09/06/28 21:43:46 Pcy+/bMn
「悪いが時間が無いのでな……苦痛は無い」
ショウイチが周囲の黒騎士達に、憐みを込める口調でそう言った。
その煙に巻かれた黒騎士達の動きが次第に硬直し始める。すると、黒騎士達の外部装甲が少しずつ剥がされていく。
剥がされるというより、溶けていく様だ。その内、その攻撃――ナノマシンによる浸食はは黒騎士達の内部まで達する。
黒騎士達のヘッドパーツが地面に落ち、そのまま水たまりが地面に吸収されるように消えていく。
他の機体も続く様に崩れ落ちていく。やがて、白い煙が収まっていき、曇っている周囲が晴れていく。
そこには、群がっていた黒騎士達の姿は既に無かった。奇妙な静寂が漂う。
タウエルンがバッファローモードから通常の状態に移行する。ショウイチはタウエルンの背中に飛び乗った。
「タウ、黒騎士達が何処に行ったか分かるか?」
「何となく! しっかり掴まっててよ、ショウイチ!」
ブースターを吹かし、タウエルンが飛翔する。ふと、ショウイチはタウエルンに声を掛ける。
「タウ、粒子残量は大丈夫か?」
「たぶんまだ持つと思う……。けど、太陽熱のエネルギーが少し危ないかもしれない」
「……まぁ、何とかなるか」
続く
投下終了です。尻切れとんぼで申し訳ない