたせいで、
助手席までよく聞こえた。
プロデューサーはわざとらしい咳払いをして、顔を赤らめた。その様子を見ていたら、思い出したように
空腹感が歩み寄ってきた。時計を見れば、もうそろそろ夕食には丁度いい時間帯だ。
「律子、腹減ってないか?」
空腹のサインを誤魔化せていないことを悟ったのか、プロデューサーが切り出してきた。
「正直言うと、腹ペコですね。今日は運動量が多かったですから」
「よし、それならどっかで食っていこう」
仕事が夕方や夜までかかった時は、こんな風に話が進んで夕食に連れて行ってもらっているのだけど、今日
のプロデューサーは声が弾んでいる。私も人のことは言えないけど、よっぽどお腹が減っているのだろう。ち
ょっと微笑ましい。
「どっか行きたい所、あるか?」
「プロデューサーはどうなんですか?」
「俺か? そうだな……肉だな、肉が食いたい。今夜は肉食獣になりたい」
「肉かぁ……いいですね。私もタンパク源が欲しい気分です。いい所知ってたら、連れて行って下さいよ」
プロデューサーの言葉に私が乗ると、
「よし、それじゃあ決まりだな」
と、にんまり笑って彼はハンドルを握り締めた。
135:favorite 2/4
10/01/04 01:06:16 jRXkwGE2
彼に案内されながら辿り着いた場所は、通りに面したビルをエレベーターで昇った所にある店。焼肉屋とい
うより、定食屋にカテゴライズされるようだ。『ごはんお替り自由』という文字が書かれている辺り、男性の
好きそうな店といった感じがする。
店内の客足は上々。テーブル席に空きが無いということで、カウンター席の隅を薦められて、二人並んでそ
こに腰を下ろす。私は壁側で、プロデューサーがその隣。肉を焼いている姿をカウンター越しに見せるという
スタイルでやっている店のようだが、彼らから見て右後方にあたるこの席からは、特にそれがよく見える。威
勢良く客からの注文が読み上げられ、厨房の中からも外からも復唱される。活気があった。
「どれにしようかな……」
そんなことを言いながらも、プロデューサーが広げてくれたメニューに視線を落とすまで、私の目は厨房の
中を向いたままだった。メニューの中を見てみると、元々印刷されている物に加え、ご丁寧に栄養成分の詳細
が書かれている。脂肪分の少なめな物を探すと、牛タンのセットが丁度良さそうだった。プロデューサーの方
は既に注文が決まっていたようで、私が決め終わると同時に注文が確定した。
「こういう店、よく来るんですか?」
周りの客層を見て、男性に混じって席に座る女性の姿があるのを確認しつつ、プロデューサーに尋ねる。
「まぁな。ガッツリ食いたくなると、大抵ここだな。焼肉屋はニオイが付き易いし、苦しくなるぐらい食っち
まう時があるから」
「なるほど……」
厨房の中では、私達の注文を受けてなのか、数枚の肉が鉄板の上に躍り出た。鉄板の前に立つ男の人は、先
程私達が店に入った時から─きっと私達が来る前からずっと─その場をほとんど動いていなかった。肉を
焼く担当。何時からかは分からないけれど、勤務時間の終わりまで、ずっとあそこにいるのだろうか。
注文を受けて、肉を焼いて。その繰り返しの間、あの人はどんなことを考えているんだろう。
肉が裏返った。
「どうした律子。ぼんやりしてるけど、そんなに疲れちゃったか?」
「いえ、厨房が見えるような店って、珍しいな、って思って」
そうか、と言って、プロデューサーがお茶を啜った。
「男の人って、肉が好きな人多いですよね」
「ああ、そうだな。律子はどうだ?」
「私ですか? まぁ、それなりかな。嫌いでは無いです。肉嫌いだから食べないっていう友達もいますけど」
「うーん、肉の何が嫌なんだろうな」
「さぁ……ニオイ、とか?」
「まぁ、好みは人それぞれだよな。性別による傾向ぐらいはありそうなもんだけど」
別の客からの注文を読み上げる声が、店内に響いた。
「よく言われてるのが『女性の甘い物好き』とかな。律子も好きだろ?」
いくらか言外の意味を含んだ眼差しで、プロデューサーが私を見た。
「……ええ、そこは否定しませんよ。甘い物が無いと生きていけません。脳はブドウ糖しかエネルギーにでき
ないんだから、やはり糖分は必要なんです」
「た、確かにそうだが……」
以前、ライブイベントの打ち上げでケーキバイキングを奢ってもらった時、プロデューサーが私の皿を見て
引き攣った顔になったことを思い出した。あの時と、同じ顔になっている。
そりゃあ、ちょっと食べ過ぎちゃったとは思うけど。
136:favorite 3/4
10/01/04 01:07:27 jRXkwGE2
予想していたよりも早く、料理がカウンターへやってきた。ホカホカと湯気も立ち、香ばしい匂いが食欲を
掻き立てる。思わず私のお腹も鳴ってしまったけれど、鉄板で肉が焼ける音や、周囲の客の話し声に消されて
隣の席までは聞こえなかったようだ。プロデューサーは何の反応も示さず、ただ目の前の皿に目が釘付けにさ
れている。隣の席に続いて、私の目の前にもお盆が差し出された。
お盆の上には、麦飯、とろろ、テール肉の入った透明なスープ、漬物の小皿、そして焼き目のついた牛タン。
二人のお盆の間には、プロデューサーが頼んでくれたサラダがある。
こんなに食べきれるだろうか。それが私の抱いた第一印象だった。
「じゃ、食べるか」
パキンと小気味良い音を立てながらプロデューサーが割り箸を割った。頂きますと一礼、箸を手に取る。
何も考えずに箸を伸ばしてみると、牛タンに辿り着いた。くっきりと残る規則的な模様が目を引いたし、体
が求めているような気がした。
固くて噛み切り辛いというイメージをどこかに抱いていたが、いい意味で裏切られた。噛み締める度に、顎
の内側がギュッと締め付けられるようだ。脂が乗っているが、脂っこくは無い。『美味しい』よりも、『旨い』
という表現がぴったりくる、逞しい味だ。
「んー……ウマい」
美味しいですね、と私が言う前に、プロデューサーが味わい深い声を漏らした。私が相槌を打つ前に、もう
二口目を食べ始めている。ガツガツ、ムシャムシャ。擬音で表したらそんな所だろう。
食べるというより、貪る。夢中になっているプロデューサーの姿は、狩りで捕らえた獲物にありつく獣を思
い起こさせた。もっとも、狩りで生計を立てる野獣は楽しんで食事をしている訳ではなく、文字通りの死活問
題なのだけど。
隣を眺めている場合じゃない。冷めてしまわない内に、私も食べよう。箸を進める。
粒の立った麦飯、コクのあるスープ、堂々たる存在感の肉を、舌で味わいながら飲み込んでいく。
つるつると喉越しの良いとろろで時折口の中を冷やす。
一口食べれば、次が欲しくなる。箸が止まる気配は全く無かった。
横で御飯のお代わりをしつつ気持ちいいぐらいにどんどん食べていくプロデューサーの姿も、いいおかずだ。
テレビのCMでお茶漬けをさらさらと掻きこむ姿を見ていて、お茶漬けが食べたくなることがある。あのCMのタ
レントに男性を採用している理由が、分かるような気がした。あの姿自体にも、食欲をそそられるのだ。
私が食べるよりもずっと早く、プロデューサーは自分の分をすっかり綺麗に平らげてしまった。しかし私の方
は、少し苦しくなってきた。まだ皿の上には肉が残っているのだけど、正直言ってお腹いっぱいだ。盛り方の問
題であまり多くは見えなかったが、器のサイズの都合、麦飯も多かった。
「……プロデューサー」
お茶を飲んでいる彼に、視線を送ってみる。
「ん? どうした?」
「まだ、お腹に空きはありますか?」
すっ、と、お盆を右へ差し出す。
「おっ……! いいのか?」
その瞬間、彼の両目がきらりと光ったような気がした。喜びを隠し切れない、少年のような表情に、思わず
私の口元も緩んだ。
「ええ、どうぞ」
「それなら……頂きます」
ひょいっと箸が伸びてきた。皿の上に残っていたものが、みるみる内に捕食者にさらわれていく。
「ん、ウマい、牛タンもいいな」
感想もそこそこに、次の一枚、二枚も、あっという間に消えてしまった。茶碗に残った麦飯も、米粒一つ残
らなかった。ただ、そこにあった獲物を夢中になって食べているだけなのに、私はその姿に、訳の分からない
頼もしさのようなものを感じていた。
137:favorite 4/4
10/01/04 01:08:35 jRXkwGE2
店を出る時、彼はいつも私にするように、勘定を持ってくれた。
「いつもすみません、奢って貰っちゃって」
「いいって。その分、仕事の方しっかり頑張ってくれよな」
そう言われると、何も言えない。取り出しかけた財布をしまう。
「今日の店は、律子には多過ぎたかもな」
帰りのエレベーターの中、プロデューサーがぺこりと頭を下げた。
「私はいいですけど、プロデューサーこそ、あんなに食べて平気だったんですか?」
「ん、俺か? そうだな、俺は……」
エレベーターが一階に到着した。ドアが開く。
「大満足だ。お腹いっぱいだよ」
満面の笑みだった。そのまま、食品関係の商材にでも使えそうなぐらいの。
一緒に食事に行ったことは何度かあったけど、店を出る時に彼が満ち足りた顔をしているのを見るのは、こ
れが初めてだった。
こういうのが好きなんだな、この人は。
そんなことが分かっただけで、何故か胸の内が温かくなる。
そんなに食べてたら太っちゃいますよ、と釘を刺そうと思っていたけれど、今日は辞めておこう。
私は黙って彼の後ろをついていった。
終わり
138: ◆yHhcvqAd4.
10/01/04 01:15:37 jRXkwGE2
以上になります。批評感想など頂ければ幸いです。
一言で言うとただメシを食いに行くだけの話なんですけど、色々書いたらこうなっちゃいました。
見てて腹が減るような物を目指したかったんですが、そうなると男視点の方がマッチするなぁ、と書き終えた後に感じました。
もっと表現したいことはあるんですが、難しいですね。精進あるのみです。
139:創る名無しに見る名無し
10/01/04 07:24:10 oQQdkQ5f
>>138
肉うめえwwwつかナニここ2010は食い物特集で開始ですかw
お久しぶりです。お忙しいようですがご無事で何より。
どこのグルメ小説かというかのごとき店内の様子、食事の描写。
充分腹減りました。お節も食い飽きたので今日は肉を
食うことにします。
今年もすてきなSSをよろしくお願いします。GJでした。
140:創る名無しに見る名無し
10/01/04 15:02:27 EGPh9zIa
この店、間違いなく「ねぎし」だな!
飯の描写って難しいと思うんだが、うまそうでよかった
141:創る名無しに見る名無し
10/01/04 20:22:30 /NPCfjJ+
どう読んでもねぎしです本当にありがとうございました。
千早スレの炒飯といい年末から、はらm…はらぺこキャラが集まってますね。
今年もよろしくです。
142:創る名無しに見る名無し
10/01/05 00:53:37 OJyAE+01
>>129
言葉の使い方、口調、言い回し、リズムがいつもの雨晴Pですね。
でも充分に面白いし笑えますよ。
元々雨晴Pの書くものには、ユーモア要素が少なくないですし、
ギャグだから、と構えたりテンポを変えたりする必要はない気がします。
重い流れの中で一発ネタをかました方が、より引き立って面白いこともありますし、
結局は、その中でメインで表現したいものが何か、という違いだけじゃないかなあ、と。
特に、雨晴Pの作風を知っている人間にとっては、いつもの調子でやってくれた方が、
その中に出てくるギャグに意外性を感じて面白いと感じる気がします。
知らない人にとっては、どう感じるかわからないですが・・・。
しかし、やよいや亜美真美は喜んで鍋を食べ始めそうな気がw
>>134
律子の話す言葉に、ありがちなひねりがないのですが、
それが逆に状況の特異性(とは大げさ?)を出してる気がします。
あと、状況描写が客観的でかつ様々な連想を出すという点でも、律子視点が正解だと思います。
おいしそうだ、という主観が確実に混ざりながらも、客観的描写をするには律子が最適ですし。
何より、第三者視点だと、主観が混ぜづらいですから。
おいしそう、食べたい、これが難しくなるのではないかと。
それと、この「大したことではないが、距離が縮まった感触」っていうのが、凄くよく感じられて、
これがまた「ごちそうさま」な感触を与えてくれるという、食事話にふさわしい読後感でした。
143:創る名無しに見る名無し
10/01/05 00:55:48 OJyAE+01
うわ。
間違ってはいないけど、感想付けるなら普通は>>138にレスしますわねえ・・・。
ってことで、上の>>134宛は>>138宛でお願いします。
144:創る名無しに見る名無し
10/01/05 01:01:27 zqdtmqFr
>>129
『鍋!鍋!鍋!さっぱりポン酢であったかポカポカ真夏鍋!夏はサウナで鍋パーティー!』
Gung-ho!Gung-ho!Gung-ho!
・・・とかいう、幻聴が聞こえてきましたがな。あんたら、どこの海兵隊だw
ていうか、頭あったかすぎるだろう・・・ああ、温まってるのか、じゃあしょうがないな。
なぜかそこに居た春香ちゃんが、おいしいです、おいしいです、なんて言いながらって、
どう考えても目が既にイキイキとした死んだ魚のような加減なんですが。
てな具合にツッコミどころ満載。
バカが全力でバカやってる不条理シチュエーションとテンポで突っ走る形式で、ついて行けない人を描くことで
バカさを際立たせてるのがおいしいところですな
ちらっと触れてる人もいますが響辺りはあっさりノッちゃうんじゃないかな、中の人的に。いや、抵抗してあっさり砕けてこそ
響かもだけど。響カモだけど、と変換されて噴いた。確かにカモだ。
・・・これ、どう考えても律っちゃん呼ぶのが最後になって汗だくレ○プ目ゾンビ集団対激怒リッチャンってな
なんかぷちますっぽいシチュエーションに突入しそうですw
前回評価で「品がよい」と評価している人も多いですが、それがまたお笑いにありがちなコテコテに脂ぎった印象と
また別のなにかとして感じられる点が面白く。まさにさっぱりポン酢で鍋食うが如しw
ただ、その品のよさは作風であると同時に、場合によっては縛りになってる部分もあるかな、という感覚もないわけではないかも。
今回の場合だと全体として「くすり」「あはははは」という笑いで「ぎゃはははは」「げらげらげら」にならない、みたいな
とはいえ、もう既にそれが一つの武器であり、敢えてそれを捨てるのは迷走を招く危険の方が大きそうです
前者のような笑いの方が欲しい時というのは確実にあるものですしね。
しかし今回最大のツッコミどころは「今回は年始と言う事でお盆ネタです」だったりしなくも、ないw
なんにしろ、初笑い楽しませていただきました。雨晴Pはできる子!
>>138
麦飯!とろろ!テールスープ!牛タン!・・・ちょっと仙台行ってくる!
で、感想済まそうかという衝動に駆られましたw
ただメシを食いに行くだけ、と言いますがむしろそれだけの話で見せ方が出来ることが既に芸。
男視点の方がマッチする、という見解についてもむしろ、おいしそうに食べてるなあという視点が妙に微笑ましさを
かもしだしてたというか・・・「たんとお食べ」みたいな。タンだけに。
なんていうか、おかんと新妻を足して2で割ったような感じ? 別に自分が作ったわけじゃないけど
微笑ましくもかわいらしい律っちゃんでした。
亜美真美の豚汁うどんとかもそうですが、作る人目線とはまた違う、食べる人目線の旨そう加減が伝わる一編でした。
でも、プロデューサーは牛タン食ってるワケじゃないんだよね、これw
うう、来年は仙台行く予定ないなあ。アウェイでユアスタ行ってみっしりした厚切りの牛タンガシガシ食って
喜久福と萩の月土産に帰るのがここ数年の楽しみだったのにw
>>140>>141
そのうちみんなでねぎし行って牛タン食うかーw
・・・さて。それはそれとして。
ここまで食べ物ネタが続くと・・・やっぱり期待してしまいますよね、みなさん?w
145:創る名無しに見る名無し
10/01/05 01:05:41 zqdtmqFr
あ、牛タン食ってるワケじゃない、は自分で注文したのはどうやら違うようだ、という意味で
146:レシP ◆KSbwPZKdBcln
10/01/07 06:15:06 uYIAOlEQ
( ゚д゚) 『・・・やっぱり期待してしまいますよね』
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
ええい言い訳なんぞしないっ!
レシPですごぶさた。つうよりこの局面で出てくるあたり俺自意識過剰過ぎワロス
小鳥さんで『七草十草』、4レスお借りします。
147:七草十草(1/4) ◆KSbwPZKdBcln
10/01/07 06:15:54 uYIAOlEQ
2010年のお正月もそろそろおしまいです。三が日もとうに過ぎ、週の終わりには学校の
授業が始まります。
芸能プロダクションである私たちの会社では、仕事納めや正月休みはむしろよくない
ジンクスになってしまいますが、去年から今年にかけてはありがたいことに、社長や私や
他のスタッフの皆さんはほぼ休日返上となりました。ええ、初詣も事務所の裏の神社です。
いいんです縁結びの神様だっていう話ですし。
なにより、私たちよりずっと頑張っているアイドルのみんなのために、私たちにできる
ことがあるんですから、それを喜ばなければなりません。
「お疲れさまです……おっと、小鳥さんだけですか?」
「あら、プロデューサーさん」
事務所のドアを開けて入ってきたのはプロデューサーさんでした。
「お疲れ様です。皆さん上がりですよ、もうこんな時間ですしね」
「えっ、まさか小鳥さん、俺のために事務所開けててくれたんですか?」
「いいええ。1月って営業日数少ないんですよね」
申し訳なさそうな表情になるプロデューサーさんを牽制します。気を使わせたいわけでは
ありません。
現在の765プロで、プロデューサーの肩書きを持つのは彼だけです。765プロは昔から
少数精鋭主義ですが、この人のように一人で10人ものアイドルをプロデュースできるような
人は滅多にいません。
「プロデューサーさん、やよいちゃん送ってきたんですよね。場合によっては直帰するって
電話でおっしゃってませんでした?」
「ああ、いや、早く体が空いてしまいまして。年が明けて一週間たつっていうのに事務所にも
顔出してませんでした、まあ生存証明をと」
「あ、そういえばそうですね」
プロデューサーさんの顔を見たのは、大晦日の打ち上げ以来でした。新春の生番組が
たくさんあり、彼はその立ち会いをしながら得意先回りや打ち合わせをこなしていた
のです。それで思い出しました。
「じゃあプロデューサーさん、改めて、あけましておめでとうございます。電話では言い
ましたけど、面と向かってはまだでしたから」
「あ、こりゃどうも。こちらこそあけましておめでとうございます」
お辞儀した私につられるように、ひょいと頭を下げてくれました。そして顔を上げる
と、なにか考えながら私の顔を見つめます。
「どうかしましたか?」
「……いや、小鳥さんの顔見るのも一週間ぶりだなって」
「な」
他意なく言ったのだと思います。この人はそういう人ですから。アイドルのみんなや仕事
相手、誰にでもふと心の芯をくすぐるようなことを言うのです。
でも、頭でわかっていても顔に血が上ってしまいました。
「っな、なに言ってるんですかプロデューサーさん、こっ、こんな私みたいな顔なんか
見たってなんにもなりませんよっ」
「あ、いやそんなつもりじゃ」
だ、だいたい毎日若くてきれいなアイドルのみんなと一緒にいて、お仕事先でも美男美女
ばっかりで、こんな私なんか箸にも棒にも引っかからないなんてこと充分わかってます。
わかりきってます。
でも、それでも……気になる人にこんな風に言われると、平静ではいられません。
148:七草十草(2/4) ◆KSbwPZKdBcln
10/01/07 06:16:48 uYIAOlEQ
そんな私を見て怒らせたと解釈したのでしょうか、プロデューサーさんは慌てて言い訳
をしました。
「からかった訳じゃないですよ小鳥さん、なにか気に障ったならすみません」
「べ、別にそんな」
上背のある大きな体で両手をぶんぶん振り回して、その焦り様が少し面白く、私はすぐに
機嫌を直してしまいました。我ながら簡単な精神構造です。
「気に入らないとかじゃないです、ちょっとびっくりしただけで」
「はあ」
「そんなに怖がらなくても経費伝票却下したりしませんから」
「それは助かります、ってそういうことでもないですよ、俺の方も」
「ふふ」
どうにかいつものテンションを取り戻して、プロデューサーさんと笑い合います。
「収録の方はうまく終わりましたか?」
「やよい、頑張りましたよ。満点ですね。むしろ俺たちフロア組の腹の音がマイクに拾われ
はしないかとヒヤヒヤしましたが」
今日のお仕事はグルメ番組でした。やよいちゃんはゲストの一人で、出演者それぞれの
アイデア料理を紹介し合う内容。当然ですがプロデューサーさんがご相伴にあずかる
ことはなく、美味しそうな匂いの立ち込めるスタジオで他のスタッフさんともども指を
くわえていたとのこと。
「やよいが、一緒に出演したアイドルの子と意気投合しちゃいましてね。種子島の出身って
言ったかな、彼女の実家も生活がちょっと大変な時期、あったらしくて」
「ああ、あの。境遇似てるかもって思ってました。明るい子ですよね」
「プロデューサーとしてはキャラクターがカブるんで少々心配なんですがね。けっこう歳も
離れてるっていうのに当人同士はもうすっかり仲良しですよ。番組的にも東西対決みたい
になって盛り上がりましたし、収録後も二人で話がしたいって言われたんで、俺は途中で
お役御免になってしまった」
「帰社時間が電話で聞いたのより早いって思ってたんです。そうだったんですか」
話題の終わりに、訊ねたかったことを聞いてみました。
「ところでプロデューサーさん、お腹空いてます?」
「えっ?そうですね、実はいささか。収録が収録だったんで胃袋をしこたま刺激されましてね」
「よかった。お雑炊の用意があるんですよ、召し上がりませんか?」
「雑炊?なんでまた」
「今日は1月7日ですから」
「ははあ、七草粥ですか」
「今日だけじゃないですよ。765プロではお正月の収録があると、事務所にお食事を用意
しておくんです。三が日はおせちがありましたし、昨日まではお餅も残っていたので
お雑煮もお汁粉もできました」
去年の春に来たプロデューサーさんはご存知ではなかったようです。
芸能界というところはせっかくのお正月だというのにお仕事がたくさんある業界です。
年若いアイドルのみんなは特に、ご家族とも別行動になってしまいます。せめて楽しい
収録になるよう、言ってみれば事務所が家の代わり、私たち事務スタッフが家族の
代わりをしているのです。
「あー、やよいがそんな話してたな、そう言えば」
「千早ちゃんや伊織ちゃんなんかオフの日も来て何やかや摘んでましたよ。いかがですか?」
「わざわざ作るんでしょう?なんか悪いな」
「お気にめさらず。私も今日はもうお仕事終了ですし、ごはんがまだ少し余ってるんです。
それにその、七草の方は日持ちもしませんし、残してももったいないですからね」
「そうですか。では、遠慮なく」
149:七草十草(3/4) ◆KSbwPZKdBcln
10/01/07 06:17:41 uYIAOlEQ
少しアピールし過ぎたかな、と思ったのは私だけだったようで、プロデューサーさんは
嬉しそうに笑ってくれました。
「今日の番組のメインテーマも鍋だったんです。やよいたちが締めの雑炊をがんがん
たいらげて行くのを見ていて、スタジオ乱入まで一瞬考えてしまいました」
「あはは、あぶなかったですね。作ってきますから、少し待っていていただけますか」
「小鳥さん」
「はい?」
「……あの、そばで見ていてもいいですか?」
「ふえ」
たぶん、何の気なしに言っただけでしょう。そういう人なのですから。空腹が先立って
いるだけなんだと思います。
「ぅ、い、いいですけど、男の人は面白くないんじゃないですか?」
「いやその……すでに待ちきれなくなりまして」
ね、やっぱり。
「は、はいはい。急いで作りますね」
でも、なぜでしょう。私の頬は緩みどおしです。
臨時のキッチンになっている給茶室で、熱湯に塩を一つまみ入れて七草をゆでます。
「普通なら七草ですが、今年は『十草』で作ってみましたよ」
「十種類?七草は『芹・薺・御形・繁縷・仏之座・菘・蘿蔔』ですよね」
「正解。それに人参、椎茸と豆苗を入れるんです」
水に取って絞り、1cmに刻んで取りおきました。これは最後に雑炊に混ぜます。
「色味を加えるつもりなのと、ほら、うちには今アイドルが10人いるでしょう?」
「ああ、そういう意味ですか」
誰がどれ、ということは考えていませんでしたが、頑張って働いているみんなになぞらえて
あげられたら、そう思ってあとから買い増したのです。
「でもそれじゃ、亜美か真美のどっちかが怒りませんでしたか?」
「ぬかりはありませんよ。もやしと同じ大豆で出来た油揚げも入れてあげました」
お鍋にご飯を2膳、鶏がらスープの素を小さじ1杯、ひたひたの水で煮立たせます。
「もっとも『もやしならやよいっちじゃないの?』って言われましたけどね」
「はは、俺も今そう思いました」
「カブや大根はともかく、あとはぜんぶ野草ですからね、言ってみれば雑草です。あんまり
深く突っ込んで割り振るとかえって雰囲気悪くしそうなんで誤魔化しました」
「ねえ、小鳥さん。これも入れてもらえませんか?」
ふつふつと小さな泡が立ち始めた頃です。プロデューサーさんが突然こんなことを言い
ました。怪訝に思って振り返ると鞄から出したのでしょうか、手にタッパーを持っています。
「なんですか?それ」
「さっき言ったアイドルの子からのおすそ分けなんです。やよいもずいぶん貰いましたが、
俺にもって。料理しない身にはちょっと困ってしまうんですよね、こういうもの」
今日の収録に持参した余りだったとのことで、彼女の出身である九州では七草粥にも
入れるのだそうです。名前を忘れたが西日本で生える野菊の仲間だそうだ、と言われて
察しがつきました。
「関東で生えるのは食べられないんですよね。珍しいものをいただきました」
「小鳥さん、ご存知なんですか」
「昔教わった、くらいですかね」
150:七草十草(4/4) ◆KSbwPZKdBcln
10/01/07 06:18:33 uYIAOlEQ
詳しくは説明しないまま、ゆがいて他の野草に足しました。
溶き玉子を流し入れ、七草を混ぜて、塩と醤油で調味をしたら『七草雑炊』の出来上がり
です。
「お待たせしました。その子の地方ですよ、こうして具沢山のお雑炊にして食べるのって」
「いただきます。へえ、そうなんですか」
器に盛って渡すなりお箸で掻き込むのを、給茶室のテーブルの反対側で眺めます。
美味しそうに嬉しそうに、息もつかずに食べる姿が可愛らしくさえあります。
「少し多めに作りましたけど、食べられそうですか?」
「うん、美味い。これならその鍋の倍でもいけそうです」
「七草はお正月に食べすぎた胃を休める意味もあるんですよ?逆効果じゃないですか」
すでに一杯目は空でした。注ぎ直した茶碗もみるみるうちに減っていきます。
「ああ、すみません小鳥さん、小鳥さんも一緒に食べませんか」
「あ、そうですね。いただきます」
「ふう、いつもこんなの食えたらなあ」
……純粋にお腹が空いてるだけだと思います。この人はそういう人です。
「ま、またなにか作って差し上げましょうか?」
「嬉しいなあ、ありがとうございます小鳥さん」
「いえ」
でも、耳が赤くなっているのに気づかれやしないでしょうか。
私が一膳食べる間にもプロデューサーさんの箸が止まることはなく、またたく間にお鍋が
空っぽになってしまいました。大根とカブの身で作っておいた浅漬けもすっからかんです。
「ぷふう、ごちそうさまでした」
「ひょっとして足りませんか?七草はもうないですけど、なにか作りましょうか?」
「そこまでお手を煩わせるわけには行きませんよ」
プロデューサーさんは椅子の背に体重を乗せ、お腹をさすりました。
「でもよかったです、この野草も無駄にならずにすみましたし」
そしてこんなことを言うのです。
「なにより『ひと草』増やせた」
「はあ」
「だって」
彼は私に向かって、にっこりと微笑みました。
「765プロには、アイドルは11人いるんですから。亜美真美のことじゃなく、ね」
「……え」
「うん、小鳥さん、あなたです」
……ど、どっ……。
どうせ、ただの茶目っ気で言ってるだけです。な、なにしろプロデューサーさんは
そういう人なんです。
でも、でも。……でも。
でも、そんなこと言われたら、意識せずにいられないじゃないですか。
だって、プロデューサーさんが貰ってきた野草は。
『私だ』って足してくれた野菊の名前は。
……『嫁菜』、って、言うんです。
知ってるんですか、プロデューサーさん?
おわり
151:七草十草(あとがき) ◆KSbwPZKdBcln
10/01/07 06:23:52 uYIAOlEQ
以上です。ありがとうございました。
えー、言い訳しないって書いたので言い訳しませんが、12月にはたくさん(未完)マークのついた
作品を生み出しました(出せてねえ)。いつか完成させたい。
2010年1本目でございます。ええ食い物祭りになってるのでのこのこ出てまいりましたとも。
いろいろググったら鹿児島では七草は雑炊にしてむしろがっつり食う、と書いてあったので
ネタにしました。種子島の貧乏アイドルもいつか顔出させたいと思っていたので好都合でした。
どうしよう、腹が減ってまいりました。
皆様のお口に合えば幸い。ご意見ご指導よろしくお願いします。
前作『美希曜日よりの使者』ご感想ありがとうございます。すぐ次の作品書けるって思ってたら
こんな有様ですorz
>>55
俺自身、美希というと金髪のイメージなのです。で、髪切らなくても美希って変わっていきますので、
こういう感じのゆるやかな変革が彼女らしいかな、という解釈でした。
>>56
覚醒美希はスペックがピーキーな感じがします。だからいよいよになると記憶に支障が出たりして。
その守りたさも魅力なのでしょうが、やはりのんびりゆっくりの美希が可愛らしいですよね。
>>57
流えええぇぇぇーーーッ!
ダメそれ俺の泣けるシーンベスト2なんだからダメ(ちなみにベスト1は黒炎を殴り飛ばす羽生パパ)
>>58
トンデモかバリバリか、というのは特に公式二次(ドラマCDとかDLCドラマとか)のような単発作品、
ゲーム本編のように成長を共に追って行けない作品で表現するのに適しているんだと思います。
だからこそそういうメディアであらわせない部分が見えたらいいなあと思いながら書いていました。
うまく出来てたら光栄です。
>>82
アイドルという職業や歌っているその場面は公式がプッシュすればいいわけで、普段見えてこない
私生活や日常の風景を描くことができるのが二次創作の旨味かと思っています。事務所でお茶
引いてるアイドルとか人知れぬ趣味に没頭するアイドル、妄想する事務員(それは公式も随分
やってんなあw)、etc……。これからも楽しく世界を広げて行きたいと思います。
>>107
「通常美希の方が地に足は付いてる感じ」禿堂。誤解を恐れず言えば、覚醒美希はハニーに
カンフル入れられた美希で、非覚醒美希の方は通常の栄養で育てられた美希。
今年もよろしくお願いします。仕事は春までこの調子だぜありがとうございますーっ!
152:創る名無しに見る名無し
10/01/07 08:24:31 hUzhsHeg
雪歩以外のゴミキャラどもが無残に死ぬ話が読みたい
153:創る名無しに見る名無し
10/01/07 08:46:31 O76lsnT2
>>151
期待どころか、既定路線かと思ってましたよっとw
冗談はともかく、その自覚と根性と姿勢には敬意を表します。乙。
さて、内容ですが
落ち着いた大人の会話に見える中で、初心な小鳥さん可愛いよ小鳥さん。
今朝は一段と寒いですが、読んであったまれました。
しかしこのP、アイドルの子たちのランク上がったら修羅場招くんじゃないかw?
そのP争奪戦で、この人はこういう人、と理解してしまってる小鳥さんは、
参戦もせずに不戦敗な予感が…
154:創る名無しに見る名無し
10/01/07 12:46:58 /SES6Twt
>>151
これはひどいジゴロ
無自覚ジゴロでなくジゴロ
最後のオチ、これはいくらなんでも口説いているようにしか読めないw
もっとさらりと、
「小鳥さん、ぬかりあったんですよ。御自身の草が足りなかった。さっきのコレでぴったりです」
くらいで、もう小鳥さんなら脳内がスゴいことになる、たぶん。
いいなあ、俺も粥食いたいなぁ。嫁菜入りの。
155:創る名無しに見る名無し
10/01/07 20:00:56 epx5hn6g
ところであとで書くと言っといて感想書いてなかったのが1本あったんでカキコ
>>108
文脈といいオチの切れ味といい、同じ創発板にある星新一スレにも堂々投下
できるネタだと思いましたw
飲み会だと告げる時に、相手が女性だとつい言い足してしまう小鳥さん。
そう言ったこと、プロデューサーと会話できたことでたぶん安心して、結局
いつものように深酒してしまう小鳥さん。
さりげなくメリークリスマスの予行演習を妄想しておく小鳥さん。
知り合いにメリーと言われないように微妙に人目を避けて歩く小鳥さん。
お掃除のおばちゃんにダメ押しされてもまだ前向きに捉えようとする小鳥さん。
>小鳥はちょっと心配したように訊いた。
……「ように」?
男声の電話と聞いてまだ諦めてなかった小鳥さんw
可愛らしい小鳥さんをいっぱい拝見できました。
ごちそうさまでした。
156:創る名無しに見る名無し
10/01/08 01:18:23 XtR2C3AA
>>151
意識されてる訳じゃないとわかってても律儀にときめいてしまう小鳥さんが初心可愛くてたまらんです。
でも、見方によったらPは本当に小鳥さんにアプローチしてるけど
Pが自分を選ぶはずが無い、と思い込んで天然ジゴロとして流してるとも見れますね。
完全な天然にしてはレベルが高過ぎますしねw
ともあれPは責任をとって小鳥さんを嫁に取るべきです、GJでした
157:創る名無しに見る名無し
10/01/09 03:16:42 d4OCw1+i
>>151
なんと。釣れたw
・・・いやいや、失礼。そこで決して期待を裏切らないところが最高です。
なんというか、小さな幸せを拾い集めて頬を緩める小鳥さんが実にかわいらしいところです。
うーん、少なくとも創発ピヨちゃんはものすごい非の打ち所ない優良物件だと思うんだけどなあw
なんでこんなに自信なさげなんだろうか。公式が明らかにすることは多分無いだろうけども・・・
そしてここでも、食べるのをにこにこと観察されてしまうプロデューサー。
この辺りを見ていると、男の子のハートは胃袋にある、は至言だと思います。
事務所で二人きり、ご飯を用意して待ってる小鳥さん、というシチュエーションは確か96Pの第一作も
ほぼ同様のシチュエーションかなと思うのですが、アプローチしつつもこの人はこういう人、みたいな
一歩引いた感じがする点がある意味ピヨちゃん視点固定を強調しているようでもあり。
なんだよこれはこれで結構しっかり女性してるじゃん、って感じ?w
予定したラストに持っていく小技も随所に効いていて、つながりの部品がうまく連鎖しているのも見事。
あ、でも「お気にめさらず」は意味合いとしては「お気になさらず」と同じにはなるはずかもだけど
一般的に「お気に召す」が「気に入る」の意味で使われることを考えると、ここで使うのは避けた方が無難かも?
あと、ちょっと個人的に気になったのが「千早ちゃんや伊織ちゃんなんかオフの日も来て何やかや摘んでましたよ」
ここでは微笑ましい一言ですまされている一方で、なぜ彼女らが正月だというのにプロデューサーがいるわけ
でもない事務所にオフでも来ているのか、とか考えてしまうと・・・千早はもとより伊織もそれなりに愛されてはいる
ものの「家族が構ってくれない」ことについてはそれなり以上に寂しい思いしてそうだしなあ、とSPのアイドラ見つつw
自宅に居場所がない同士のちはいおがたまたま鉢合わせ、みたいなシチュも面白いかも?
・・・えっと、ここにみんなのおうちがあって、血はどうであれ心のつながった家族がいるんだからねっ、とか
いやま、それ自体はともかく。そういう引っ掛かりをごくさりげなく用意しているとこが自然な深みを演出してるなあ
とか感心してみたり。
なんにしろ期待に違わぬご登場に感謝。読んで胃がほっこり温まってくれましたw
158:創る名無しに見る名無し
10/01/18 05:09:48 PpMJ4T5w
>>146-151
小鳥さんの優しさが、Pの目の前で零れ落ちてるよ
小鳥さんは不憫だなあwww
159:創る名無しに見る名無し
10/01/18 21:46:20 PpMJ4T5w
とても遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
空気を読まずにギャグ(?)を投下します。
2レスお借りいたします。
160:日高愛は中二病 1/2
10/01/18 21:48:42 PpMJ4T5w
日高舞は家で掃除をしていた。その日の昼下がりには、中学校の授業は既に終わっていたが、
娘の姿は無い。彼女がアイドルとしてデビューしてからこのかた、
仕事やレッスンで時間は埋められ、昼に家へ帰ることは稀なことになっていた。
「あの子の部屋はどうなっているかしら。散らかってたらいけないわ」
母は呟いた。発せられた言葉とは裏腹に、明らかに楽しそうな顔をして、
娘の部屋へ近づいていく。思春期の少女ともなれば、父親は勿論、
同性の母親にも自分の部屋に勝手に入られることを嫌がるもので、
日高愛の場合もご多分に漏れず、部屋を探られる度に金切り声を上げて抗議するのだが、
その程度のことで自重する日高舞ではなかった。
ドアを開けて、実際に部屋を開けてみると、まるで既に掃除されたように整理整頓されていた。
「自分で片付けるから、入らないでなんて言ってたけど、本当に掃除してたのねえ」
舞はニヤリとすると、ずかずかと娘の部屋へ入っていった。
そして、躊躇無く机に向かい、中身を漁り始めた。
「手帳、手帳はどこかしら」
娘の様子に目を配るのは親の義務よねえ、などと勝手きわまりない言い訳を述べつつ、
引き出しの中身を泥棒のように荒らしていく。娘の日記を兼ねている手帳を盗み見ることが、
この母親の楽しみの一つとなっていた。自分の手帳を見られたと本人が知れば、
勿論、顔を真っ赤にして怒るわけだが、そんなことを気に掛けるぐらいなら、
愛が母のことで思い煩うこともなかろうというものである。
「あれえ、無いわねー手帳、さすがに何度も見つけられて学習したのかしら。ん…これは?」
引き出しの中の手に硬い感触を感じた舞は、それをつかんで中から引き摺り出した。
「CD?あの子ったら、私の知らないところで、一丁前に音楽を嗜んだりしてるのかしら」
CDケースの表には、暗色に覆われた絵が入っていた。
その絵の中央には、教会らしき建物が、藍色で描かれていて、
上側には何やら文字らしきロゴが入っており、絵の下側には、
CDのタイトルと思しき文字がアルファベットで「DE MYSTERIIS DOM SATHANAS」と記されていた。
「うーん、何て書いてあるのかしら、デ・ミステリイス・ドム・サザナス?読めないわ」
机の上にケースを置くと、意地の悪い笑みを浮かべ、舞は言い放った。
「聴いちゃお!」
そうと決まれば話は早い。同じ引き出しに入っていたポータブルCDプレイヤーを、
これまた拝借し、イヤホンを耳につけて、音楽を再生した。
その途端、工事現場のような音がしたので、一時停止ボタンを押した。
「な、何よ今の…」
舞は、見るものも無いのに、思わず目を逸らした。だが、
娘の趣味に対する好奇心と怖いもの見たさの感情が勝り、
再生ボタンを押し直した。イヤホンから再び騒音が聞こえてくる。
よく耳を利かせてみると、ドコドコ鳴っている工事現場のような音は、
物凄い速さで叩き出されるドラムの音であることがわかった。
その上に覆い被さるように、不気味なエレキギターの音が流れて、
おどろおどろしい雰囲気を醸し出していた。舞は額を手で拭った。
おかしな曲だ、彼女は内心そう思った。自分の音楽に関する常識とは
かけ離れた曲だとも思ったが、聴けないことはない。しかしながら、
そう考えていられるのも、歌声が入るまでだった。
「!?」
人間の声?これが人間の出す声なのか。音程は黙殺され、
そもそも歌として全く成立していない。何と言ってるのかも全くわからない。
何かを呪うような、おぞましい音がイヤホンを通じて舞に襲い掛かる。
彼女はそっと停止ボタンを押した。今一度額を拭う。手には脂汗がべったりと着いていた。
「な、な、何よコレー!?」
日高家に悲鳴が響き渡った。
161:日高愛は中二病 2/2
10/01/18 21:49:23 PpMJ4T5w
「ママ、ただいまー」
日高愛は事務所でのレッスンを終えて、帰ってきたが、いつも出迎えに来る母親の姿が無い。
怪訝な顔をしつつも、居間に入ると、その母から呼び止められた。
「愛、ここに座りなさい」
「何、ママ、急に改まって」
「これはなんなの!」
娘が座ると、母は「DE MYSTERIIS DOM SATHANAS」を机に突き出した。
「ああー、ママそれ聴いたのね、ねえ、ねえ、どうだった、それ聴いて」
愛は、悪びれることなく、かといって、怒るでもなく、しげしげと相手の顔を覗いてきたので、
舞は眉を顰めた。
「この怖いCDは何!説明しなさい!」
「これって、Mayhemの『DE MYSTERIIS DOM SATHANAS』だけど。メタルの名盤だよー。
アッティラ・シハーの呪詛ボイスに、ヘルハマーのブラストビートが最高なんだから!」
「えっ」
「えっ」
まるで常識であるかのように語る娘の姿に、母は当惑するが、
その姿に娘もどういうわけか困惑した表情を見せた。
「ママったら、ポップスしか聴いたことないから、びっくりしたかもしれないけど、
メタル界隈では、捨て曲無し、名曲揃いのアルバムって評価されてるんだから」
「メ、メタル?それって、髪染めたり、厚化粧したりするアレ?」
「そんなポーザーとMayhemを一緒にしたら困るなー。ブラックメタルのジャンルを
確立させた偉大なバンドなんだから。そもそも、ヘヴィメタルで髪染めたり、
化粧したりするのなんて、実際にはほとんどいないんだけど」
「ポーザー?ブラックメタル?訳がわからないけど、とにかく、
こんな危ない音楽を聴くのは止めなさい。正直、聴いてて気が狂いそうだったわよ」
「ええー、やーだー。気が狂いそうになるって言うけど、そういう狂気を歌ってるのが、
このアルバムなんだから。」
「狂気なんて音楽には必要無いの!音楽を聴くなら、私の曲でも聴いてなさい!」
「嫌よ、ポップスなんて音楽じゃないもん!」
「なっ!私の全業績を否定するようなこと言わないでくれる?」
娘の暴言に色を失う母。
「だってそうでしょ。J-POPなんて、プロダクションとレコード会社が結託して、
似たり寄ったりの曲を追っかけに売りつけてるだけじゃない。
そんな曲、音楽じゃないわっ、ゴミよ。いや、ゴミ以下よ!」
「きー、何てこと言うのよ。このCDが貴方をおかしくさせてるのね、なら、捨てちゃうから!」
舞は、「DE MYSTERIIS DOM SATHANAS」を取り上げると、ゴミ箱に捨てた。
「あーっ!何てことするの、もうママなんて知らない!」
愛は、投げ捨てられたCDケースを拾い上げ、玄関へひた走る。
「舞、どこに行くの!待ちなさい、待ちなさいったらー!」
わが子に伸ばした手は、あえなく空を切り、愛は夜空の下に走り去ってしまった。
「どうして、あの子ったらヘビメタなんかに走っちゃったのかしら…」
思春期特有の精神の変動に振り回される母親がここにも一人。その疑問に答えるものはいない。
その後、雪歩の家にて、愛が保護されたりするのだが、その話はまたの機会にするとしよう。
162:日高愛は中二病(後書き)
10/01/18 22:06:16 PpMJ4T5w
自分で書きながらなんですが、キャラ崩壊酷すぎワロタwww
愛シナリオのOPで、舞さんが娘の手帳をガサ入れしてるのを見て
この話を思いついたのですが。
愛ちゃんの母親に対するコンプレックスが、あさっての方向に
爆発したらどうなるだろうと思って、このSSを書きました。
いや、ぶっちゃけていうと、アイドルたちがメタルにはまっているのが
書きたかっただけなんですけどねwww
呪詛ヴォイスを張り上げるアッティラ・チハーに
吐き捨て系の絶叫ボイスを弾き語りで披露するアレキシ・ユキホ
豚の生肉を舌でペロペロするハルカ・マニアック
そして、喚き声を上げながら、速弾きするアイ・アラヤ
そういうのが凄く見たいんです、見たいんです、見たいんです。
大事なことなので三回言いました。
まあ、こんなネタに感想をつけてくれれば幸いです。
163:訂正
10/01/18 23:15:39 PpMJ4T5w
>>161
×「舞、どこに行くの!待ちなさい、待ちなさいったらー!」
○「愛、どこに行くの!待ちなさい、待ちなさいったらー!」
吾ながら酷い誤植を見た!
164:創る名無しに見る名無し
10/01/18 23:43:28 Ny5IT3PX
愛の口調が引っかかる
165:創る名無しに見る名無し
10/01/19 00:51:01 ED4lCxxO
>>162
舞の型破り感が全く影を潜め、Typicalな「大人」にされちゃってるのにまず疑問が。
さらにはアイドルポップスそのものも全否定と来ちゃうと、
愛の物語そのものに対しても違和感が出てきちゃいます。
せめて、もう少し文章量を多くして、違和感をなくす理由付けや、
納得出来るオチを付けて欲しかったかなあ、と。
愛は単純なだけに、この愛とアイドルを目指して頑張る愛が結びつかないです。
166:創る名無しに見る名無し
10/01/19 00:58:31 4V6nVKLT
違和感と2chネタがはいったセリフ、アイマスにしては不気味な展開から、
これは夢オチとか妄想オチとかその類のがくるだろうと思っていたら、
そのまま発散してしまったので、よくわかりませんでした。
167:創る名無しに見る名無し
10/01/19 06:40:01 76frRmuS
>>162
ところが俺はHMに関してこういうスタンスの友人がいるので楽しめたw
ご本人おっしゃってる通りキャラ崩壊すごいですねな話なんですが、結末で雪歩んち行った
ってことは愛は雪歩にヘビメタ洗脳されていて、彼女のご高説は雪歩からの引き写しだった
(=雪歩がすでに感染してる)などと思うとすごく楽しいです。中二病の症例を垣間見た感じで
なかなかに背筋が凍りましたな。
雪歩の自室でソーユー系の音楽垂れ流しながら表情こそ明るいガールズトークで、でも
内容は常人に理解できない会話を繰り広げる雪歩と愛がもうSSの枠とかプロットとか飛び
越えて脳内に再現されました。と言うか再現されてしまいましたどうしてくれる。
……とはいえ。
すでに言われているとおり「そのキャラらしい立ち居振る舞い」になってないのがちょっぴり
残念な部分かと。具体的には舞さんが全然舞さんらしくないのが唯一最大。作中の愛の
言動は『中二病の愛』だと捉えればそうおかしくない(もともと愛はセリフや行動に極端な
特徴がないし、娘が母に対する態度としてはまあまあこんなもん)ですので、作中で舞さん
らしい舞さんを描写することで娘の中二っぷりを効果的に表現できたかも。
序盤は解釈の範囲内ですがヘビメタCDを発見したあたりから、舞かあさんというよりそれこそ
雪歩のお母様あたりならばしっくり来る行動と感じました。萩原家も大変だったに違いない。
またのお越しをお待ちしております。
168:創る名無しに見る名無し
10/01/19 18:13:59 QzVzUZX2
愛と舞の立場が逆の方が良かったかも
JPOP否定しても実績を残した舞と、JPOP肯定して母親越えを目指す愛だったら
キャラに合ってて納得できたような気がする
後書きが無いと、何を書きたかったのかSSだけでは伝わって来なかったのが難点
169:創る名無しに見る名無し
10/01/19 18:47:31 KdvlZFyC
ギャグと宣言されてるのに素直に笑えないし、
キャラ崩壊とストーリー発散で、後味がよろしくない。
しかもその上での最後の一説がなんとも。
そのお話はまたの機会、と使う以上は、もう少し興味を引く形にして欲しい。
激突!萩原組長VS豆タンク!お楽しみに!と〆てギャグに徹するとか、
保護された場所をとんでもない場所(八甲田山中とかアフガニスタンの首都カブールとか
八丈島の南東60kmの沖合とか876プロダクション地下25m地点とか)にするとか。
今のままだと、全然またのお話とする意味が感じられません。
170:島原薫 ◆DqcSfilCKg
10/01/19 20:41:45 e02CFjwR
前作へのご感想、まことにありがとうございました。島原薫です。
今回も投下いたします。
タイトルは『ちーちゃん』。メインは千早で3レス使用。百合表現がございますので苦手な方はご注意ください。
投下後終了宣言+前作レスへのお返しです。
171:ちーちゃん(1/3) ◆DqcSfilCKg
10/01/19 20:43:18 e02CFjwR
女同士なんて気持ち悪いと思った、のに。
更衣室ではいつも隅で身を縮こませながら着替えていたのが普通だった千早が、人並みに振舞えるようになったことに春香は内心、喜んでいた。
コンプレックスからか、人と一緒に着替えることさえ拒んでいた千早がここまで変わってくれるなんて。
まるで保護者のような感慨に浸りながら、当時のことを思い浮かべてはニヤニヤとした笑みを浮かべる春香。
そんな彼女にも、千早の視線が外れることはなかった。
ブラウスのボタンがひとつ、またひとつと外れていく度に千早の心はざわつく。
少し赤みがかった肌と白のブラジャーとの稜線が目に映るともう釘づけで、それでも片端に残った良心でもってチラチラと、
春香に気づかれないように観察を続けた。
無いものねだりだと、自分の胸を見て千早自身はそう片付けたつもりだった。
けれど、目に映る景色の中心には常に春香がいて、彼女よりもスタイルの良い女の子が並んでいても視線の向かう先はいつも同じ。
親友を羨む感情なんだと自分に言い聞かせているのに必死になって、
自分の中にいる、一番ちっちゃくてワガママなちーちゃんが口を開いてトドメをさされた。
すきなんでしょ?
着替え終えた春香がこちらを向いて、やっと自分の手が止まっていたことに気づく。
どうしたの? とクリクリとよく動く瞳が千早の胸を打つ。
やめて、そんな純粋な、綺麗な目で見ないで。
自分の中のちーちゃんがお腹を抱えて笑っているのを、千早は耳を塞いでやり過ごす。
少し春香の顔に怪訝そうな色が浮かび始め、「なんでもないわ」と、千早はボタンに手をかけた。
172:ちーちゃん(2/3) ◆DqcSfilCKg
10/01/19 20:45:15 e02CFjwR
滞りなくボタンを外すはずがなかなか終わらない。
やけに凝ったデザインの為か、小さくて数の多いボタンに苦労する。
それでも普段の千早ならなんてことはないのだけれど、俯いたまま目だけで正面を見ると、相変わらず笑顔の春香がそこにいた。
もう彼女は着替え終えている。
待っていると言われればそれだけのこと。けれど、微動だにしない(ように見える)春香にある種の恐怖すら覚え始めていた。
なんとかボタンを外し終え、今度は千早が胸を露にする。
春香は動かない。小刻みに震え始めた手にはもう気づいているのだろうか、あらゆるものが千早を不安にさせる。
ねえ、千早ちゃん。
なんと意地悪なタイミングなのだろう。
ビクリとして千早が顔を上げると、春香は先ほどまでの笑みを浮かべたままだった。
着替えてて良いよ、と言われたけれど上手く体が動いてくれないことに千早は更に焦る。
なにより、「私のこと、いつも見てるでしょ?」なんていわれた日には千早はパニックに陥るしかない。
内心、どこかの舞台から飛び降りたい気分でも着替えは続く。
次に何を言い出すのか、耳と心臓だけはせっせと働いていた。
「気づいてないと思った? いつからか分からないけどすぐ分かったよ」
震えが収まらない。
次に出てくるであろうと、勝手にシミュレーションしている最悪の言葉が秒刻みで更新されていく。
うなづくことも出来ない千早。その様子を見て、「正直ね」と、春香はひとつ大きな息をついて続けた。
気持ち悪かった。
173:ちーちゃん(3/3) ◆DqcSfilCKg
10/01/19 20:46:22 e02CFjwR
大きな大きな杭が胸を貫く。
何度味わっても、絶望に慣れることなんてないことを千早は改めて実感してしまう。
千早は考える。きっと春香の目には自分はなんて醜い生き物に見えるだろうと。
おこぼれを貰おうと下卑た笑顔で近づいてきた、今まで自分が拒否してきた人たちが小さいちーちゃんと共にせせら笑っているようにも思えた。
完全に挙動を停止した千早。他人から見れば、まるでその周囲の時間まで止まってしまったような空間が千早の中だけで広がっていく。
だから、「泣かないで千早ちゃん」と春香に言われ、やっと自分が泣いていることに千早は気づいた。
しかし、この絶望は到底、収まるものではない。
気持ち悪いと思っている人間とよく一緒にいられるものだと、一番外側にいる自分が強がりを言っていた。
でもね、と春香はハンカチを出して千早の頬に手を伸ばす。
イヤイヤと駄々っ子のようにかぶりを振る千早を無理矢理捕まえると、「お化粧、またやんなきゃね」と千早の頬を拭った。
「でもね、千早ちゃんなら良っかなって思ったんだ」
「……気持ち悪いのに?」
「うん。私もなんだかんだで見てるから」
「なら……春香も気持ち悪いわ」
「そうだね。気持ち悪いね」
人間はなんて現金な生き物なんでしょう。ほら、もう私の心は晴れているわ。現金ね。ずるいわね。
自分の中のちっちゃいちーちゃんが歌っている。千早はそっと近寄ってその子の頭を撫でてあげた。
お互いに涙でボロボロでみっともなかったけれど、自分のことを初めて可愛いと思った。
ちーちゃんはムッとした顔でそっぽを向くと、どこかへ行ってしまう。
千早はそんな愛おしい自分をずっと眺めていた。
おわり
174:島原薫 ◆DqcSfilCKg
10/01/19 20:47:09 e02CFjwR
投下終了です。以下、前作へのレス返しです。
>>89
こちらも言葉が過ぎていました。申し訳ありません。
アイマス勢でも特に幼い彼女に持たせてしまうあたり、罪深いのですが楽しいですよね。
>>90
たぶん涼くんともバカップルでしょうし、"いちおう"そういう勉強もしているんでしょうね。いやらしい子!
>>91
今回は飛び道具をこれでもかと使いました。書いた後、自分でも卑怯な作品だ、と思ったのは内緒。
>>92
推敲をなまけるツケがこういうところに現れてしまい、本当に恥ずかしい限りです。
どちらのミスも私のチェックミス、勘違いでした。ご指摘、ありがとうございます。
>>93
石川、武田あたりはまだ露出も少ないのでこちらが結構、好き勝手出来るのも利点というか、便利なところですね。
誤字の件は本当に申し訳ありません。
>>107
尾崎Pはアイマス世界には珍しく、ダメなところや嫌なところを多めに盛り込んだキャラで、
書く側としてはすごく魅力的な人物ですね。藪下Pは露出が少ないのもありますが、尾崎Pとは真逆な感じ。
これからもダメ尾崎Pを書いていきたいと思います。
>>123
仰るとおり、これを言ったらダメなんだろうな、という境界線を見ながらギャグやコメディーは書いております。
このラインを踏み越えたら不快、というのは見極めがなかなか難しいのですが、はまった時の爽快感めいたものは良いですよね。
武田が変態かどうかはこれからの活躍に期待ですw
あと、鹿学会は三谷映画『有頂天ホテル』のネタです。
それでは次回投下の際もよろしくお願いします。
175:創る名無しに見る名無し
10/01/20 18:47:19 j6flGsbl
>>174
女同士なんて気持ち悪いのに、私は彼女が気になって、
彼女がそれを知っていることを知って私は途方に暮れてしまい、
彼女も私を気にしていると判って私は嬉しくなってしまった。
はるちはキタ━(゚∀゚)━━!!!
……と手を打って喜ぶ感じじゃないテイストですけどw いろいろ考えてしまいました。
ほんの数十行の間に地獄と天国と迫害と寛容を味わう千早かわいいよ千早。
うまく書けませんがこんなことが繰り返されて千早は成長してゆくのだな、と
いうふうに感じました。
春香はなにをどこまでわかってんだかわかりませんが、当人的には百合とか
無関係で、けっこう単に大親友とでも思っててもいいなあ。
咀嚼のし甲斐がありました。GJ!
ひとつだけ確認です。
一番初め、『更衣室ではいつも~変わってくれるなんて』の2行だけ春香視点、なんですよね?
ここだけ意図が不明でした。
176:創る名無しに見る名無し
10/01/21 02:03:27 mKKPuqVv
>>162 えー、感想としては
・俺はわかるから楽しめたけど、(ブラック)メタル知らない人にはサッパリだよねえ……?
・言われっぱなしってのはやっぱり舞さんらしく無いかなー
といった所です。
個人的なイメージでは舞さんって、
「Mayhemときたら当然、Burzumもセットよね? あと、まさかVenomを聞いてないとか言わないでしょうね?」
「ママ、知ってるの!」
「知ってるというか……カウント・グリシュナックが逮捕されたのって私が返り討ちにしたからだし」
「ええええええええ」
「どんな音楽聞いたっていいけど、教会に放火なんてしちゃダメよ?」
ぐらいの台詞は言いそうかなーと。
もっと知らない人にもわかるような説明を入れないと、ちと厳しいのではないかと思う次第です。(説得力無いなあ)
177:創る名無しに見る名無し
10/01/21 10:14:45 jlWBSOQo
>>174
ある種のナルシズムであり、たぶん百合ネタに限らずこういった文章を書く人間のハートをゴンゴンと叩く内容ですな。
悶えろ俺! みたいな。
俺、百合千早はどうしても受け入れられないw
でも、自分が好きなキャラで百合ネタをされるとギャーッてなる理由が判ったので、面白かった。
ゴチでしたー
178:創る名無しに見る名無し
10/01/22 00:15:27 2/5dfo/e
>>162
厳しい意見が続きますが、発想そのものは面白いと思います。
まず失敗はここまで言われているように、日高家でやってしまったことではないかと。
てか、愛はこれでもいいんですが、この展開だと、むしろ愛の方が「ママの様子がおかしい?」って悩み始めてしまうレベルかと
普通に考えられる舞ママは明確に自分の邪魔をしない限りは娘の反抗期を放置するぐらい余裕ってタイプで、
そもそも娘がメタルにハマろうが、大して気にしないんじゃないかなーと
ぶっちゃけ、アイドル活動に固執する愛を見る目と大差なさそうというか
「はしかみたいなもんだろうし、好きにやってみたら?」って態度に終始した末に
「ママに判るわけないもん!」って飛び出したのはいいが、好きになったバンドが来日したときに
舞のサインもらって喜んでるってかむしろ拝んでるの見てしまった愛の図、なんて展開になりそうw
あるいは、>>168で先に言われてしまいましたが配役逆にして愛が家に帰ったら
「髪染めたり、厚化粧したりするアレ」が化粧台前に鎮座ましましていて、さらっと「あら、愛、おかえり」から始まり
「ままま、ママが壊れた!?」
「ていうか、メタルの人だってそんな真っ白けな人、今どきいないから!」
「やーよ、ポップスなんて音楽じゃないしー」
「自分の全業績を否定っ!?」
「だって私の業績を全否定できるのなんて、私自身しかいないじゃない?」
みたいなノリで結局舞が愛をふりまわす方がらしい気になってしまうんですな。
「母親に対するコンプレックスが、あさっての方向に爆発」に対して母親のパーソナリティが強いというかいい加減すぎて
フツーな母親というステレオタイプに収められず、こういうような常識ギャップがどうしても似合わない、という
その方向だとキャラに沿わすとどうしてもズレズレ親子の空回りになっちゃう感じ。
繰り返しになりますが、「アイドルたち、メタルにハマる」という発想そのものはなかなかアリだと思うので
後はその料理の仕方かな、という感じですね
配役を考え直してみる(例えば、同じ展開でも絵理とサイネリアorオザリンとかだとアリかも・・・いや、ベタ過ぎてダメか?)
あるいは>>167案に例があるように展開やシーンを考え直してみる、あるいは内容には手を加えないにしても文章そのものを
少し噛み砕き直す、などでその方向の話は充分作りようがありそうです
・・・でも、デス声は喉に悪いので、声でお仕事してる人は気をつけましょうね、とw
>>169
「~なのだが、それはまた別の話」とか「その話は別の機会に」みたいな結び方はよく見受けられるけど
案外状況を選ぶ方法なのかもしれないな、とはここのところ思ったり。
>>176
やっぱ、日高親子の力関係だとそんなふうになっちゃうよなあw
179:創る名無しに見る名無し
10/01/22 00:16:27 2/5dfo/e
>>174
うーん・・・自分としてはキライじゃないけども、ただ部品から客観視するとおそらくアウト、って感じかなあ。
その後の自分も気持ち悪い同士、につなぐことを前提としても、やはり千早に向かって気持ち悪い、と言い放ってしまう
春香というのは、それ「だけ」だと多分アウト・・・なんじゃないかなあ、と。本来は。
ところが、主観で見てみると、これが普通だったら違和感を覚えるはず、という基準に照らした結論ほど
ナシじゃなかったりするw
この辺りは、とりあえずなにか食べよう、バカリボンへたれ狼といった一連を読んだ結果として
「ちょっと原作とは違うけど、これはこれでアリじゃね?」という。例によっていつの間にかストライクゾーン広がっている結果かなあ、と。
これだけだと多分ダメだろうに、作中の言葉選びと積み重ねの結果として受け入れるに足る島原版が既に成立してる感じ
・・・とでも言えばいいか。 これは継続的に書き、投じている人の強みではあり。
人間関係の生々しさみたいなものを表現に取り込む試みについて、ここでは最も熱心に取り組んでいるのでは。
この辺り、前々から思っていましたが、なんとなく作中で登場人物同士がなにかいろいろとお互いの距離を
探り合っているようなのみならず、表現を通して書き手と読み手の間にも探り合いを持ち掛けられてるようなw
そういう印象を覚えるところ。
自分のネガな内心の声を「殊更にシニカルなモノの見方をするように造型した子ども時代の自分」として描く
心理描写とか、他人の目がこわい・他人の目に自分がどう映っているかこわい、という部分とか
なんか映像になった状態を想像するとTV版エヴァの終盤っぽいかも。
有頂天ホテルはまだ観てないなあ。ラジヲの時間は観たけど
765プロ版ラジヲの時間・・・って、聖白バラ女学院物語になるだけかw
180:創る名無しに見る名無し
10/01/22 15:04:03 D472HaU7
>>174
気持ち悪いの元は様々だもんなあ
虫を見て生理的嫌悪感からくる気持ち悪いも、
二日酔いで頭がガンガンする気持ち悪いも、
常識から外れることの不安からくる気持ち悪いも同じ言葉に表されてしまう
本文での気持ち悪い、がどの元をそれぞれどれくらいの比率で含んでいるのかまでは
春香自身が伝えようとしなければ千早には知りえない。
だから千早は一般的解釈に基づいて気持ち悪いの意味を捉えようとして傷ついた。
でも春香はそうじゃないよ、と。YESじゃないからってナイフのようなNOでもないよ、と。
背中のホクロみたいに今まで考えもしなかったしこれからも触れないまま
普通に生きていけることについて急に好きか嫌いか答えを出せと言われても
困っちゃう話なわけで。
その辺の誤解を解こうとするわた春香さんは可愛い、もとい納得がいくのに対して、
千早が百合に至る理由が弱いと感じた。
低ランク時代冬場地方ロケでツイン泊まったらエアコン調子悪くて
春香が一緒に寝れば暖かいよってベッドに入ってきてすやすや寝ちゃったとか、
ケーキバイキングに誘われるとこれおいしいよこっちのもおいしいよほらほらあーん
なんてされて向こうはそんな気ないのになぜか千早だけどぎまぎしちゃったとか、
そんなことがあったなら千早が百合るのもしかたないなと
思わせるエピソードがあれば受ける印象ももっと柔らかくなったかもしれない
181:創る名無しに見る名無し
10/01/22 20:26:44 i9DOJOPB
>>180
その辺りの過程を今回やるのは蛇足っぽくね?
当たりをただ柔らかくするんじゃなくて、インパクト狙いにきてる感じもする
>>179の言う以前までの作品が「作者レベルで」そういう緩衝にはなってる傾向はありそうだが
だが、それはそれとして
最初ツンケンして、馴れ合いに来たわけじゃないです、他人になんて興味ありません
人に合わせて活動もイヤです、デュオとか納得できないのですが、なちーちゃんが
「一緒に寝れば暖かいよってベッドに入ってきてすやすや」とか
「これおいしいよこっちのもおいしいよほらほらあーん」とか
そんなんなってるうちについには>>175っ・・・っていう過程は
別の話として読めればヨダレガデマスw
182:創る名無しに見る名無し
10/01/22 20:33:36 i9DOJOPB
誤>>175
正>>171
orz
もののついでに
>>177
ギャーッてなる理由って具体的にはどんなもん?
興味本位だがちょっと説明聞いてみたいw
183:創る名無しに見る名無し
10/01/23 01:07:02 k5x4TBGx
>>178 やっぱり絵理がメタルにハマると、
「オススメは?」
と聞かれ
「スカイラーク全部………?」
とか言ったりするのかな。
184:創る名無しに見る名無し
10/01/23 01:39:36 LiJd7bgU
>>182
概ね、>>177に書いたことが全部なのです。
以下、言い方を変えた冗長な表現。
自分が好きなキャラというか、アイマスかつ千早だからだけど、俺にとって千早が
恋をするのは、Aランクをも超え片翼となり一緒に羽ばたいてくれるPのハズなのです。
本編のベストエンディングですら、まだ千早は恋に気づいていて欲しくないとまで思う。
これはナルシズムだと思っている。俺の脳内にいる俺が考えた千早が好き、という。
百合だけでなく男同士でもそう思うんだけど、同性に性欲を感じるというのは、
ナルシズムにみえるのです。特に「相手も実はそうだった」系について。
物語の形を借りて性的なこころを描くことは、己の性癖の開陳にも似ていて、それをして
「こういった文章を書く人間のハートをゴンゴンと叩く内容」と表現し「悶えろ俺!」と表現しました。
まあ、多分に自分の不勉強があるのだと思う。世の中をみると、このレスの枠に収まるような
矮小なものではないはずだから。
しかし、こんな理屈は「一番しっくり来る俺がギャーッてなる説明」であって、ギャーッてなるのは
飽くまでも情動。これは屁理屈だ。
千早は俺のことが好きなんですね、って言いたいんだ。
185:創る名無しに見る名無し
10/01/25 11:53:21 vCVzPFpD
なるほどまずギャーッてなるのはあくまでも自分の中でって話で
それが他を否定するわけでない以上、そう思う人がいる分には普通だろう
「これはナルシズムだと思っている。俺の脳内にいる俺が考えた千早が好き、という」
「同性に性欲を感じるというのは、ナルシズムにみえるのです」
という二文があって、これらは共にナルシズムという同じ語でくくられてるが
「物語の形を借りて性的なこころを描くことは、己の性癖の開陳にも似て」
と含めて、自分の恋愛観・性愛観をキャラに投影して開示したいという
心理の一端だと考えそれはナルシズムだと解いてるってことでよさげ?
だとすると、それは何かを著さんとするものが共有する性癖でもあろうけど。
おそらくこちらも的外れに解釈してるんだろうが感覚の世界の話のようで
思うこと全部を受け止められるわけでなしという辺りで。
興味本位に対する丁寧な回答に感謝
186:創る名無しに見る名無し
10/01/26 04:10:05 3cCKSuXf
>>185
いえ、寸分違いなく。伝わってよかった。
重ねておくと、ナルシズムの否定ではなく、自分が百合モノの直接さを受け止めきれないんだと解ったのです。
ので、島原Pのこの作品はギャーッてなりつつも最後まで読めました。
※基本、食わず嫌いだけはすまいと、可能な限り読むのです。感銘を受けたら必ずレスをする迷惑なやつですw
187:創る名無しに見る名無し
10/01/26 22:03:07 O36/eTJt
>>174
容認意見が多いようなので、あえて。
>>185と本質は一緒なんだけど、こちらは春香に違和感を持ちました。
千早にこれだけの葛藤があるのに、春香には何もないのでしょうか。
恋愛感情なしに行為に走る春香、と解釈しても違和感があるし、
P以外に恋愛感情を持つ春香、と考えると更なる違和感が。
これまでの作品が伏線だと思うと、逆にこれまでの作品の評価を
この側面から考え直さないといけない、と思いました。
188:ダメP
10/01/29 06:27:24 HyV87+w6
初です。
第1話
P「っというわけで、君たちのデビューが決まった」
春香「えっ!」
千早「えっ!?」
P「何で聞き返すんだよ?」
俺はにやけてしまう。
P「だから、天海春香さんと如月千早さんのデビューが決まりました」
春香「えっ!」
千早「えっ!?」
P「…ケンカ売ってんのか?」
鼻から笑いがこぼれてしまう。
春香「だ、だって、わたしまだアイドル候補生で、歌も下手ですし、それにリボンですよ!?」
千早「天海さん、動揺し過ぎよ」
如月さんは天海さんを制す。
うんうん、如月さんは大人だな。
千早「わたしも天海さんに同意します。わたしの歌もまだ練習余地が残っていますし、それにまだ胸も成長していません!」
P「とりあえず落ち着こうか二人とも。やっぱり落ち着こうか二人とも」
俺は社長から来た書類を彼女たちに渡す。
P「まぁ、社長からの話で、来月に一組デビューさせなさいっつーことだ。で、」
春香「で?」
P「デビューさせたいアイドル候補生のうち、天海さんと如月さんを俺はプッシュした。で、」
千早「で?」
P「社長がいいよーって言ってくださったので、デビューが決まった」
春香・千早「いやいやいや!」
P「もうシンクロスタートか?」
春香「全然説明になってませんよ!?」
千早「何故わたしたちが!?」
P「う~ん、天海さんは明るくて歌に元気があるからかな。如月さんは、」
貧乳だから!
P「言うまでもなく歌が上手いからだよ」
千早「少し考えたのが引っ掛かりますが…」
春香「なぜユニットなんですか?」
P「それは…」
なんとなく。
P「理由はあるが、まだ言えないんだ…」
春香「そんな…」
P「まぁまぁ、後で言うよ」
何か思い付いたら。
P「とりあえず、来月デビューしますので、ユニット名考えといてください。候補が無ければ、こちらで考えた物の中から選んで頂きます。
で、新曲のリリースが再来月頭だから、歌詞と振り付け覚えてくださいね。レコーディングは来月真ん中ぐらいにあります。後、デビューするに当たっての書類がわんさかあるから、とりあえずこれはお家の方に…」
春香「ちょ、ちょっとちょっと、ま、待ってください! 一辺に言われても頭が…」
P「とりあえず書類にサインだけよろしく! ではまた明日! 8時! ここに集合!」
189:創る名無しに見る名無し
10/01/29 12:29:11 t760+KG9
>>188
感想書かせていただきます。
まず最初読んでると違和感がありました。
その違和感の本は千早と春香がお互いを「如月さん」、「天海さん」と呼んでいる所で、
普段、千早は春香の事を「春香」と呼び、春香は千早の事を「千早ちゃん」と呼んでるのが自分の中でデフォ、
というか公式のラジオドラマなどではそういう風になってるんですよね。
だからお互いを「如月さん」、「天海さん」と言いあってるのが自分の中で非常に気になったのです。
しかし、考えてみるとこれはこれで正しいですよね。
そもそもラジオドラマでは二人(というかアイドル全員)がそれなりに打ち解けてる設定なんですよね。
だから「春香」「千早ちゃん」という呼び方が成立するわけで、
この作品の様にお互いが面識が無かった、もしくは少ない状態では確かに「如月さん」、「天海さん」と呼び合っていても不思議はないです。
というより自分たちに照らし合わせてみると、いきなり名前で呼び合うって普通そんな事は無いですよね。
だから最初読んだ時の違和感って言うのはこの作品に対するものよりむしろ自分の思い込みに対する違和感なのかもと思ったりしました。
190:創る名無しに見る名無し
10/01/29 13:32:44 E5xy4bsY
>>188
なにそれこわいのガイドラインかとw
ここから千早がどんな紆余曲折を経て天海さん→春香になったかを思うと
先が思いやられ…いや、先が楽しみだ
第一話てことはまだ投下あるの?
>>1にもあるけど投下終了したら一言添えてくれるだけで
こちらもレスるタイミングが取りやすくなるさー
191:ダメP
10/01/29 20:55:47 HyV87+w6
>>189
感想ありがとうございます。
感想書いてくださるとか、なんか感動ww
>>190
コメントありがとうございます。
投下宣言忘れておりました! 了解です。
いえ、適当な感じで「春香」になりますよ?ww
まだまだ続く予定ですが、終わり方も考えておりませんので、
だらだら続く可能性もあります。
ふと暇ができたら、ちまちま打つといった感じですので、何か書いてるな程度に見ていただけるとうれしいです。
192:創る名無しに見る名無し
10/01/29 22:31:23 b7o0hyL8
>>188
まず、ここまでキャラもPもその相互関係も崩壊させるなら、
連載型の分割投稿は、合わない気がします。
何より、その一部だけを読んだ時に、毎回同じ引っ掛かりを持つから。
どうせ引っ掛かるなら、一度限りで、同じ世界で全部通しで読ませた方が、印象は良くなると思うので。
とまあ、暗に言ってますが、キャラや関係の崩壊で印象が良くないです。
「春香、でいいかな?」の出会いを否定してまで、書きたいものがなんだったのか?
少なくとも今はそれが見えないです。
タイトル的にもギャグだと思うんですが、上記の引っ掛かりのせいで笑いには至りませんでした。
193:創る名無しに見る名無し
10/01/29 22:53:29 e2BK1WDr
>>188
まず、あくまでも個人的趣味として、ですが。
会話形式は良いんですが、
誰々「」
と発言前に発言者名を書く所謂台本形式は、あまり好きではありません。会話形式なら会話形式で文頭の記名に頼ることなく
発言者を理解させるまでは達成しておいて欲しいなあとか思いますので。
とはいえ、冒頭のなにそれこわいのガイドラインを思わせる不条理ギャグなど、少しキャラ壊しを交えつつの会話形式だと
台本形式の方が適切と言えば適切なのかもしれませんけども。
「ユニット組んでアイドル活動」をプロデューサー、春香、千早の三人でのコント風にゆるい雰囲気で書く格好かな?
今のところ気楽に読める文を志向しているようですので、流れと雰囲気を楽しみたいと思いますw
アイドラとかコミュみたいな形に脳内映像に直すとまた面白げですね
それにしてもこのプロデューサー、そのうちやるだろ、発言と内心の声の逆転w
>>189
まあ例えば貴音が水瀬伊織→伊織殿→伊織、
美希がそこの人→プロデューサーさん→プロデューサー→ハニー
こういうような呼称変更の例はあるのと同様、展開的に春香に会う前の千早あるいは千早に会う前の春香など
敢えてそういう呼称を使う理由がある場合もありますので、そういう明らかに書き手の意図がある場合とかは
ケースバイケースかなと
194:ダメP
10/01/30 19:48:39 dbAbKf7w
>>192
感想感謝です。
実生活の都合上、なかなか書くことができないので、ちょこちょこという形にさせていただきました。
あと、皆さんのこういう展開を期待する! みたいなのにも機敏に反応できますしwww
まとめての方が良いなら、いっぱい溜まったら投稿という形になるようにがんばります!!
キャラ崩壊の印象が良くないのは重々承知です。申し訳ありません。
「春香、でいいかな?」の出会いと仰るのはどのような意味でしょうか?
分かりませんでした…。
書きたいものは、結論から言うと「春香」ですね。それだけです。
正直、わたしは千早は大嫌いです。このマセガキが…と思ってしまってwww
>>193
感想、ありがとうございます。
そう言った方の表現も好きなのですが、仰る通り、コメディ系台本で、深く考えずに、だらだら読めるものをと思いました。
発言者を書かない普通の小説も書きますが、テンポ良く進むために、できるかぎり描写を省き、台詞のみで進めて行きたいかなーっと現在は思っています。
プロデューサーのこれからのお馬鹿な行動に期待してくださいw
(あと、疲れた時の息抜きに読んで欲しいなーっという思いが少しばかりあります)
確かに、いきなり「春香」「千早ちゃん」と呼び合うと、私はすごく不自然かな、と思います。
現実感が薄れる気がしてしまって…。(コメディに現実感もくそもないと言われればそうですが…)
っていうか、ここの人みんな率直な感想くれて嬉しいなwww
オラ、なんだかワクワクして来たぞwww
195:創る名無しに見る名無し
10/01/30 20:25:17 hzrW9VPu
>>194
>「春香、でいいかな?」の出会いと仰るのはどのような意味でしょうか?
確か、ゲーム本編でPと春香が始めてのミーティングをした時の会話だったかと。
二次創作でそう言った本編でのお約束とかを無視すると違和感持つ人が多いですよ。
それだけで、物語への没入度が落ちますし。
196:ダメP
10/01/30 22:10:20 dbAbKf7w
>>195
了解しました。感謝です。
それも、あんまこだわると自由度が下がりますねぇ。気持ちも分かるけど。
どうでもいいですが、遊びのつもりで書いた小説に
ここまで真摯にレスをくれる人たちが正直すごいなぁと思ったり、
申し訳ないなぁと思ったり。
197:創る名無しに見る名無し
10/01/30 23:58:24 Klb7sUHr
>>195
うーん、正直こういう漫画で言うとギャグ・コメディ系の4コマ、あるいは1ページ漫画みたいなというか
涼宮ハルヒで言うとこのハルヒちゃん、あるいはロードス島戦記に対するようこそロードス島へ!みたいな
たとえが古いな・・・そういうような系統だと、そういうとこってこだわりどこにする必要ないかな
とも思うのですが
どちらかというと、この文でのキャラ崩しが容認できるものだったかの問題で仮にそこをおさえても
別の部分で違和感を見つけてしまうのではないかと
198:192
10/01/31 00:50:24 UKTY+aan
本人ですw
中身としては、>>195の言う通りなんですが、>>197もまた真実。
活動開始後最初のPと春香のミーティングで、名前で呼ぶ際に、選択肢になって、
正解は「天海さん」じゃなくて「春香」で、その時のPの台詞が
「春香、でいいかな?」というものなんですよ。
春香自身が、Pに「天海さん」と呼ばれるよりも「春香」と呼ばれる方を好むわけなんです。
それが、春香のキャラ立ちの一部と思えるわけであり、
つまりは、春香のキャラそのもの、Pのキャラ、さらにその二人の関係、
それら全てが原作と別物になっちゃってる、と言いたかったのです。
自分もSS書きの端くれなわけですが、自分の書き方からすると、
そういった原作の端々からキャラを拾い、関係を拾い、
矛盾や不自然さがないように、と考えながら書いて行くわけで、
それを無視して別物にするからには、何らかの意味があるはず、と考えるのです。
その「何らかの意味」が、結局わからなかった、というのが>>192の結論です。
そういう話じゃない、全然別ものと考えるべき、というのであれば、
出来れば、全然別ものであるという示唆が欲しいですね。
Pの描写とか、設定とかが一番でしょうが、まるで違う世界なんだよ、と示す部分が。
俺だったら、ギャグにするんだったら、例えば最終節、
もう少し春香と千早のキャラを生かして、Pが片っ端から情報を垂れ流して並べた後で、
春香は意味もわからず「頑張ります!」ととりあえず姿勢だけは前向きで、
千早がそこで冷静にツッこむ、ただしツッこみどころは変、とかやらせますねえ。