09/07/01 19:34:32 dAejA1sT
10/10
『何やってるの!? 大事な機体をぶつけて傷つけないで欲しいのだけど。
あなたの操縦は荒っぽいんだから、また花壇とかブロック塀みたいに破壊したら、弁償するのは誰かしら?』
『悪かったなあ、私だってぶつけたくてぶつけたんじゃないんだよ? 大体、ぶつかりそうなら初李こそ避けろよ。
接触するくらい幅寄せてこなくていいっての!』
『何なのその言い草。 操縦の運動神経だけじゃなくて言語野も雑なつくりなの?』
「ちょっとちょっと、真璃、初李、喧嘩しないでよ! 真璃もぶつかったのは自分なんだから素直に謝ったらいいでしょ!?」
開始するなり衝突を始める真璃と初李。
慌てて仲裁に入ろうとする有理だが、翠は「放っとけばいいじゃん、あれで結構仲がいいんだから」と楽天的だ。
実際、真璃と初李に有理を加えた三人(+翠:主に軍事や機士の話題の時)で屯ってる時間は多いしそれほど仲は悪くないのだ。
「…というか、真璃は絶対わざとぶつけたよね」
「そうねー、さりげなくさっきの座学の仕返しをしているのね」
87式から降りた玲がスポーツドリンクで汗として流した水分を補給しながら由香里と談笑していると
同じく89式(校門辺りに降着姿勢で乗り捨て)を降りた麗美が咲也に手を引かれてこっちに戻ってくるのが見えた。
玲はスポーツドリンクのペットボトル容器をくしゃりと握りつぶすと、小さく呟いた。
「さーて、中隊長様のご機嫌取りもしなきゃいけないかな…」
(続く)