09/06/27 22:43:57 PdjRwrDw
小ネタ
「う~、きれいだどぉ~・・・」
初夏、夜ともなるとあちらこちらから虫の音や蛙の鳴き声が聞こえてくる
このれみりゃはそれらが奏でる音に聞き入っていた
「う~♪ ふうりゅうだどぉ~♪」
縁側に腰掛け足をプラプラさせながら、その調べを邪魔しないように控えめに感嘆の声を漏らす
「れみりゃ?あんたまだ起きてたの?」
結いをほどき、肌襦袢だけを身に付けた霊夢が声をかける
提灯を持っているところを見ると大方戸締まりの確認だろう
「う? むしさんのうたをきいてたんだどぉ~」
「あら、なかなか洒落込んだことをしてるわね」
そう言うと霊夢も隣に腰掛け静かに目を閉じた
れみりゃも視線を霊夢から戻し、今は月を眺めていた
リーリーリー ケロケロケロ
サラサラサラ ゅーゅゅー
様々に奏でられた音が一つの調べとなり響き渡る
誰の邪魔も入らない二人のための演奏会
暫く聞き惚れていた二人だったが夜風に揺れた風鈴の音で
フッ、と我に帰る
「夜風に当たるのはあまりよくないわ。もう寝ましょう?」
「きょうはおひらきだどぉ~♪」
立ち上がり縁側の雨戸を閉める霊夢
静まり返った寝室の蚊帳の中で二人は眠りに落ちた
この季節、名も無き音楽団が奏でる調べは
何処からともなく聞こえてくる
耳を澄ませば、ほら・・・
おわり